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80'sの詩

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80'sの詩をまとめてみました!!読んでいただけたら、嬉しいです☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ 宜しくお願い致しますm(_ _)m♡♡♡
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2023年11月の記事一覧

詩「沈黙主義」

詩「沈黙主義」

嗚呼
私を異物と見做す者に
この空気の振動や
共鳴や
己の意思までも
どうして共有せねばならぬのか

勿体無い
勿体無い
そんな時間も
空いたスペースも
心に隙間も無い

封筒を開けたら
中身は白紙でした
封筒と便箋の柄だけで
私の強い思念は伝わるだろう
貴方様ならば
そこから
あらゆる物語やら
魂の旋律やら
私の意図すらも汲み取れるのだろう?

想像力を働かせよ
創造力を働かせよ

それでも理解

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詩「ニナ貝」

詩「ニナ貝」

奥の部屋に引っ込んで
出てこなくなった思春期の子供の様に
頑なに
細い洞窟から出てこようとはしない
強情なニナ

あなたが奥に閉じこもらない様に
慎重に
温度にも気を付けて
至極丁寧に、煮たのに

私達は
宝探しでもするかの様に
クリップを真っ直ぐに変形して
暗闇の中をほじくり回す
膜が落ち
引っかかる様にして
あなたは姿を現した

引きちぎらない様に
貝殻をくるくると踊らせて
ダンスをしながら

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詩「私のタブレット」

詩「私のタブレット」

黒いカーテンを引いて
繰り返される
真昼間の遊戯

「スマホが良い。タブレットじゃなきゃ嫌?」
貴方は
頑なに首を縦には振らない
器用に
私のお腹の下辺りから
タブレットを挿入する
電源を入れたら
突如、私のお腹の中に液晶画面が現れた

暗い部屋に
微かな光が広がる
現代の光は目がやられそうになる
頭がクラクラする
確実に脳が閉鎖されてしまった
近代化にはついていけない

貴方の細く長い指で
私の

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詩「私は旋律と共に生まれた」

詩「私は旋律と共に生まれた」

胎内で鳴り響く
聡明な楽曲と共に
私の運命の歯車は廻り出した

母は優しい旋律を奏でる人だった
弾き出し
紡ぎ出されるハープの音色
たまに
私の脳内で
銀河の星々が流れては、砕けて消えた
この人なら
私の人生を共有したいと心底思った

そこには
冷たい悲しみなど無かった
一面に花が咲き誇り
陽だまりの香がする桃源郷
もう
随分と前に失くした落とし物を受け取った様な安らぎと例え様のない高揚感
私は全

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詩「恥じらいの秋」

詩「恥じらいの秋」

不安定な地球の上に
ただでさえ
ぐらつく秋の季節
おもちゃの時計の針は
簡単に壊れて取れた
紅葉の葉っぱが風に舞う瞬間
私は
図書室で肘をついていた
あの頃に戻っていた

革のノートに自分だけの物語を連ねて
そっと
図書室の本棚に挿した
あの言葉達は
誰の目にも触れる事なく
今頃
あの運動場の辺りに
お転婆に
せわしなく転がり回っているのだろうか
制服に身を包んだ私は
シャンと背筋を伸ばす
空気が

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詩「母さんの赤いボタン」

詩「母さんの赤いボタン」

太陽の光に照らされて
キラキラ光っているものなぁに?
やけに眩しくて
わたしが勝手に美化しちゃってるだけ

母さんのお気に入りの洋服に付いている
赤いボタン

小さい手だから 満足に
握ることも
欲しいって言うことも出来なかった
(あの洋服が、一番、母さんに似合っていたから)

手が届く距離にあるのに
触れられるのに
決して手に入れられない何かが
強烈に人の心の中に
残ってしまうのは
何故なんだろ

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詩「アンバランス」

詩「アンバランス」

泣きたいのか
泣きたくないのか
私は
もう何も分からなくなった

私の足の裏にある栓が
勝手に抜けて
そこから
身体中の水分が
勝手に
ドバドバと
出て行ってしまったみたいだ
腑抜けになってしまった
だから
涙なんか一滴も出なかった

誰にも見えないんだけど
私の魂は、きっと
沢山の涙を流していたんだ
本当だよ
信じてもらえないかもしれないけどさ

「手が温かいから
 心が冷たいんだよ。」
って

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詩「空を駆ける鳳凰」

詩「空を駆ける鳳凰」

天高い秋の空を
鳳凰が駆け上がる
泰平という希望を乗せて

この惑星に
輝かしい未来が存在して欲しい
内なる希望が
空に共鳴したのだろうか
見つけた瞬間
どうしようもなく
胸が震えた

手を取り合って
もう一度
自分ではない誰かを信じて
たった
一歩を踏み出す
大空を仰いで…
幼き頃
そうしていた様に…
特に難しい事じゃない
我々は
同じ地球に生まれた人間同士なのだから

敵対している人間達のDN

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詩「セイタカアワダチソウ」

詩「セイタカアワダチソウ」

澄んだ青空には
渋い山吹色が良く映える
秋の切り取った写真のどこにでも
あなたがいるから
無視できないね

私が信じてしまっていた話は
別の人の真実だった
あなたの前で深呼吸は出来ないと思って
必死に我慢していた
よく知りもしないで
そういう話が
この惑星には沢山あるね
殆どの事を知らないまま
終わりがやって来るのかな?
私は、いつも
色んな事を情報だけで
知った気になっている
(日本で、あなたが

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詩「夜になっていく」

詩「夜になっていく」

毎日、規則的に
太陽が沈み
夜が訪れる

やり切れないのは人間だけ
ページが進む予感がすると
お腹がキリキリ痛くなる
自然には生きられない
踏ん張って力を出さないと
自分にはならない
自分という存在には
責任が付いて回る
責任を果たす為に
力を出し切ってヘトヘトになる
そんな矛盾の繰り返し

騒がしい昼間には気付かない
沢山の光が
平等に照らしてくれるから
ちっとも寂しくはない

太陽が沈みかける

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詩「シャボン玉、ふわり」

詩「シャボン玉、ふわり」

七色に輝いて
ふわふわ宙に浮いている
酷く曖昧な
わたし

強く触ると壊れてしまうから
一瞬で弾けて消えてしまうから

他人にどう見られているか
どう思われているか
分からなくて
おどおどしてしまう
いらないって弾かれた時は
一生懸命に呼吸しているけど
深い海の底にいる様に
息がしづらい
私の頭上には
白くて透明なクラゲが
ぷかぷか上手に漂っているのに
自分を一つで括られている時は
胸がソワソワす

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