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詩「アンバランス」



泣きたいのか
泣きたくないのか
私は
もう何も分からなくなった

私の足の裏にある栓が
勝手に抜けて
そこから
身体中の水分が
勝手に
ドバドバと
出て行ってしまったみたいだ
腑抜けになってしまった
だから
涙なんか一滴も出なかった

誰にも見えないんだけど
私の魂は、きっと
沢山の涙を流していたんだ
本当だよ
信じてもらえないかもしれないけどさ

「手が温かいから
 心が冷たいんだよ。」
って
大切にしていた人から言われた時も
目から涙は
一滴も出なかったんだけどさ
さすがに魂は
泣き叫んでいた様だった
その人に対する
想いの大きさの分だけ
受けたダメージは
甚だ大きかったけど

ずっと一緒にいた人に
本当の私を分かってもらえなかった事に
引き摺りそうな位
体が重く感じた

周りは
すぐに決めたがるんだ
実際に泣いていたら
優しい人なんだってさ
泣いていなかったら
何なんだろうね?
この人は
悲しんでもいない機械マシンなのかなって思うのかね?

こう思っている今でも
誰が作った
何の基準なのかは知らないんだけどさ
私の両手は
実際に
血が通っているから
どうしようもなく
ポカポカと
温かいからさ

別に
誰かに分かってもらいたい
理解してもらいたいから
書いているんじゃないんだよ

自分が
一番に自分の事を何者なのか分かってる
もう
それでいいかッ

普通という均衡が取れない
アンバランスな私でも
強靭な精神を培って
我が道を歩いて行く

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