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詩「私は旋律と共に生まれた」


胎内で鳴り響く
聡明な楽曲と共に
私の運命の歯車は廻り出した

母は優しい旋律を奏でる人だった
弾き出し
紡ぎ出されるハープの音色
たまに
私の脳内で
銀河の星々が流れては、砕けて消えた
この人なら
私の人生を共有したいと心底思った

そこには
冷たい悲しみなど無かった
一面に花が咲き誇り
陽だまりの香がする桃源郷
もう
随分と前に失くした落とし物を受け取った様な安らぎと例え様のない高揚感
私は全てを赦し、この身を委ねた

開かれた世界で
私は何を成すのだろうか?
光に目が眩んで
地を這いずり回りながらも
耐えかねる
屈辱に身悶える日がやって来るかもしれない
嗚呼、それでも…
私は楽曲と真の言の葉を愛し続ける

私は旋律と共に生まれた

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