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学生時代に足が速くてもモテないやつはモテない、というお話


『モテの才能がないのに足が速いやつは、ただのイキリ野郎でしかない』


足が速いことをキモいと呼ばれた体験談です。




1.小学時代のカースくん

私は血筋だけで言うならば、体育会系のサラブレットです。

父は陸上、テニス、野球、柔道と多岐に渡って好成績を収めた脳筋で、
母はバレエと球技全般が得意だったようです。

しかし幼稚園から小学5年生までの私は、50M13秒台と鈍足でした。

5年生で13秒はなかなかいないと思います。

ちなみに体型は普通でした。



5年生の時の運動会が終わった日、父が突然言います。


「毎朝走ろう!」


さすがは脳筋。

当時なぜ私がその脳筋発言を受け入れたのかは分かりません。

しかしおそらく、父の目には私が哀れに見えたのでしょう。

よく覚えていませんが、13秒はみんなが走り終わっても3秒は一人でレーンを走っていることになりますからね。


私は1年間頑張りました。

毎朝いつもより90分早く起床し、小雨程度なら構わず走り続けていました。

たまに嫌になって、父親のアラームを弄って回避するなんてこともしましたが、小学生にしては頑張ったと思います。

ついでに逆上がりの練習もさせられてできるようになりました。


当時好きな人を原動力に頑張ったわけじゃありませんが、私の成長スピードは並外れています。


1年後の運動会では、50Mが6秒台となるまでに縮みました

リレー選抜にも選ばれ、学校一足が速いという称号をゲットしたのです。



13秒だった男が6秒に縮めた。

まさにヒーローのような所業です。

もちろん体型もシュッとしていましたし、自信にも繋がりました。

小学生の体育は、サッカーにしろソフトボールにしろ、足が速ければある程度活躍できます。

まさに私は、運動神経抜群の男になったわけです!



しかし現実はそんなに甘くありません。

今思えば、モテない道の序章だったと言えるでしょう

リレー選抜に今まで選ばれなかったやつが選ばれたということは、今まで選ばれていた人が弾かれることになります。

はい、相当な恨みを買いました。

元々コミュ障でボッチ気質な雑魚が、急に目立ったのです。

面白いわけがありません。


その時につけられた私のあだ名が、『チーター』です。

動物のチーターだと思ったあなたは、純粋な方なんですね。

そんなかっこいいわけないじゃないですか。


ゲームなどで“チート(ズル)を使う人”のことをチーターと言います。

小学生ですし、チートなんて言葉が流行っていた記憶はないのですが、気づいたら『チーター野郎』と呼ばれていました。

つまりは認められていなかったということですね。

まあ1年でタイムを半分以上縮めて学校一になるなんて、ちょっと信じられませんよね。

しかも学校一目立たなかった雑魚が。



女子に言い寄られることなんてなく、運動会で応援されることも褒められることもありませんでした。

なんでだろう? と強く疑問に思ったのをよく覚えています。




2.中学生のカースくん

中学1年になっても、1年の中ではだいぶ速い部類にいました。

さすがに足が速いと言えばカースくんの名は挙がっていました。

が、モテてはいません。


中学生になると、陸上に長距離が加わります。

長距離は非常に不人気で、誰もやりたがりません。

私も長距離の経験はなかったものの、先生にやってくれないかと頼まれたので短距離を捨てて長距離に。


とはいえ私は、毎朝走り続けていたわけです。

長距離も普通に好成績でした。

一番速かったです。

が、モテてはいません。




3.原動力がないから腐ってしまったカースくん

体調の問題もありましたが、中学2年に上がってふと思います。


「運動をやる意味がない」


モテないし、嫌味を言われるし、疲れるし。

中学時代はいろいろな嫌なことが重なったこともあり、運動をする気力がなくなってしまいました。


その結果がカースくんです。


みなさん、もし身近に運動のできるモテない人がいたら、褒め称えてあげてください。

それが原動力となり、人生が変わるかもしれません。

運動ができてキモいわけがないのだから。


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