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差羽ナガレ
2024年1月30日 23:35
血と鉄の雨が降り止んだなら戦場で踊らないかバシールみたいにここにいる理由なんて誰も考えないただ敵に向けて機関銃を撃ち捲るだけ気違いみたいに声を上げながら照明弾に晒された仲間の體が吹き飛んだなら迫撃砲を撃ち返すさよならを告げるより早く
2024年1月28日 19:27
イタリア製の革張り椅子に腰掛けるゴッドファーザー幾つもの裏切りに合い死を運ぶ天使に背中まで抱かれても彼の硝子の心は砕けなかった彼が信仰を捨てた時その魂も死んだのだから彼は何も感じやしない見えない絶望に延々と使役するだけ沈黙を続けるか弱き羊の群れの様に
2024年1月25日 23:17
Ⅿ87の六角ボルトを捩じ切るブルーワーカーセクシーな修道服を着て夜の街に立つカトリック貴方の様に為りたくないと憎んだ父親の様に変わる政治家の隠し子世界の終わりを歌いながらオレンジマフィンを焼くグラマーなあの娘俺は全てを愛している心から本当にさ
2024年1月22日 18:35
白衣を着込んだ医者に神を見い出す病める人達は己の意志でしか善悪を正せないそしてまた違う神を求め新しい医者を探す夢遊病の様に何かに取り付かれて
2024年1月19日 19:44
校内の音楽室でピアノを弾く少年月光が鳴り響く中をハーフライフルの音が不協和音の様に重なり続けて生徒達は倒れ逝く悲鳴も懇願も大人に届く事など無く憐れみのエンドロールが何処からか溢れ零れた
2024年1月17日 23:40
夢の帳が降りた頃獣達はただ傷付け合う菖蒲の花が枯れてもその歯牙が崩れようとも生き残った者にしか神は振り向かないと生まれる前から體で知っていたから今宵も何処かで獣達は傷付け合う無常の森に優しく抱かれて
2024年1月15日 18:43
メロンミルクを口から零して貴方は笑う窓を眺めながら私は誰の物でもないのよ呪文の様に何度も呟いてメロンミルクを口にするさよならなんだと僕は思ってバーのマスターに支払いを済ませ独り店を出た外は吹雪きで何もかもが凍り付き時間すら止まっていたんだ
2024年1月11日 18:49
幾ら體を揺らしても心は棚引かずに枯れて逝くだけなんだサーカスの子供達みたいに客を呼べなければ捨てられるだけ皆がそうだろう世界は冷血なのだから見返りを求めてはいけない例え理不尽だったとしても無理やり飲み込んで知らない振りをするのさそうすればほら巧くやれる筈だから
2024年1月7日 23:42
神楽火が風にそよぐ季節深海で溺れる勇魚誰にも気付かれる事無く少しだけ季節は廻り僕は貴方を忘れるもっと生きやすいよにその声だけが安い體に染み付いて未だに剥がせやしないそれは深い傷口のまま僕を蝕み続けるだろう呪詛の様に重く暗く
2024年1月5日 23:03
私達は必ず老いさらばえて逝く何かに為れても何者にも為れなくても何にも成さずにただ指を咥えて私達は生き過ぎた今報いを受けるならば誰にこの心を打ち明けようそんな相手など探せる訳も無いまま私は今日も彷徨う生命と言う名の檻を
2024年1月3日 23:12
戦場から帰還した兵士は二度と熊狩りには戻れない獣は地雷も手榴弾も機関銃すら撃たないのだから人が考えた最新で最高の悪意をぶつけ合うそれが戦争の背骨だと徴兵されるまで彼は知らなかったそして知ってしまった地獄の中で生き残った者は地獄の淵を彷徨う事しか叶わないのだと
2024年1月2日 22:54
左手に嵌めた脆弱な時計が退屈な朝を告げる隙も無い程正確にやりたくも無い仕事へ皆が同じ顔をして鉄の形をした箱に無理やり押し込まれそれぞれの職場へ向かう夢遊病の様に見えない糸に操られて