マガジンのカバー画像

短編小説

12
様々なジャンルの短編小説集です。
運営しているクリエイター

#学園モノ

短編小説【ウラとオモテシリーズ】「ハートの転売ヤー・ウラ編」

短編小説【ウラとオモテシリーズ】「ハートの転売ヤー・ウラ編」

※「ハートの転売ヤー・オモテ編」を読んでいない方は上記のページに飛んでいただければと存じます。

「ちょ、ユ、ユウキくーん」
ミユキが叫び、ユウキくんがこっちへ全力速で走ってくるわ。
あたしというと昇降口の影で張り込みんでいる刑事のように隠れて、ミユキとユウキくんのやり取りを一部始終覗き見していたところ。
ユウキくんが校舎に駆け込み、あたしに気づかず通過しようとしていたので、「こっちこっち」と声を

もっとみる
短編小説【ウラとオモテシリーズ】「ハートの転売ヤー・オモテ編」

短編小説【ウラとオモテシリーズ】「ハートの転売ヤー・オモテ編」

「えぇー、第二ボタン、ミサキにあげた!?」
「く、苦しい、え、襟、捕まえ、んといて…」
「あっ、ごめん、ユウキくん」
驚きのあまり私はユウキくんの襟を掴んで、凄んでしまった。
襟を掴んでいた手を直様離し、何度も頭を下げて、謝った。
「ゲホゲホ」
首元を手で押さを、苦しそうに空咳をしているユウキくんに、恐る恐る口を開く。
「ねえ?なんで、ミサキなんかに?えっ、まさか、ミサキと…そんな関係やったの?」

もっとみる
青春短編「バレーの神様に土下座します」

青春短編「バレーの神様に土下座します」

フェンスにテニスボールが直撃し、ガシャンと大きな音が鳴り響く。
「きゃああ」
フェンスの側を歩いている薫子が悲鳴を上げる。
遠くから男子テニス部員二人が「すみません」とにやけながらお辞儀し、謝る声が聞こえる。
前を歩いている由美が振り返り、薫子を気遣う。
「大丈夫だ、フェンス越しだ、取って食われることはないよ」
怯える薫子、少し前方で立っている由美に駆け寄る。
「そ、そうだけど」
「全くスポーツを

もっとみる
【二次創作短編小説・女子高生の無駄づかい】むねお

【二次創作短編小説・女子高生の無駄づかい】むねお

この物語はフィクションです…。

チャイムの音が鳴り響き、さいのたま女子高等学校は本日も放課後を迎える。
青春の汗をかき、部活に精を出す女生徒達。
歩きながらゲラゲラと笑い、漫談しながら、校門に向かう暇な帰宅部の女生徒達。
そして、その中には、一際デンジャラスで可笑しな女の子達がいる。
皆に舐められないため、反抗的な態度をとる心優しい小さき女の子。
心に傷をおった、だいぶ残念な厨二病の女の子。

もっとみる

脳内、お花畑ボーイ

これが一目惚れというものなのか。僕の心を掻き立てる。今すぐ行動に移さなくては、後悔する。よし、告白しよう、と思う前に身体が彼女への元へと足を運んでいた。彼女はふらっと入った漢高の文化祭で、ファッションショーに出場していた。その姿はまさに大和撫子、目が離せなかった。こんな感情は初めてだ。初恋以上の恋。身体に電流が流れる?いや、それ以上の衝撃だった。こんな出会いは二度とないと直感的に感じ、居ても立って

もっとみる