こぽりろあぽ

こども ではなくなった きみへ。 今まで各種SNSでは語っていない 私の思う作品ごと…

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こども ではなくなった きみへ。 今まで各種SNSでは語っていない 私の思う作品ごとの物語を ここに残すことにしました。 主にLINEスタンプ、 フライヤー挿絵、 オーダーイラストをしております。

記事一覧

狐面

「天才だね」 「やっぱりすごいね」 「才能があるね」 「センスがあるね」 褒めていただけることはとても嬉しい 私は捻くれているので いただいたことばに もやもやとし…

こぽりろあぽ
7か月前

あれはね

もしもきみに ぼくがみえたなら ぼくのいうことをよくきいて まず、あれはね きみがいっちゃいけないところだよ ここはだいじょうぶ ぼくがまもってあげられる あれは…

こぽりろあぽ
9か月前
3

夏にはなれない

「夏にはなれない」 言葉で表現するのは難しいのですが いろんな感情を込めて描きました 私は冷夏に生まれました 夏生まれだけど、夏には慣れない 大人になってから 夏…

1

契り

-契り- 小学生の頃の夏休みは毎年祖父母宅に 1週間ほど1人でお泊まりをしていた少年 家の裏の森を彼は 朝から夕方まで森を探索していた そんなある日、狐面を被った少女…

1

きみの番じゃないよ

「Not yet」 自ら命を経とうと意を結し 暗い死の境目で 突然現れた黒い服を着た彼 彼は命の門の番人らしく 何やら黄色い輪を持っている 彼の手により 頭上に輪をかけら…

3

夢喰願

「夢喰願」 ちょうど1年ほど前に描いたイラストです -夢喰屋- 世の人が心に抱える悪夢を どうにかしたいという 人々の願いがお札となりぶら下がる それを喰い供養する …

天使なだけ。

「天使なだけ」 髪も整えず足を開いて タバコを吸い、うわの空の天使を描きました 天使といえば ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖典や伝承に 登場する神の使いです…

蜘蛛の糸

「蜘蛛の糸」 生前好い記憶が皆無として 蘇る希望が目の前に訪れた際 人はその糸を握るだろうか まずはイラストの説明から… ここは死後の世界です。 たくさんの人自…

1

白と黒

「白と黒」 ふたりしか知らない場所で 誰にも言えない時間 白の世界では黒が悪とされ 黒の世界では白が悪とされる 親がそう言ったから 家族がそう言ったから 友達がそ…

2

君が来るのを待ってるよ

「君が来るのを待ってるよ」 心がすり減る男の子の死を 心待ちにしてる天使 生きていてこそ 何でもできる 何にでもなれる 何も手に入らない 生きていることが最善か …

3

無題

30分くらいで絵を描いた。 言いたい言葉がたくさんある 言えない言葉がたくさんある 言葉にできない想いがたくさんある 言葉にならない想いがたくさんある 伝え切れな…

3

メメント•モリ

「メメント•モリ」 死を忘れるなかれ。 世界が終わる前日に 生を終えるとしても、 明日を望むものに 生を届けたい。 この作品は Creatorhouse N.という クリエイター…

6

ぼくさがし

「identity…?」 ぼくはだれで どれがぼくで だれがぼくで ぼくはどこで こういうときはこうすべき ああいうときはああすべき そういうときはそうすべき いくつもの…

2

トモダチ?

「Friend?」  トモダチ? 「やあ、ぼくのともだち」 『…トモダチ?』 ぼくは夢を見た 黒くて丸い大きな何か。 白い歯の見える毛むくじゃらな彼は どうやら人間が怖…

6

雨が明けるまで

「雨が明けるまで」 このタバコを吸い終わるまで この道を赤い車が通るまで この蟻が羽を巣まで運ぶまで ここにカレーの香りがするまで ほんの少し 雨が明けるまで こ…

2

約束

「7.8.9...」 今日も9しか つめなかった 明日は10 つめるかな 10積むことができれば 何か良いことがある そんな約束は誰ともしていなくて ただ自分の中…

2
狐面

狐面

「天才だね」
「やっぱりすごいね」
「才能があるね」
「センスがあるね」

褒めていただけることはとても嬉しい

私は捻くれているので
いただいたことばに
もやもやとしてしまうことが
多々ある

私が毎日どれほど
頭を悩ませ1㎜も進まない絵を眺め
ほとんど完成させた絵を白紙に戻し
たくさんのもの見ては
アイデアを探し落とし込み
試して崩れて作っては消えているのか

極々極々たまに
ぱっと浮かんでさ

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あれはね

あれはね

もしもきみに
ぼくがみえたなら

ぼくのいうことをよくきいて

まず、あれはね
きみがいっちゃいけないところだよ

ここはだいじょうぶ
ぼくがまもってあげられる

あれはね、ぼくじゃ
まだまだたりないんだ

きみがあそこから
はなれてきたみたいに

いつかきみが
ここからはなれたくなったら
いきたくなったら

そのときはぼくが
いっしょにいってあげる

それまではぼくと
いっしょにいよう

だいじ

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夏にはなれない

夏にはなれない

「夏にはなれない」

言葉で表現するのは難しいのですが
いろんな感情を込めて描きました

私は冷夏に生まれました
夏生まれだけど、夏には慣れない

大人になってから
夏、大きな変化を経験しました

別の人間になったような
ありのままの自分を探しているような
生まれ変わったような
元の自分を脱げないような

未だ自分に

成れない
馴れない
慣れない

夏がそうしてくれるわけでも
夏になりたいわけで

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契り

契り

-契り-

小学生の頃の夏休みは毎年祖父母宅に
1週間ほど1人でお泊まりをしていた少年

家の裏の森を彼は
朝から夕方まで森を探索していた
そんなある日、狐面を被った少女と出会う

数日間毎日少女に会いに森へ向かい
幼いながらに少年は少女に恋心を覚える

お泊まりの1週間最終日、また来年
必ず来るからまた会おう
そして数年間毎年、
1週間だけ彼女と過ごせる日々を楽しみに
夏を待っていた

小学6年

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きみの番じゃないよ

きみの番じゃないよ

「Not yet」

自ら命を経とうと意を結し
暗い死の境目で
突然現れた黒い服を着た彼

彼は命の門の番人らしく
何やら黄色い輪を持っている

彼の手により
頭上に輪をかけられた人は
門を潜り白い扉へと進んでいく

未来に何も思い浮かばせることができず
今の生活に嫌気がさし
紐に首を通したはずだった

呆気なく送り返されて
意識を取り戻したぼくは
部屋の床にうずくまり泣いていた

まだきみの番じ

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夢喰願

夢喰願

「夢喰願」

ちょうど1年ほど前に描いたイラストです

-夢喰屋-
世の人が心に抱える悪夢を
どうにかしたいという
人々の願いがお札となりぶら下がる
それを喰い供養する

心ではたくさん言葉が浮かび
感情が溢れかえるけど
実際言葉に表さなかったり
態度には出さなかったり
ただただ自分の中で
着々とつもり悶々とし
消えることなく埋もれて
見ないふりをすることがあります

普段はなんともないんだけど

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天使なだけ。

天使なだけ。

「天使なだけ」

髪も整えず足を開いて
タバコを吸い、うわの空の天使を描きました

天使といえば
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖典や伝承に
登場する神の使いですが
漫画やアニメ、世に広まるイメージでは
良い行いの側の可愛らしい存在として
扱われがちだなぁ、と勝手なイメージがあります

私自身、見た目で
「ふわふわしてそう」と思われがちなのですが
中身は心の歪んだ捻くれ者です

怖そうな人が話

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蜘蛛の糸

蜘蛛の糸



「蜘蛛の糸」

生前好い記憶が皆無として
蘇る希望が目の前に訪れた際
人はその糸を握るだろうか

まずはイラストの説明から…

ここは死後の世界です。
たくさんの人自身の死の悔い悲しみを水の中に沈めました。
真ん中上から垂れているのは
現世へと繋がる蜘蛛の糸です。
(芥川龍之介さんの蜘蛛の糸から引用)

この作品はCreator house N.主催の
オンライン展示会に出した作品です
展示会

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白と黒

白と黒



「白と黒」

ふたりしか知らない場所で
誰にも言えない時間

白の世界では黒が悪とされ
黒の世界では白が悪とされる

親がそう言ったから
家族がそう言ったから
友達がそう言ったから
先生がそう言ったから
みんながそう言ったから

己の目にも入れず
己の耳で確かめず
己の手にも触れず
ただ届いた得体の知れない
それを善だと疑わない

誰にも話さなくていい
誰にも理解されなくていい
色眼鏡のない眼

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君が来るのを待ってるよ

君が来るのを待ってるよ



「君が来るのを待ってるよ」

心がすり減る男の子の死を
心待ちにしてる天使

生きていてこそ
何でもできる
何にでもなれる
何も手に入らない
生きていることが最善か

私にとって
あなたにとって
彼にとって
彼女にとって
誰にとって

誰かに想いを贈ろうとする男の子
歩くたびに心がすり減る

死を待つのは悪だろうか
生を望むのは善だろうか

死の選択を願い
無責任に周りに求められた命は
誰も守

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無題

無題



30分くらいで絵を描いた。

言いたい言葉がたくさんある
言えない言葉がたくさんある
言葉にできない想いがたくさんある
言葉にならない想いがたくさんある

伝え切れない
伝える術を知らない想いたちは
少しずつ少しずつ積み重なって
喉の奥を痞える。

自分のフリした自分は
なかなか脱げなくて
楽しいことも悲しいことも
どこか自分ではない気がする。

歳を重ね経験を重ね
こういうときはこうすべき、

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メメント•モリ

メメント•モリ



「メメント•モリ」

死を忘れるなかれ。
世界が終わる前日に
生を終えるとしても、
明日を望むものに
生を届けたい。

この作品は
Creatorhouse N.という
クリエイターチームの
オンライン展示会(Instagram)
に展示させていただいたものです。

今回の展示会テーマが
「カタストロフィと再生」でした。
その言葉を聞いて1番に
浮かんだメメント•モリを元に
描きました。

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ぼくさがし

ぼくさがし



「identity…?」

ぼくはだれで
どれがぼくで
だれがぼくで
ぼくはどこで

こういうときはこうすべき
ああいうときはああすべき
そういうときはそうすべき

いくつもの仮面を
つけてはとって
とってはつけてを
繰り返しながら生きている

どの仮面が自分だったか
どの仮面は自分だったか
どの仮面も自分だったか

どれも自分ではないし
どれも自分であろう

探しているものも自分で
探しに行

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トモダチ?

トモダチ?



「Friend?」

 トモダチ?

「やあ、ぼくのともだち」
『…トモダチ?』

ぼくは夢を見た

黒くて丸い大きな何か。
白い歯の見える毛むくじゃらな彼は
どうやら人間が怖いらしい。

次の日も彼の夢を見た

人間に何か言われているようだ
彼はとても傷ついていた
ぼくには彼が何かしたようには
見えなかった。

その次の日も
そのまた次の日も
ぼくは彼の夢を見た

彼は1人だった
池のほとり

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雨が明けるまで

雨が明けるまで



「雨が明けるまで」

このタバコを吸い終わるまで
この道を赤い車が通るまで
この蟻が羽を巣まで運ぶまで
ここにカレーの香りがするまで
ほんの少し
雨が明けるまで

ここに居たくないってのと
どこかに行きたいってのは
同じ意味なのかな
なんにしろ歩こうか

この絵を描きながら
amazarashiさんの
「夏を待っていました」
が浮かびました。

今まで、このテイストの絵は
タイトルを英語にして

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約束

約束



「7.8.9...」

今日も9しか
つめなかった
明日は10
つめるかな

10積むことができれば
何か良いことがある

そんな約束は誰ともしていなくて
ただ自分の中にある何か。

これができたら
こうなるかもしれない
という淡い希望

飲み終えたビール缶が
いくつも転がる部屋の中
前髪の伸びた少年は。