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【短歌】操車場にオレンジ色の孤独たち発車できるとまだ信じてる

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心のままに詠んでみました。ベクトルを定めないスタイルで綴ります。
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短歌 欠けゆく夜

短歌 欠けゆく夜

ただそこにいるだけでいい(銀の月)俯いたまま笑ってるきみ 
 
満月の欠けゆく夜に緩慢にきみは正しさだけを手放す
 
剰え瞳の奥のほんとうがSOSを出していたのに 

週末は更新ができなかったのです。実はパートナーが、ひさびさに調子を崩してしまいました。今はだいぶ落ち着いているのですが、金曜日の夜はどうなることかとハラハラしました(noteを更新した直後のことでした)。

そんなとき、フォローして

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短歌 復讐

短歌 復讐

水色が水の色ではないことが犯行動機だったらしいね

花柄のスカート? 復讐するために生きるだなんて楽しくないよ

ちゃぶ台をひっくり返すのはいいが片付けにまで責任を持て

朝はオータムニットがやっと着られる寒さだったので、ウキウキで出勤したら電車の中は冷房&送風でブルブル、昼間は思った以上にぽかぽかで、うっすら汗すら浮かび、なぜ調整できる服装にしなかったのかと朝の己をふつふつと恨んでいる笹塚です、

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短歌 冷凍食品

短歌 冷凍食品

コンビニの冷食売り場に永遠がわりと安値で微笑んでいる

永遠が「ん」で終わることしりとりで使えないこと腹が減ること 

永遠の終わりを告げるレンチンに涙するひとだけで食べてよ

私は永遠はどこにもないと思っているのですが、思想信条はさておき、えいえんってしりとりで使えないな、とふと思って作った歌です。

冷凍食品にも賞味期限があることはありますが、そんなに気にせず自宅の冷凍庫に、いろいろ眠っていま

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短歌 猫は驚く

短歌 猫は驚く

ぎこちなく扉は閉まる人びとがもったり詰まる特急列車

警笛に猫は驚くこれだけの人がいるのにみな黙ってる

きゅうきゅうとわれの財布が鳴いている給料日前のいつものこと

すっかり日が短くなりましたね。朝晩は羽織がほしいですが、昼間はまだまだ暖かくて、服装で調整の日々です。

ですが、あまりに心地よい気候なので、今日は午後からはパソコン作業を控えめにして、コーヒー片手に日向ぼっこしてました。こういうと

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短歌 出せずじまいの恋文

短歌 出せずじまいの恋文

コーヒーのあったか〜いを選んでるとなりで冬の足音を聞く 

扇風機きみも役立たずになった安心していまバラしてあげる 

でもね、また夏はくるでしょ。捨てちゃいな、出せずじまいの恋文なんて。

今日、やっと扇風機をしまうことにしました。が、バラしたのはいいものの、箱に入りません。説明書を見ながら収納しているはずなのに、どうしても羽が入りません。力ずくで仕舞うと折ってしまいそうなので、今日のところはあ

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短歌 セピア色の青春

短歌 セピア色の青春

三叉路を過ぎればきみがいる/いない/別の誰かと手をつないでる

演じてたはずのピエロをやめられず「友達だよ」と言ってしまって

助けてと言えなかった日の夕暮れがまぶたの裏でリフレインする

ラーメン用のどんぶりが一個、割れてしまったので仕事帰りに買って帰りました。レンジにも食洗機にも対応しているとのことで、頼れる我が家の戦力となりそうです。

絵に描いたような青春は送れませんでしたが、この年齢にな

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短歌 いつものラジオ

短歌 いつものラジオ

風呂上がり米を研ぎつつ聴くラジオいつもの声に励まされてる

叫ぶよりもう倒れたい夜だけど深夜ラジオが笑かしてくる

通勤のお供はラジオ満員の京王線で笑みかみ殺す

こんばんは。各種メディアやツールの選択肢が多い現代ですが、私は相変わらずラジオがちょうどいい距離感です。

radikoのおかげで、タイムフリーだけではなく加入してエリアフリーになったので、聴きたい番組が聴けるのが、とにかくありがたいで

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Garden2023~秋さんぽ編~

Garden2023~秋さんぽ編~

こんばんは。タイムラインがまた花テロで彩られているので、自分も参加したいと思い、公園で写真を撮ってきました。

キンモクセイの香りがすごかったので、内心少しハラハラしたのですが、パートナーも穏やかに、楽しそうに散歩していました。

(▽なぜ私がハラハラしたのかは、以下の作品をご参照ください。)

今日は天気雨に降られたり、晴れたと思ったらまた降ってきたりで、天候に振り回された一日でした。夕方からは

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短歌 ごはん

短歌 ごはん

おむすびはふわっとにぎるつながりもあんまりぎゅっとしないのがいい

ふっくらと炊けたごはんを前にしてどうして嘘がつけるだろうか

傷ついた日も腹は減る銀シャリが(大丈夫って)きらめいている

おなかをすかせながら詠んだ短歌たちです。ごはん、おいしいですよね。空腹がなによりのスパイス、という内容の歌がどこかにあった気がします。

人間関係も、おいしいおむすびのごとく、あまりぎゅぎゅっとならないほうが

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【掌編×短歌】ほどける

【掌編×短歌】ほどける

窓辺には金木犀の香りまたきみがほどけるきっかけを生む

人の記憶は、匂いと強く繋がっているという。ウェブ記事で読みかじっただけの知識だから、深い理由や正確な仕組みはわからない。けれど、いま私のとなりにいる彼を見れば、そのことが実感として理解できるのだ。

半休の取れたとある秋の水曜日、私は昼ごはんもそこそこに済ませ、急いで帰宅した。自宅に到着したとき彼は、寝室でまだ横になっていた。遮光カーテンも開

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推し短歌⑧ なぞなぞ

推し短歌⑧ なぞなぞ

予報にはなかった雨に濡れそぼり帰る家にはきみという謎

今どきはわかりやすさがウケるけどきみという謎だけは解けない

正答のないなぞなぞを解いている気がするきみのとなりにいると
#推し短歌 募集最終日ということで、改めて身近な人で短歌を作りました。好きな気持ち、推したい気持ちで短歌を作るのは、本当に楽しかったです。

さて、ここ最近さらにインバウンドの人が増えたらしく、街なかでよく道をきかれます

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【11月11日(土)開催!】文学フリマ東京37に参加します【き-52】

こんばんは、急に寒くなりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。私はカーディガンとトレンチコートデビューをしました。あと、髪を切ってもらいました。丸顔にショートカットがいい感じです(`・ω・´)

さて、「文学フリマ東京37」が11月11日(土)に開催されます。以下にも情報をまとめていますが、告知させてください。

小説作品のコンセプトは、「病んでも、大丈夫」。その想いで紡いだ物語たちです。ぜひ

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短歌 けれど叱って

短歌 けれど叱って

「どうせ」って保険をかける生きかたを許してほしいけれど叱って

手書き短歌、今日で一段落したいと思います。

私のよくない口癖のひとつに、「どうせ(私なんて……)」というものがあります。自覚はなくて、友人から指摘されて気づきました。

ジェーン・スーが以前、「『どうせ自分なんて』って枕詞につけても、いいことはひとつもない」(要約)とラジオで言っていたのです。ほんとその通りで、その場しのぎの言い訳以

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推し短歌⑦ 筋肉少女帯

推し短歌⑦ 筋肉少女帯

絶望にすら飽きたなら歌おうぜ堕ちても底に咲く花がある

動かなくなったゾンビを埋めてやる優しくなけりゃサブカルじゃない

死にたさに襲われるとき聴いてみなダメ人間も生きていくしか

推し短歌、今回はまさかの「筋肉少女帯」です。我が家は夫婦そろって筋肉少女帯のファンなんですが、もともとは夫が好きでした。「キノコパワー」を聴くと具合が悪くなるそうですが、つい聴いてしまうそうです。とんだ中毒です。

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