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【詩集5】縦に破りたい自分

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「縦に破りたい自分」をテーマに詩を書いてみました。なお、『幼い女の子(詩集5-5)』はR18作品となっており閲覧注意です。
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記事一覧

鏡(詩集5-9)

母は優しい顔をしている

時々心配性なところもあるが

いつも優しく悩み事を聞いてくれる

父は凛々しい顔をしている

時々怒りっぽいところもあるが

いつも頼りになってくれる

私は情けない顔をしている

いつも不安で歪んだ顔をしている

自己嫌悪と他人へのしょーもない憎悪で満ちている

綺麗な鏡であればあるほど

そこにくっきりと醜い私が映る

思わず鏡ごと殴って割ってしまいたくなる

きめえ

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縦に破りたい自分(詩集5-1)

不要なレシートを縦に破くように

自分を縦に破りたい

願わくば 破るとき

バリバリバリと気持ちのよい音が鳴ってください

あと

破ってぐちょぐちょになった断面から

蝿が来ないうちに蛆虫がいっぱい誕生して

ひっそりこの地球のどこかを綺麗にしてください

歳をとっても脱皮しない虫(詩集5-2)

歳をとっても余計な脂肪がたまるばかり

ただ体に張り付いているだけの肉の中で

私はその肉を動かすためだけに呼吸して

一日一日を過ごして 歳をとっていく

何も変わらないし 変わろうともしない

息苦しさだけが充満するけど

脱皮できない 脱皮しない虫のような私

成長するのは肉の大きさだけ

体が重くなるだけ

日に日に重くなってゆく体を引き摺りながら

あるいはバグった蟻みたいにあたふたしな

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この重いだけの体を海に投げたら(詩集5-3)

この重いだけの体を海に投げたら

浮くのだろうか 海は浮かせてくれるのだろうか

もしくは沈むのだろうか いいや潔く沈んでしまえ

沈んで沈んで沈んで沈んで沈んで沈んで沈んで

マッコウクジラの頭にでも当たって砕けちまえ

ああせめて せめて魚たちに喰われたい

人間たちの世界では何一つ貢献できなかった

それどころか迷惑ばかり振り撒いていた

この体の肉をどうぞ

それで尊い地球上の生命たちに

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窒息(詩集5-4)

少し息が苦しくなってきた

いつの間にか 私は水の中にいた

だいぶ沈んだからなのか

それとも水が汚いからなのか

周りは何も見えないまま

水の中というか闇の中

川か海かすらも分からない

居心地はかなり悪いが

地上よりいくらかマシに思えた

そういえば 私は自発的に飛び込んだんだっけ

誰かに突き落とされたんだっけ

これって夢なんだっけ

なんだっけ

少なくとも今 明らかなのは

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幼い女の子(詩集5-5・R18)

私は、私の人生は、幼い女の子の裸を堪能すること以外の全てにおいて虚無であった。いつからそうなったのかは分からないが、ネットでポルノを漁るのも飽きた頃、自分の欲求を満たすために妻と出会い3回セックスし、幼い女の子を産ませることに成功した。私の夢が叶った瞬間だった。最近は、娘を積極的に風呂に誘っては"一緒に遊んでくれる楽しいパパ"を演じながら、その魅惑的な裸体を堪能するのが唯一の生きがいである。未熟で

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絶景(詩集5-6)

休みの日はよくドライブに出掛ける

2時間ほど車を走らせると 山 山 山 山

不機嫌なエンジンを聞きながら

ひたすらひたすら山道をのぼってゆく

気づけば随分と立派なデカい橋

下で細々と川が流れていて

時折追われているかのように小鳥が横切る

顔を上げると もそもそと大量の山の緑が連なる

その先に 私が暮らしている街が

湖のように広く されど静かに佇んでいた

晴天の下 白く輝く街

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スーパーマンみたいになれた(詩集5-7)

ある日突然 僕のステータスがいろいろ強化された

要するにスーパーマンみたいになれた

空は飛べないけど 車より速く走れるようになった

アスファルトを軽く殴るとヒビが入った

女子にモテるようになった 宝くじ当たった

親が僕を丁寧に愛するようになった

僕は親を正常に愛せるようになった

ある雨の日 川で老人が熊に襲われていた

雨脚が弱まる中 川で老人が熊に襲われていた

なんでもう少しで晴

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休みの日の終わり(詩集5-8)

休みの日が終わる

しつこくスマホをいじってから終わる

寝る

寝る の次は アラームの音

起きて 準備して 出る

ただそれだけのこと

出る直前に姿見に映った自分の顔の

昨日の髭の剃り残し

ただそれだけのこと

日曜日の静かな朝と違って

朝早くから車が多く走る家の前の道路

ただそれだけのこと

昨日かけたサイドブレーキを解除して

アクセルを踏んでいつもの道を走って行く

ただそれ

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