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記事の小説まとめ

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記事で書かれた小説をすべてまとめています。
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2023年2月の記事一覧

【毎週ショートショートnote】アルプス笑点かい?

「テレビの前のみなさん! こんばんは。アルプス笑点のお時間です。司会の山上です。今日はですね。出張版でして、地域活性化をしていこう! とのことで、商店街をぶーらぶらと歩く企画となっています」

「あれ? アルプス笑点じゃね!」
「おや、私を知っておいでですか」
「当たり前じゃん。ほら、川井、止まれって。本物の山上さんだぞ」
「面倒くさい」

「おや、そちらのお嬢さんに見覚えがありますね」
「俺は?

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【毎週ショートショートnote】ヘルプ商店街

「商店街でライブ?」
「そ、シャッター商店街になりつつあるから、ライブして盛り上げてってね、お願いされたの」
「そうなんすね」

小番はリーダーである猫屋敷から渡されたチラシをみる。
チラシには、大きな文字で『ネコクインテット』と書かれていた。

小番の心がじいんと震えた。

「こづかい、嬉しそうだな」
「小番。俺、地元でライブやるの夢だったんですよ」
「安い夢」
「なんだと!」

小番を挑発した

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(1人リレー小説 全2巡) 甘いもの食べに行こう (1巡目)

好きな女の子とのランチタイムを目指して、八連敗中のぼくは、いつものように校舎裏でご飯を食べていたら、不良にからまれて、二つのうち一つのお弁当を食べられた。

別にいいんだけどね、おなかはいっぱいだったし。
問題はそこじゃない。

「あー、うまかった。な、今度スイーツバイキングにでもいかねえ?」

なんか、お弁当を食べさせたらスイーツバイキングに誘われた。

いろいろと言いたいことはある。

お弁当

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空白小説を自作つぶやき小説「真昼の夜道」でやってみた。

空白小説を自作つぶやき小説「真昼の夜道」でやってみた。

みんなのフォトギャラリーより、yonaka様からイラストをお借りしました。ありがとうございます。本がいっぱいですねえ。私としてはこの状況は本棚が足りるかどうかの瀬戸際をすぎたあたりかと思っていますが、たぶん本棚が間に合ってないのでしょうね。本が落ちてきているので。でも、こういう状況になるまで本をいっぱい置いておきたいものです。

自己紹介します。喋々(ちょうちょう)です。小説家修行中の身です。

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【インスタントフィクション】 エア日記  

日記がつけれない。毎日、毎日、記録するのが億劫だ。
でも、日記をつけたい。どうしよう。

そんな思いを解消する方法を思いついた。

日記を書こうとするからダメなのである。
日記を書かないようにすることで、エア日記をつければいいのだ。

エア日記、素敵な響きである。

早速、書こうと思うが、書き方がわからない。
なにせ、記録を見返すことができないからだ。

なら、エア見返しをすればいいのだ。
エア日

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【毎週ショートショートnote】ビジュアル系男子に教えられた琴

林檎(りんご)ちゃんは、見た目だけなら、ビジュアル系男子だ。

プラチナブロンドの短い髪に、耳にピアス。
僕より大柄で、一番背の高い生徒が履くズボンの丈は足首より上だ。

そんな林檎ちゃんは、僕に構ってくる。

「鎌犬(かまいぬ)ー!」
「しーっ! 静かにして!」
「えー、なんでだよ」

なんで後ろから抱き着くの、もう。
女の子だって、意識する。

時刻は昼休み。
僕の弁当が目当てなのはわかるけど

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【毎週ショートショートnote】草食系男子に教えられたこと

「鎌犬(かまいぬ)ー!」
「しーっ! 静かにして!」
「えー、なんでだよ」

そう言いつつ、私は鎌犬にもたれかかる。
鎌犬は顔を真っ赤にしている。

どうやら鎌犬は私を女の子認定しているようだ。
最近、気づいたのだけれど。
気づいたからには、遊ぶに決まっている。

「周囲の目が気になりすぎるから、せめて僕を呼ぶときは、静かに呼んでください」
「えー、なんでだよ。つまんないじゃん」

そう、つまらな

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【インスタントフィクション】 映画観客であれ

映画はエンドクレジットを最後まで見て、明るくなってから映画館を出る。

だから、グッズは買わずにパンフレットを買うことが多い。

パンフレットには、いろいろな情報があって何度も読むのが大好きだった。

パンフレットが電子化された。

映画はエンドクレジットを最後まで見ていた。

パンフレットは買いたくなかった。

この映画の監督は、だれだったか。

最近は監督が人間じゃないから、癖が見抜けない。

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【インスタントフィクション】 本

素晴らしく博識である。

博識であるがゆえに、人を選ぶ。

しかし、様々なものがあるため、博識でありながらも人に寄り添うことを知っている。

意味がないものもときどきある。

意味がまったくないわけではなく、なにかしらの意味があり存在する。

最後までつきあってくれる人もいれば、適当にあつかわれることもあり、一度も相手にされぬまま、一生を終えることもある。

人によっては憧れのものであり、どこでも

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《記事小説》小川未明読書感想文通 3通目

ショコさんと文通をするきっかけは、なんだったかは覚えていない。

おたがい、相手を知らないなか文通をしているというのは、なかなかに面白いと思う。

今まで、人とかかわりを持ちたくなかったのに、ショコさんと文通をするようになってから、手紙に書く内容を考える日々だ。

考えるうちに、手紙というものは本当に不思議だと思う。

手紙は格式ばったものであり、厳格なルールがあり、その通りに書かなければならず、

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【毎週ショートショートnote】迷鑑定バディハイキング

「おつかれ! ボディビル!」
「ああ、帰ってたの」

探偵事務所に帰った名探偵ボディビルディングは、助手であるバディにつれない返事をした。

「帰ってたのって、ひどい!」
「いや、好きな人ができたの~とか言って、もう帰りません! とか言ってたじゃない」
「好きな人に恋人がいたの」
「あんたそういうところは疎いわよね。迷鑑定だわ本当に」
「だってえ、好きになっちゃったんだもん。もうやだー、ハイキング

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【毎週ショートショートnote】名探偵ボディビルディング

名探偵は鋭い目つきで指摘する。

「あなたが首謀者ですね」
「くっそ!」

指名された人間は近場にいた女性をひきよせると、大声で叫びたてた。

「車を用意しろ!」
「やめるんだ! そんなことをしてもなにもならないぞ!」
「うるせえ!」

車が用意され、首謀者は車で逃亡する。むろん、女性は首謀者に、とらわれたままだ。

「ああ、どうすればいいんだ!」
「落ち着いてください。私に考えがあります」

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《記事小説》小川未明読書感想文通 2通目

私の文通相手、海ちゃんは私にとっても甘い。

本が読めない私は、インターネットの情報をうのみにしてしまう。
それが危ないことは重々承知してるのよ。
でも、頼りがそれしかない場合、どうしろっていうの。

気が狂いそうになりながら、いつも暮らしている。

そんな私は文通をしている。
海ちゃんという名前の素性もわからない誰かと文通している。

手紙に文字をしたためるっていう感覚。
なかなかに手間だけれど

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空白小説を自作つぶやき小説「のんびりちゃん」でやってみた。

空白小説を自作つぶやき小説「のんびりちゃん」でやってみた。

みんなのフォトギャラリーより、ほし様から写真をお借りしました。ありがとうございます。ビールといえばポテトですよね!フライドポテト!フレンチフライがアメリカ由来なのは知ってはいましたが、イギリスではチップスっていうふうに言うんですね。知らなかったです。写真はちょっとだけズームしました。今から食べるぞ!という雰囲気が伝わるようにです。

自己紹介します。喋々(ちょうちょう)です。以後、よろしくお願いし

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