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暇つぶしにでもどうぞ。

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記事一覧

アナログ的若気の至り

自由を追い求めることによって束縛を感じるという矛盾。 生きていくという行為に関して疑問を感じ始めたのは今に始まったことではない。しかしその疑問の種類や内容に関し…

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2年前

後悔の果てにある思考の閃き

4年と3ヶ月が経過した今でさえ、あの3年間という時は色あせることもなく、むしろ当時にもまして強烈な輝きを放っていることを実感している。 これと言った変化が日常に…

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2年前
2

超短編小説 「ガーベラの一番似合うあなた」

人は、人生の中で数回だけ、「自分」と言う存在を認識し、そして、その自分という「者」に対して真剣に考えなければいけない時がある。 親元を離れる時、自分のパートナー…

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3年前

超短編小説 「27歳では死ねない」

誰も僕のことを知らない場所で、ただ、僕のやりたいことを全うしたい。大それたことに聞こえるが、そんな場所は、意外と身近に存在している。始発から2本目の電車の2号車…

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3年前

超短編小説 「純情な気持ちの行く末に。」

今日の君はちがう。 明らかにいつもの君ではない。 何が異なるのか、詳細なことはわからない。 でも、はっきりと言い切れる。 今日の君は、僕をしっかりと見てはいない。 …

Ren
3年前
1

超短編小説 私の「君」だった「君」と、「君」な「君」へ。

誰かの幸せを願うことは、そんなに悪いことなのですか。 純粋な動機ではないにしても、今はただ、純粋な気持ちで、君の幸せを願っています。 こんな気持ちになることを、…

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3年前
3

超短編小説 「表面上」

私の体には傷がある。それは、赤の他人には見せるべきではないほどの、大きく、また、痛々しい印象を与えかねないモノだ。 この傷を負った当時の記憶を、私は正直、あまり…

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3年前

超短編小説 「クレヨンの世界の中で」

また、今日も冷ややかな目で、見られている。 どうしてなのだろう。僕の肌が、みんなの色と違うからなのだろうか。僕の鼻が、みんなより高いからなのだろうか。僕の名前に…

Ren
3年前
1

超短編小説 「Week 1」

月下の光に照らされて、一人歩いて帰る終電後のこの街は、無数の無音と共存していることを改めて実感することができる唯一の時間である。「私は何をしているのだろう」。自…

Ren
3年前

超短編小説 「たいとる いぬ」

「君は以前、僕を貶(けな)してた。」 この書き出しを書いたのは、確か今年の春の頭のことだったと思う。なぜこのデータが未だに残っているのか、また、なぜこの続きを書…

Ren
3年前
4

超短編小説「右手にドラム、左手にクリーム」

決して寒くはない。 セミダブルのベットの上で僕は今、布団の一つもかけずに仰向けになっている。左手にうっすら見える時計は午前0時を37分ほど過ぎた時刻を指している…

Ren
3年前
1

言葉だけでは不十分なのだ

言葉だけでは表しきれないことがたくさんある。 ドラマや本の中の甘い世界の中で、「言葉にしてくれないとわからない」というフレーズがあるが、この言葉を耳にするたびに…

Ren
3年前
2

目的のない人生

貴方の夢は何ですか? 「大きくなったら宇宙飛行士になりたい」 この文章を読む、または聞いた人の中で、一体何人の人間がこの夢を応援してあげられるのだろうか。 子供…

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3年前
3

差異と差別の違いとは

線引きの難しさ 近年、社会全体がグローバルな視点を持ち、多様性を受け入れるべきであるという風潮になるにつれて、再度議論を呼んでいる問題が、「差別」だ。 この差別…

Ren
3年前
2

歳を取るとは

年齢による誓約と制約 数字というものはとても便利。何かを、他の物と比べる際に用いられ、その他の物との差を可視化させてくれるものである。例えば、テストの点数だって…

Ren
3年前
3

本を読むという行為の神格化

どうして本を読んでいると、「すごいね」と言われるのか。 古い時代から、活字は、幅広く物事を広めるためや、庶民の娯楽の為に沢山使われてきた。そんな庶民の中には、「…

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3年前
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アナログ的若気の至り

自由を追い求めることによって束縛を感じるという矛盾。

生きていくという行為に関して疑問を感じ始めたのは今に始まったことではない。しかしその疑問の種類や内容に関しては日々刻々と異なるものに変化していっている。人は歳をとるに連れて、自分が意識していない部分の変化によって自ずと思考や行動が変化していく生き物であると感じる。その変化はもしかしたら自分のみならず、自分の置かれている環境や囲まれている状況に

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後悔の果てにある思考の閃き

4年と3ヶ月が経過した今でさえ、あの3年間という時は色あせることもなく、むしろ当時にもまして強烈な輝きを放っていることを実感している。
これと言った変化が日常にあるわけでもなく、また、これといった変化を日常に求めているわけでもない。ただ、僕の過去を振り返った際に、日常的に変化がある時期があったのは確かである。

当時の僕がその事実に気付いていたかどうかは定かではないが、4年と3ヶ月が経過した現在で

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超短編小説 「ガーベラの一番似合うあなた」

人は、人生の中で数回だけ、「自分」と言う存在を認識し、そして、その自分という「者」に対して真剣に考えなければいけない時がある。
親元を離れる時、自分のパートナーを決める時、そして死に直面した時。

僕は今、まさにその大切なタイミングにいる。ご多分に漏れず、自分という存在を改めにて認知し、また、その存在が、果たしてどのような意味を持っているのかということを真剣に考えてる。しかし、考えれば考えるほど、

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超短編小説 「27歳では死ねない」

誰も僕のことを知らない場所で、ただ、僕のやりたいことを全うしたい。大それたことに聞こえるが、そんな場所は、意外と身近に存在している。始発から2本目の電車の2号車両目、16時半に開いたばかりの居酒屋のカウンター席、隣の街の小さな図書館。

人と違うことをすることは難しい。それは、行うこと自体が難しいのではなく、数多のしがらみを持つこの現状から逸脱し、新たなことを初め、他人に認められることの困難さのこ

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超短編小説 「純情な気持ちの行く末に。」

今日の君はちがう。
明らかにいつもの君ではない。
何が異なるのか、詳細なことはわからない。
でも、はっきりと言い切れる。
今日の君は、僕をしっかりと見てはいない。

常に僕の知っている君でいる続けるのは、たしかに不可能で、こちらもまた、刺激的ではない。しかし、男が女の変化に気づく時なんて、大抵、変化して欲しくない部分が変わっているが故なのだ。

男と女というものは、遺伝子レベルから異なる生命体であ

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超短編小説 私の「君」だった「君」と、「君」な「君」へ。

誰かの幸せを願うことは、そんなに悪いことなのですか。
純粋な動機ではないにしても、今はただ、純粋な気持ちで、君の幸せを願っています。

こんな気持ちになることを、4年前には考えもしなかった。あの頃は、現在という刹那の時間が、その存在を断続的に連鎖させる事によって、未来という時間が、自分の目の前に現れると思っていた。しかし、その甘美な考えは、君という存在を通して、木っ端微塵に粉砕された。本来ならば、

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超短編小説 「表面上」

私の体には傷がある。それは、赤の他人には見せるべきではないほどの、大きく、また、痛々しい印象を与えかねないモノだ。

この傷を負った当時の記憶を、私は正直、あまり鮮明には覚えていない。別に、大きな事故にあったわけでも、誰かに傷つけられたものでもない。先天性の病があり、それを治療するために受けた手術による傷跡である。しかし、問題なのは、その傷が、私の額から、ちょうど、顔を半分に分断するかのように入っ

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超短編小説 「クレヨンの世界の中で」

また、今日も冷ややかな目で、見られている。
どうしてなのだろう。僕の肌が、みんなの色と違うからなのだろうか。僕の鼻が、みんなより高いからなのだろうか。僕の名前にカタカナが入っているからなのだろうか。僕の、、、。

誰も理由なんて教えてくれない。学校の先生だって、Googleだって教えてくれない。もしくは、誰も明確な理由なんて、持っていないのかもしれない。「この世界に、理由のないことなんて何もないん

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超短編小説 「Week 1」

月下の光に照らされて、一人歩いて帰る終電後のこの街は、無数の無音と共存していることを改めて実感することができる唯一の時間である。「私は何をしているのだろう」。自分で考える分には、とても深く、また時間を割いて考えるに値する問いなのに対し、「お前は何をしているの?」と、他人に問われた瞬間に、全てがマイナスの感情に転化してしまう。いや、そうではない。マイナスに転化してしまうのは、きっと私に明確な回答がな

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超短編小説 「たいとる いぬ」

「君は以前、僕を貶(けな)してた。」

この書き出しを書いたのは、確か今年の春の頭のことだったと思う。なぜこのデータが未だに残っているのか、また、なぜこの続きを書き進められないのかということは、同じぐらいわからない。ただ、この書き出しをやめようと思ったことは一度も無かった事だけは鮮明に覚えている。

よく、小説を書いているということを周りに話すと、「すごいね、そんなに文章を書けないよ」などと言われ

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超短編小説「右手にドラム、左手にクリーム」

決して寒くはない。

セミダブルのベットの上で僕は今、布団の一つもかけずに仰向けになっている。左手にうっすら見える時計は午前0時を37分ほど過ぎた時刻を指している。

感情を表に出すことが苦手な僕でも、女性と一夜を共にする際には、多少なりとも表現することがある。そして、先ほども、気持ちを自分の外側に打ち出したところだ。今、僕の左手には1人の女性が僕とは反対側を向いて眠っている。

その女性とは何度

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言葉だけでは不十分なのだ

言葉だけでは不十分なのだ

言葉だけでは表しきれないことがたくさんある。

ドラマや本の中の甘い世界の中で、「言葉にしてくれないとわからない」というフレーズがあるが、この言葉を耳にするたびに、深いため息が出てしまう。

人間は言葉を話せる唯一の動物であり、それが最大の利点だということがよく言われているが、果たしてそうだろうか。その最大の利点とされてる「言葉」に甘えてはいないだろうか。最初に述べた台詞の例がまさにそれだ。もちろ

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目的のない人生

目的のない人生

貴方の夢は何ですか?

「大きくなったら宇宙飛行士になりたい」

この文章を読む、または聞いた人の中で、一体何人の人間がこの夢を応援してあげられるのだろうか。

子供の頃、誰しもが何かしらの夢を持ち、またその夢を言葉にして発する事が出来ただろう。その夢を口にすることに何も抵抗を感じず、また、真剣にその夢を語っただろう。当時は、憧れてるその職業、または抱いているそれらの夢について、「どのようにしたら

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差異と差別の違いとは

差異と差別の違いとは

線引きの難しさ

近年、社会全体がグローバルな視点を持ち、多様性を受け入れるべきであるという風潮になるにつれて、再度議論を呼んでいる問題が、「差別」だ。

この差別という問題は非常に難しく、語る者の立場や容姿、性格にも引っ張られてしまう事が多々ある。同じ内容の発言を、誰がするのか、という点がすごく大切になってくるのだ。

このテーマについて書くのは、正直やめたほうがいいであろうし、物議の種になりか

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歳を取るとは

歳を取るとは

年齢による誓約と制約

数字というものはとても便利。何かを、他の物と比べる際に用いられ、その他の物との差を可視化させてくれるものである。例えば、テストの点数だって、受験者が後にも先にもたった1人だけの場合、全く必要なくなるだろう。さらに長さや、重さを示す際に数字が用いられるが、それは何か一つの物体が存在し、それとは別にもう一つ以上、何かが存在するがために当てがわれるものなのである。だから、この世の

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本を読むという行為の神格化

本を読むという行為の神格化

どうして本を読んでいると、「すごいね」と言われるのか。

古い時代から、活字は、幅広く物事を広めるためや、庶民の娯楽の為に沢山使われてきた。そんな庶民の中には、「文庫は世界で一番安価で楽しめる娯楽だ。」とまでいう人もいるくらいだ。しかし、現代では、本を読む人口も減り、その影響で、軒並み書店も潰れていってしまってるらしい。こうした背景もあってか、近年では"本を読んでいる"という行為が、尊敬の対象にな

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