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本棚本ラジオ

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【本棚にある本を片っ端から紹介するラジオ】はじまります! 略して「本棚本ラジオ」 noteで連載中の「本棚にある本を片っ端から紹介する」のラジオ版です。 あなたのほんのちょっと…
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記事一覧

【本棚本ラジオ第47回】今ならわかるかもしれない「見たことありそうで、ないもの」のこと

【本棚本ラジオ第47回】今ならわかるかもしれない「見たことありそうで、ないもの」のこと

*今回の本*
篠田真由美著『灰色の砦』(講談社、1996年)
(本棚本Season2 No.19)

*登場人物の年を超える*
って、地味にショックを受けますよね。
でも年を超えたいまになれば、わかることもあるのではないか、と思ったりします。
「建築探偵桜井京介の事件簿」シリーズ4作目のこちらは、京介と深春の出会いを書いた作品。
20代前半の男2人と10代後半の男の子1人の3人コンビは、昔は大人に

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【本棚本ラジオ第46回】言葉を編む辞書の仕事

【本棚本ラジオ第46回】言葉を編む辞書の仕事

*今回の本*
三浦しをん著『舟を編む』(光文社、2011年)
(本棚本Season1 No.16)

*言葉という生き物に向き合う*
言葉も生き物である、変化するものである、とするならば、言葉と付き合うことは人付き合いと同じかもしれない。
それも、ものすごくシャイな人との人付き合いに。
そういう意味で、やっぱりこの本は「青春物語」だし、「人間関係」の物語でもあると思う。
馬締くんに幸あれ。

*こ

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【本棚本ラジオ第45回】奇妙な本たちの魅力

【本棚本ラジオ第45回】奇妙な本たちの魅力

【本棚本ラジオ第45回】奇妙な本たちの魅力

*今回の本*
三崎律日著『奇書の世界史』(KADOKAWA、2019年)
(本棚本Season1 No.99)

*視点が変わるおもしろさ*
世の中には、「あたりまえ」って本当はないんだな、という気持ちになります。
いま私たちが「あたりまえ」と思っていることは、100年後の人からみたらどうなるんでしょうか。
そういう意味で、視野の広がる興味深い本です。

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【本棚本ラジオ第44回】さくらももこと世界の旅

【本棚本ラジオ第44回】さくらももこと世界の旅

*今回の本*
さくらももこ著『ももこの世界あっちこっち巡り』(集英社、1997年)
(本棚本Season1 No.2)

*海外旅行、行きたーい!!*
ってなります。
この本は、まだ小さいわたしに「海外旅行」というものを教えてくれた本。
これのおかげで、「世界って、行けるんだ!」と外国が身近に感じるようになりました。
旅行行きたい。
行こう。

*このラジオは*
「本棚本にある本を片っ端から紹介す

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【本棚本ラジオ第43回】アリスとナンセンスと時代性

【本棚本ラジオ第43回】アリスとナンセンスと時代性

*今回の本*
ルイス・キャロル作、脇明子訳『不思議の国のアリス』(岩波書店、2000年)
(本棚本Season1 No.6)

*ナンセンスと時代性*
またしても難しい本がでてきてしまいました。
今回はナンセンスの話と、時代性の話を後半でしているのですが、時代性についてはもっと掘り下げたいなぁなどと思います。
アリス、おもしろいけど難しいですよね。

*このラジオは*
「本棚本にある本を片っ端から

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【本棚本ラジオ第42回】カスピアン王子と翻訳話

【本棚本ラジオ第42回】カスピアン王子と翻訳話

*今回の本*
C.S.ルイス作、瀬田貞二訳『カスピアン王子のつのぶえ』(岩波書店、1996年)
(本棚本Season1 No.66)

*翻訳って大事だと思うんですよって話*
いくつか翻訳が出ている本を選ぶとき、どうするか。
という話なんですが、安定の瀬田信者による瀬田推しの話でもあります。
でもだいぶ冷静です。
冷静すぎて、本来すべき物語の内容についてはぺらっぺらになりました。

*このラジオは

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【本棚本ラジオ第41回】トールキンと緑の騎士

【本棚本ラジオ第41回】トールキンと緑の騎士

*今回の本*
J.R.R.トールキン、山本史郎訳『サー・ガウェインと緑の騎士』(原書房、2003年)
(本棚本Season1 No.77)

*中世英語とかアーサー王とかの話*
久しぶりすぎでものすごく解説&昔語り回になってしまいました。
中世英文学のひとつ、「サー・ガウェインと緑の騎士」です。
他国の古典て、なかなか触れる機会がないですよね。
わたしは授業でできてよかったなと思います。

*この

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【本棚本ラジオ第40回】宇宙の美しさについて

【本棚本ラジオ第40回】宇宙の美しさについて

*今回の本*
クリスティン・バーネット著、永嶺涼訳『ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたい』(角川書店、2019年)
(本棚本Season1 No.40)

*学問はなんのためにあるのか*
タイトルの話しかしていないんですが、なんで学問するのかって、なんで表現したいのかって、そういう話だよな、ということを思います。
あと、本を読んでなくてもここまで語れるんだな、というのも実感しました。

*このラジオ

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【本棚本ラジオ第39回】ただ純粋に本を読む、ということ

【本棚本ラジオ第39回】ただ純粋に本を読む、ということ

*今回の本*
阿久津隆著『本の読める場所を求めて』(朝日新聞社、2020年)
(本棚本Season1 No.100)

*本を読む場所のはなし*
あなたはどこで本を読むのが「一番快適」でしょうか?
わたしはもともと通学通勤読書人なのですが、たまにはカフェとかでゆっくり本を読みたいことがあります。
そして、世の中の煩わしいものすべてとっぱらった、本を読むだけのお店fuzukueを作ったのが、著者の阿

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【本棚本ラジオ第38回】憧れの着物姿、シーラさん

【本棚本ラジオ第38回】憧れの着物姿、シーラさん

*今回の本*
シーラ・クリフ著『シーラのきものスタイル』(東海教育研究所、2018年)
(本棚本Season1 No.55)

*こんなふうに着物を着てみたい!*
ほんとにすてきなんですよ!
着物、とか、洋服、とか、そういうことにこだわらずに全体をコーディネートできるのは、それだけ着物に造詣が深くて、根元にある”なにか”にマッチしたアイテムを選べるからかな、と思います。
いつかこんな着物コーディネ

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【本棚本ラジオ第37回】知識の危険さとキケンな美味しさ

【本棚本ラジオ第37回】知識の危険さとキケンな美味しさ

*今回の本*
有川浩著『キケン』(KADOKAWA、2016年)
(本棚本Season1 No.80)

*飯テロのはずが知識の制御の話に*
なってしまいました。
台本なしでしゃべっているので、こういうことがままありますが、改めて『キケン』という作品の表裏を見た気がします。
知識は人を生かし、知識は人を殺す、という当たり前だけれど大切なことですね。

*このラジオは*
「本棚本にある本を片っ端から

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【本棚本ラジオ第36回】オム・ファタルとしての高里要

【本棚本ラジオ第36回】オム・ファタルとしての高里要

*今回の本*
小野不由美著『魔性の子』(新潮社、2012年)
(本棚本Season1 No.60)

*前にも話した気がしますが*
今回話しながら、「この話絶対どこかでした」と思ったんですけど、本棚本ラジオ30回でした。
うん、泰麒っていうとこの話になっちゃうんだよねぇ、最近。
物語の装置として、というとあれですけど、装置である間の泰麒って、ほんと魔性だと思います。

*このラジオは*
「本棚本に

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【本棚本ラジオ第35回】翻訳できないから世界がひろがる

【本棚本ラジオ第35回】翻訳できないから世界がひろがる

*今回の本*
エマ・フランシス・サンダース著 前田まゆみ訳『翻訳できない世界のことば』(創元社、2016年)
(本棚本Season1 No.32)

*表現のふしぎ*
”その気持ちを知っているのに、言葉にできない”という気持ちが、他の言語ではちゃんときまった表現があると知ると、ふしぎな気持ちになります。
なんでわたしの言いたいことを、一言で表現できるの?
世界の言語は、たくさんの共感と発見にあふれ

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【本棚本ラジオ第34回】児童文学の国、イギリス

【本棚本ラジオ第34回】児童文学の国、イギリス

*今回の本*
ピーター・ミルワード著 小泉博一訳『童話の国イギリス』(中央公論社、2001)
(本棚本Season1 No.64)

*児童文学*
わたしは今までどうやって生きてきたかというと、児童文学で生きてきたんだな、と改めて思いました。
小さい時に読んだもの、大人になって読んだもの、大人になっても読んでるもの。
どれも大切な宝物です。

*このラジオは*
「本棚本にある本を片っ端から紹介する

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