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本棚本ラジオ

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【本棚にある本を片っ端から紹介するラジオ】はじまります! 略して「本棚本ラジオ」 noteで連載中の「本棚にある本を片っ端から紹介する」のラジオ版です。 あなたのほんのちょっと… もっと読む
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記事一覧

【本棚本ラジオ第39回】ただ純粋に本を読む、ということ

【本棚本ラジオ第39回】ただ純粋に本を読む、ということ

*今回の本*
阿久津隆著『本の読める場所を求めて』(朝日新聞社、2020年)
(本棚本Season1 No.100)

*本を読む場所のはなし*
あなたはどこで本を読むのが「一番快適」でしょうか?
わたしはもともと通学通勤読書人なのですが、たまにはカフェとかでゆっくり本を読みたいことがあります。
そして、世の中の煩わしいものすべてとっぱらった、本を読むだけのお店fuzukueを作ったのが、著者の阿

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【本棚本ラジオ第38回】憧れの着物姿、シーラさん

【本棚本ラジオ第38回】憧れの着物姿、シーラさん

*今回の本*
シーラ・クリフ著『シーラのきものスタイル』(東海教育研究所、2018年)
(本棚本Season1 No.55)

*こんなふうに着物を着てみたい!*
ほんとにすてきなんですよ!
着物、とか、洋服、とか、そういうことにこだわらずに全体をコーディネートできるのは、それだけ着物に造詣が深くて、根元にある”なにか”にマッチしたアイテムを選べるからかな、と思います。
いつかこんな着物コーディネ

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【本棚本ラジオ第37回】知識の危険さとキケンな美味しさ

【本棚本ラジオ第37回】知識の危険さとキケンな美味しさ

*今回の本*
有川浩著『キケン』(KADOKAWA、2016年)
(本棚本Season1 No.80)

*飯テロのはずが知識の制御の話に*
なってしまいました。
台本なしでしゃべっているので、こういうことがままありますが、改めて『キケン』という作品の表裏を見た気がします。
知識は人を生かし、知識は人を殺す、という当たり前だけれど大切なことですね。

*このラジオは*
「本棚本にある本を片っ端から

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【本棚本ラジオ第36回】オム・ファタルとしての高里要

【本棚本ラジオ第36回】オム・ファタルとしての高里要

*今回の本*
小野不由美著『魔性の子』(新潮社、2012年)
(本棚本Season1 No.60)

*前にも話した気がしますが*
今回話しながら、「この話絶対どこかでした」と思ったんですけど、本棚本ラジオ30回でした。
うん、泰麒っていうとこの話になっちゃうんだよねぇ、最近。
物語の装置として、というとあれですけど、装置である間の泰麒って、ほんと魔性だと思います。

*このラジオは*
「本棚本に

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【本棚本ラジオ第35回】翻訳できないから世界がひろがる

【本棚本ラジオ第35回】翻訳できないから世界がひろがる

*今回の本*
エマ・フランシス・サンダース著 前田まゆみ訳『翻訳できない世界のことば』(創元社、2016年)
(本棚本Season1 No.32)

*表現のふしぎ*
”その気持ちを知っているのに、言葉にできない”という気持ちが、他の言語ではちゃんときまった表現があると知ると、ふしぎな気持ちになります。
なんでわたしの言いたいことを、一言で表現できるの?
世界の言語は、たくさんの共感と発見にあふれ

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【本棚本ラジオ第34回】児童文学の国、イギリス

【本棚本ラジオ第34回】児童文学の国、イギリス

*今回の本*
ピーター・ミルワード著 小泉博一訳『童話の国イギリス』(中央公論社、2001)
(本棚本Season1 No.64)

*児童文学*
わたしは今までどうやって生きてきたかというと、児童文学で生きてきたんだな、と改めて思いました。
小さい時に読んだもの、大人になって読んだもの、大人になっても読んでるもの。
どれも大切な宝物です。

*このラジオは*
「本棚本にある本を片っ端から紹介する

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【本棚本ラジオ第33回】イギリスという複雑怪奇な国について

【本棚本ラジオ第33回】イギリスという複雑怪奇な国について

*今回の本*
林望著『大増補新編輯 イギリス観察辞典』(平凡社、1996)
(本棚本Season1 No.33)

*いとしのイギリス*
イギリスが好きです。
あの偏屈な、保守的な、皮肉屋な、バカみたいに愛すべきあの国は、なんであんなにああなのか、ということを知ろうと思ったら、やっぱりリンボウ先生の本なんですわ。
おすすめですよ。

*このラジオは*
「本棚本にある本を片っ端から紹介するラジオ」で

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【本棚本ラジオ第32回】もっと楽しい着物コーディネートを求めて

【本棚本ラジオ第32回】もっと楽しい着物コーディネートを求めて

*今回の本*
シーラ・クリフ著『シーラのキモノスタイルプラス』(東海教育研究所、2021)
(本棚本Season1 No.57)

*あこがれのスタイルがいっぱい!*
着物ってこんなに自由に、こんなに楽しく、こんなに美しくできるんだ!
ということを教えてくれる写真集。
シーラ・クリフさんは着物研究家ですが、研究しながらこれだけ自由に着こなせるって、すごいなあと思います。
あこがれの存在です。

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【本棚本ラジオ第31回】カジュアル着物はいいぞ、のはなし

【本棚本ラジオ第31回】カジュアル着物はいいぞ、のはなし

*今回の本*
山口さくら著『カジュアル着物ブック』(廣済堂出版、2013)
(本棚本Season1 No.27)

*着物初心者におすすめの一冊*
きものって、こわくないよー
ということを教えてくれる本。
わたしはここから着物を着始めましたね。
きもの、楽しいですよ。
軽率に試してみてください。

*このラジオは*
「本棚本にある本を片っ端から紹介するラジオ」です。
noteで連載中の企画のなかか

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【本棚本ラジオ第30回】泰麒について語り出したらシリーズ全体の話になってた

【本棚本ラジオ第30回】泰麒について語り出したらシリーズ全体の話になってた

*今回の本*
小野不由美著『風の海 迷宮の岸』(新潮社、2012)
(本棚本Season1 No.61)

*失われてしまった泰麒の原点がここに*
「十二国記シリーズ」の泰麒側のお話。
このころのいとけなくかわいらしく儚げな泰麒のイメージを、ずっとずっと持っていました。
持っていた、のに!
『白銀』で壮絶な美しさと厳しさに成長してしまった泰麒の恐ろしさよ。
わたしはこのころの泰麒と現在最新刊時点の

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【本棚本ラジオ第29回】ミステリ短編集は疲れに効く

【本棚本ラジオ第29回】ミステリ短編集は疲れに効く

*今回の本*
有栖川有栖著『絶叫城殺人事件』(新潮社、2016)
(本棚本Season1 No.36)

*パズラーとしてのミステリのよさ*
ほんと、疲れに効くんですよ。
謎があって解答がある。
これほどシンプルですっきりすることって、現実世界ではそうそう味わえません。
有栖川有栖氏は作品数も多いので、ありがたい限りです。
そしてこういう「ザ・推理小説」っていうタイトルも、またいいですよね。

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【本棚本ラジオ第28回】オースティンの醍醐味は“視線”

【本棚本ラジオ第28回】オースティンの醍醐味は“視線”

*今回の本*
ジェイン・オースティン著 中野康司訳 『説得』(筑摩書房、2008)
(本棚本Season2 No.7)

*視線の先にあるもの*
オースティンの小説は、言ってみれば隣近所3軒と親戚友人一同の内輪の物語なのに、なんでこんなに魅力的なんでしょうね。
内輪の人間関係で重要なのは、なんと言っても「空気読みスキル」ですよ。
それはもう、現代日本では太刀打ちできないほどのスキルの高さ。
それが

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【本棚本ラジオ第27回】ヒトラーは脅威か、それとも娯楽か

【本棚本ラジオ第27回】ヒトラーは脅威か、それとも娯楽か

*今回の本*
ティムール・ヴェルメシュ著, 森内薫訳『帰ってきたヒトラー(上)(下)』(河出書房新社, 2016年)
(本棚本Season1 No21)

*現代に蘇ったヒトラーを、どう扱うか*
わたしものすごく大切なことを言い忘れたんですよ。
この小説、文章はヒトラー視点で進むんです。
そこにこの本の怖さがあります。
ってことを。
圧倒的な支持を得る人というのは、言っている内容よりもエンタメ性が

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【本棚本ラジオ第26回】スレイヤーズすぺしゃるについて語る

【本棚本ラジオ第26回】スレイヤーズすぺしゃるについて語る

*今回の本*
神坂一著『リトル・プリンセス』(富士見書房、1992)
(本棚本 Season2 No.13)

*すぺしゃる難しいな問題*
もう(ラジオの)タイトル考えられなくなりました。
だって語ることが…… 語ることがあまりない……
いや、各話について話そうと思えば話せるんですが、ただの読書感想はこのラジオの趣旨ではないので。
もはや誰向けかわからなくなりましたが、スレイヤーズが好きな思いだけ

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