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2021年4月の記事一覧

孤独の中からぬくもりを~「ひと」という小説に泣く

孤独の中からぬくもりを~「ひと」という小説に泣く

「母が、亡くなったんです・・・」
絞り出すような声を聴いて、衝撃を受けた。
席を立って、彼女を抱きかかえるようにして廊下へ出た。

あおちゃん、と呼んでいたアルバイトさんは苦しい状況で働いていた。
お母さんは看護師だけど闘病中で、お父さんはケガをしてから働こうとせずにぶらぶらしている。
郷里には弟さんがいて、仕送りもしているという。

「周りのバイトさんを見て、どうして私だけこんなに大変なの・・・

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ちょっと不幸がちょうどいいといった詩人がいた

ちょっと不幸がちょうどいいといった詩人がいた

noteにはすてきな詩人がたくさんいる。
私はその言葉に切り取り方に、いつも息をのんでいる。

ああ、こう描くとこんなに短い言葉で世界が広がるのかって、いつも驚く。そして楽しむ。

でも違う感じの詩を読んでいた時があった。

友人に詩人がいた時。
もう何十年もあっていないのだけど、時折り思い出す。
一つ年上のその女性は、独特の空気感をまとっていた。

ショートカットで、ひょうひょうとしていて、から

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夢想と現実の合間にあるカフェの時間

夢想と現実の合間にあるカフェの時間

頭や胸がいっぱいになったとき、どうしても一休みしたくなります。
お願い、どこかで一息、つかせて・・・そんな気持ちになると、カフェを探します。

「ああ、外の景色が違って見える」と思った映画の帰り。
カフェでぼんやりとストーリーを反芻したくなります。
座って、カフェオレをオーダーして、ふっと自分のいる場所を確かめます。私はどこにいるんだろう・・・?

ここしばらくは、映画を見ていません。

最近、胸

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孤独であっても人のつながりをもう一度確かめる~本屋大賞2021

孤独であっても人のつながりをもう一度確かめる~本屋大賞2021

私は結婚が遅く、独身時代に何度も「結婚しないの?」「大丈夫?」といわれました。大丈夫って何が? 
真剣に心配されても返事のしようもなく、苦笑したり、ムッとしたりするだけでした。

それは気づかいではなく、おせっかいか、好奇心か、揶揄でした。
つまりは余計なお世話でした。

たまたまその後、私は結婚という形をとったけれど、そのまま独身の可能性も高かったのです。
私のすてきな友人たちに独身者は多く、私

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