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人文・社会全般

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#地図

地名の話

地名の話

 今日は、7月28日が「地名の日」ということで、地名の話をしたいと思います。このタイトル、読む人が読めば分かるのですが、柳田國男の真似をしています。

柳田國男と地名 柳田國男は日本の民俗学の確立に大きく貢献した人物であり、地理学の概論では蝸牛考(カタツムリの呼称の地域差)で有名です。柳田は当時の地理学者とも接点を持っており、実は地理学評論にも寄稿しています。柳田國男(1932a)「地名の話(上)

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8月9日にしか書けないことがある

8月9日にしか書けないことがある

 今回は、長崎について書いてみたいと思います。今日で長崎への原爆投下から75年が経ちました。とても長い時間です。8月9日は、私たちに平和への気持ちを新たにさせてくれる特別な日であり、長崎の街は、今も私たちに平和の大切さを教えてくれます。長崎には、出島など国際交流の歴史が蓄積され、キリスト教との関わりなど、異文化理解の貴重な舞台でもあります。

 長崎市の地理院地図です。限られた平地に江戸時代から町

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「仕事から仕事へつなぐこと」の大切さ

「仕事から仕事へつなぐこと」の大切さ

 最近、地図の作り方の説明などを書きながら、広い意味でのものづくりについて考えていました。今回は、「仕事から仕事へつなぐこと」の大切さについて考えたことを書いてみます。ヘッダーは、「職人」として思い浮かんだ「大工」に関する地名、「元大工町」がある青森県弘前市の城下町です。日本の城下町起源の都市には職人集団にちなんだ地名が今も残っていますね。

 さて本題ですが、私は地理に関わる仕事をしているので、

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図書の分類記号:図書館の地理を歩く

図書の分類記号:図書館の地理を歩く

 今回は図書の分類について書いてみます。私はいわゆる読書家の皆さんのようにたくさんの本を読むことはありませんが、調べものでよく利用するので、図書館が好きです。そして、ずっと気になっていた図書の分類記号について、今回少し詳しく調べたので、まとめてみます。タイトルの「図書館の地理」というのは、図書館がどこに建っているということではなく、少し比喩的に、図書館の中の書籍の並びを世界のとらえ方の一つとして考

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夏休みの宿題(作文と読書感想画)の思い出と、地理的思考の話

夏休みの宿題(作文と読書感想画)の思い出と、地理的思考の話

 今回は、中学生の頃に夏休みの宿題になっていた作文と読書感想画について書いてみます。私は、文章を書くことが苦手でした。本を読むのも得意ではなく、夏休みの宿題の中でも作文は私にとってなかなかの天敵でした。そして、中学生の頃の宿題だった読書感想画も、まず本を読んでから描かなければならないので、かなり後回しにしていました。今回はその頃を振り返りつつ、経験が思考に結びつくことについて考えます。そして、それ

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