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認知症レッドと認知症ブラック
うちは両親共に認知症になってしまったんだが、それぞれの症状は真逆である。母親は記憶を失うことに戸惑いを感じつつも、明るく今を生きている。父親は自らの不遇を呪い、世の中に黒い呪詛を撒き散らしながら過去を生きている。
それぞれ認知症レッド、認知症ブラックと俺は密かに呼んでいる。認知症レッドである母は、デイサービスに行くのが楽しみだ。ヘルパーさんの言によると、仲良し3人組でいつもおしゃべりに夢中で、毎
ライティング塾で提供したいこと〈戦略①〉
戦略の基本は、まず強みを見出すこと
ライティング塾で何を伝えたいのか。この塾を通して参加者はどんな価値を得られるのか。説明会を前に、本塾の提供価値について連載したいと思います。まずは、戦略です。戦略なんていうと大げさに聞こえてしまうかもしれませんが、ごく簡単にいうと強みをいかに見出すかということです。
強みを見出すとは、単に自分の得意な分野に特化するということではありません。もちろん得意分野を軸
職業ライター養成塾をはじめます。
個性や得意分野に合わせて仕事も発注。
駆け出しライターのための職業ライター養成塾を開催します。これまで不定期で行ってきたライター塾で得た知見と、30年以上にわたり職業ライターとして広告、メディア記事執筆、Webライティング、PR記事など幅広い領域で活動を継続してきた経験を併せ、プロフェッショナルライター育成に特化したコンテンツを開発。売れるための極意を余すことなくお伝えします。
本塾は、単に書き
空想企画室①スーパーマーケット
こんな商品・サービスがあったら面白いんじゃないか。こんな世の中に、もうすぐなるんじゃなかろうか。そんな空想をもとに綴るショートストーリーです。
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市川良介さん78歳、通称リョウさん。5年前に奥さんを癌で亡くし、神奈川県のとある田舎町で一人暮らし。二人の息子はとっくに独立して関西地方に住んでいる。盆と暮れに孫と会えるのが最大の楽しみである。
そんなリョウさんの日常の楽しみが地元のスーパーに買
風は、森の深呼吸である
森の中の一軒家に、もう25年も住んでいる。
長く森の中に住んでいるからか、
森を抜ける風の、季節による変化にとても敏感になってきた。
春は、花々の香りをのせてしなやかに通り抜け、
やがて新緑の薫りをふくみ、風が颯爽とひらめく。
木々の葉が生い茂る夏は、葉を揺らすざわめきを伴い
落葉とともに、風がまっすぐになっていく。
そして、冬枯れの木々の間を吹きすさぶ自由な風。
森はさまざまな生き物の母体である
息子とアイスと交番の思い出
子どもが生まれると、父親という視点がひとつ増える。今まで見えていなかったことが見えるようになり、それは新しい発見や貴重な体験につながる。例えば、ベビーカーを押していると、街はけっこうデコボコなのだなということに初めて気がつく。今まで目にとまらなかったオムツなどの情報も入って来るようになる。
そんな体験が面白くて、息子1号が生まれた頃は、よく連れて歩いた。20数年前のことだから、若いお父さんが幼子
微笑みの国のビックマザー
タイの女性と結婚した友人がいる。そいつは、大学を卒業するとチャリンコで世界一周を敢行した冒険王。10年ぶりに帰国すると、傍らにタイ人の妻がいたってわけ。
二人は利根川のほとりの廃屋をタダ同然で借り受け暮らし始めた。広大な庭に鶏を放し飼いし、野菜を栽培した。僕らが遊びに行くと、鶏をしめてうまいタイ料理をごちそうしてくれた。しめたての鳥はうまいねえと食ってると、崩れ落ちた床下から昨日密入国したばかり