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風は、森の深呼吸である

森の中の一軒家に、もう25年も住んでいる。
長く森の中に住んでいるからか、
森を抜ける風の、季節による変化にとても敏感になってきた。
春は、花々の香りをのせてしなやかに通り抜け、
やがて新緑の薫りをふくみ、風が颯爽とひらめく。
木々の葉が生い茂る夏は、葉を揺らすざわめきを伴い
落葉とともに、風がまっすぐになっていく。
そして、冬枯れの木々の間を吹きすさぶ自由な風。
森はさまざまな生き物の母体であるから、
そこを通り抜ける風は、森の深呼吸なのではないだろうか。

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