マガジンのカバー画像

深淵を覗き込むかのようなエッセイ

37
人間の心の奥を覗くという稀有な体験を提供。
運営しているクリエイター

2020年7月の記事一覧

【エッセイ】趣味という名のサブプロット

【エッセイ】趣味という名のサブプロット

脚本にはサブプロットと呼ばれるものがあります。
メインのストーリーとは別のところで展開される、ちょっとしたストーリーのこと。
『007』シリーズでいえば、主人公ジェームズ・ボンドとボンドガールの色恋描写がそれにあたります。
サブプロットの役割は、物語に奥行きを与えるのはもちろん、メインプロットを加速させるためのブースターでもあります。
最終的にはメインプロットに合流し、メインより少し早いかほぼ同時

もっとみる
【エッセイ】脚本の読み方

【エッセイ】脚本の読み方

このnoteでも自分の書いた脚本を投稿することがありますが、
脚本というものに触れたことのない方々から「読み方がよく分からない」と言われることがあります。
なので今回は、脚本の読み方についてのお話を。

まずは簡単な用語解説から。

・柱(ハシラ)
 場所や時間帯を記します。

・ト書き
 人物の行動や周囲の状況など、セリフ以外の全てを書きます。

・セリフ
 人物の発言を記します。

柱の存在や

もっとみる
【エッセイ】ミーと言えばハー

【エッセイ】ミーと言えばハー

あれは2003年8月、8歳のとき。
家族で「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」を観に行きました。確か吉祥寺の映画館だった記憶。
それから今まで、生涯ベスト映画は変わっていません。
あのテーマ曲が流れて、青島刑事が緑のコートを揺らしながらお台場の街を疾走する。
僕にとってあれは「鍵刺激」みたいなもので、前後の脈絡が無くともあのシーンだけで無条件に興奮できてしまいま

もっとみる
【エッセイ】部屋が先か、自分が先か

【エッセイ】部屋が先か、自分が先か

僕はよく、「人が当たり前にやっていることが途方もなくやりたくない」という事態に直面します。
そのたびに「それは自分なりに筋が通っているのか?それとも言い訳して逃げているだけなのか?」といちいち考えさせられます。

例えば、部屋の掃除が大嫌いです。
これも単に面倒くさいからではなくて、「自分は掃除した後の綺麗な部屋に住んでいいような人間じゃない」と本気で思っているからです。
自分は今日あれもこれもサ

もっとみる
【エッセイ】書きたくて書くもの、読ませたくて書くもの

【エッセイ】書きたくて書くもの、読ませたくて書くもの

ラップをやっています。
昔から好きになったものは自分でもやってみたくなる性分で、例に漏れずヒップホップも好きになった瞬間から「やってみたい!」と思うようになりました。
まずは、韻を踏む練習をして。
それからラップにもキーがあることを知り、自分のキーを研究して。
まだまだヘタクソですが、YouTubeでトラックを拾ってきて自宅でラップを録音し、音源を作るのが今の最大の趣味になっています。

ラップも

もっとみる
【エッセイ】こじはると僕

【エッセイ】こじはると僕

高校時代、僕はAKBの大ファンでした。
握手会にも行ったし、生写真も集めていました。
月に支給されるお小遣いが1万円で(今考えるとまあまあ破格)、そのうちのいくらを『ヲタ活』に充てられるかだけが楽しみの高校生活。
昼メシ代を節約するためにコンビニでマイクポップコーン(¥100)を買い、食べた直後に水をたらふく飲んで胃で膨らますという究極の食事をしたこともありました。

そこまでして僕が推していたの

もっとみる