大都会新宿で優しい南インドカレーを
ー また１つ扉を開けてしまったようだ ー
夜の6時、ついにメインイベントの時間になった。
メインイベント
「ずっと行きたかったカレー屋さんに行く」
そのお店は西新宿にあった。
新宿駅を降りて、都庁前まで続く「歩く遊歩道」（水平のエスカレーター）に乗った。
普通のエスカレーターよりもぼよぼよしていてベルトコンベアーに乗せられているみたい。
ぼよぼよをもっとぼよぼよさせるように弾みながら歩く。
楽しい
（私子どもっぽいので、空港とかの歩くエスカレーターを歩かない大人の気持ちがよくわからない。）
都庁が見えた。
右手には新しくできた新宿三井ビルディングが見える。
TWICEのかわいい曲を聴きながらもっと直進していき、大通りに出る。
大通り沿いにあるマクドナルド（「ここはホテルのフロントか？」ってくらい綺麗なガラス張り）の脇から細道に入る。
うねうねした道をちょっと進むと、お目当ての店にたどり着いた。
インド料理屋「コチンニヴァース」
ガラガラガラッと入店し、カウンター席についてメニューをもらった。
カレー屋さんと聞いていたが、カレー以外にもめちゃくちゃメニューがある。
サラダもおかずもデザートも。
もちろんカレーもたくさんある。
全部ヒンドゥー語か何かの言語をカタカナにした料理名で表記されているから笑っちゃうほどメニューが理解しづらい。（一応解説はついている。）
私は迷いに迷った挙句、「キーマナルギシ（下にほうれん草ソース、キーマカレー、目玉焼きが乗った人気者）￥1080」と書かれたものを食べることに決めた。
（「人気者」っていう安心材料だけで選んだよね。）
（下にほうれん草ソースって何？カレーの下にソース？下、、？？）
私はメニュー表を見ながら一文字一文字目で追うようにして「キーマナルギシで」と頼んだ。
すると、お店のお姉さん、
「こちらのカレー、ライスがついてないのですが、、」
（なんだって！？カレーだけで1080円もするのかい？！）
でもカレーだけをすするわけにもいかないので、ライスのページを見る。
サフランライス、レモンライス、シナモンライス、ガーリックライスなどが並んでいる。
私はお手頃な「サフランライス¥600」を注文した。
（カレーと合わせたら1700円、全くもってお手頃じゃない。）
ちなみにさっきのキーマナルギシのナルギシとはなんぞやと、、
ナルギシ・・・水仙の意味で、白い花弁に花芯が黄色いので、ゆで卵みたいだから、この名が付いたのでしょう。 イギリスではスコッチエッグがフライしてありますが、同じ形状です。（Google調べ）
（語源の美しさ半端なかったんですけど、、。）
ちょっとしてから運ばれてきた。
わあ！
いただきます！！
（最近いただきますをちゃんと言える人になりたいと思ってたから、こういうところから始めることにする。）
サフランライスにスプーンを投入する。
・・・む？
ライスが逃げていく？
さらさらぱらぱらすぎて、すくおうとしても避けられちゃう。
大きいショベルで雪かきするときのうまくすくえない雪の感じにそっくり。
雪だ。
多分お米の種類が普通のうるち米とは違うんだろうな。
インディカ米っていうんだっけ。
細長くてぱらぱらしてて、弾力があるアジアンな感じ。
多分梅干しおにぎりにはなれないんだけど、カレーには断然合っている。
そのライスをカレーにくぐらせる。
キーマカレー、
一口食べた。
よくわからなくなった。
インドカレーなのに優しい、と思った。
辛くないんだけど、マイルドの一言では片付けたくない複雑な味。
（マイルドって言っちゃうと頭の中の知念くんがバーモントカレーの歌を歌い出しちゃう気がした。それとはまた違うんだよ〜）
インドカレー屋さんのスパイシーなキーマカレーとも違うし、日本人オーナーがやってるスパイスカレー屋さんのキーマカレーとも違うし、もちろん家で作るキーマカレーとも違う。
しばらく考えながら食べ進める。
ほうれん草ソースとやらにも手を伸ばしてみた。
ほとんど味はしないけど、ほのかにほうれん草の渋みっていうのかな？、あの葉っぱの味がした。
ほうれん草のペーストって感じ。ただただほうれん草。
離乳食にありそう。
離乳食とか、、
ここのカレー、優しすぎる。
インドカレーのはずなのにそこまでインドを主張してこない。
（私の知ってるインドカレーはどろっとしていてスパイスが効いていてコクがある感じのやつ。）
でもここのはあっさりしていてさらっとしていて優しい味。
でもだからと言ってお家のカレーとも違うんだよな〜〜
（さっきから同じ思考回路の中で堂々巡りをしている。）
そういえばこのお店、入った瞬間に違和感を感じていた。
インドカレー屋さん特有のスパイスの匂いが弱かったのだ。
服に匂いがつくんじゃないかと心配になるくらいのインドカレーやさんあるあるなスパイスの匂いがこのお店には充満していなかったのだ。
（ただただ換気中だっただけ？）
不思議だったな〜なんて考えながらお店を出た。
お店の外の室外機の上のコーデ。
デッドスペースの有効活用がすぎる。
神聖すぎて有効活用って言葉で済ませてはいけない気がしてくる。
ゾウ多すぎでは？（私は10頭見つけたよ。あなたは？）
・・・
そして謎めいたものには必ず真実が存在するようだ。
帰宅してからこの記事を書くにあたってコチンニヴァースについて調べてみた。
すると、「南インド料理店 コチンニヴァース」という文字を多数のサイトで発見。
「南インド料理」
、、、
うわーこりゃ参ったー！！
と思った。
そうだったのか。
私がこの日に食べたのは南インドのカレーだったのか。
そして私が今までインドカレーだと思って食べてきたのは、北インドのカレーに過ぎなかったのか。
そういえばカレーをナンにつけて食べるのは北インドの風習だと以前どこかで聞いたことがある。
（このお店にはナンがなかった。）
自分の知ってる世界の狭さと、インドの広さというものを知った夜だった。
この次に南インド料理を食べるときは、思いっきり南インド料理を食べに行きたい。
南インド料理を南インド料理だと思ってから食べてみたい。
そうすることでまた新しい気づきに出会える気がする。
・・・
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