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《作業療法士が参加した理由》共創から生まれる車椅子利用者用レインウェア製品化プロジェクト

こんにちは!この度、ケアウィルさんの共創パートナーとして「車椅子利用者用レインウェア製品化プロジェクト」に参加している日本臨床作業療法学会の作業療法士・大野です。

日本臨床作業療法学会とは?

日本臨床作業療法学会は「作業を通して健康を促進する作業療法の発展を図ること」を目的として、2014年に設立されました。
当学会は、学会名に「臨床」を含んでいるように、実際に対象となる方々に接する「作業療法の現場=臨床」が発展することを大切に各種活動に取り組んでいます。

プロジェクトに参画した意義

本プロジェクトで製品化を目指す車いす利用者用レインウェアは、「濡れないこと」のみを目的としたものではなく、「雨の日でも気にせずに外出を楽しみたい」「雨を理由に外出をあきらめない」ことをコンセプトとしています。このように生活に彩りをもたらすためのコンセプトはまさに作業療法が目指すべきものであり、本プロジェクトに参画させていただくこととなりました。

プロジェクトのスケジュール

本プロジェクトで取り組んできたこれまでの活動について、作業療法士の観点からご紹介します。

STEP1:既製品に関するヒアリング

車いす利用者の具体的なニーズを把握することを目的に、車いす利用者に2種類の既製品(①ポンチョ型、②レッグカバー型)と、ケアウィルが試作した③トワル(仮縫いサンプル)を実際に着用してもらいながらのヒアリングを行いました。

①ポンチョ型

②レッグカバー型

③トワル

ヒアリングに先立ち、メンバー全員が3種類のレインウェアを手に取り、着用した上で、質問項目を作成しました。

しかし、本プロジェクトに参画している作業療法士のほとんどが病院勤務です。病気や怪我によって身体に機能障害を抱えた方と関わることが多く、「レインウェアを着る」「レインウェアを脱ぐ」といった動作に焦点を当てた質問ばかりを考えてしまいました。
ケアウィルの皆様との協議を重ねる中で「レインウェアの収納方法は?」「目的地に着いた時に濡れたレインウェアをどう管理するか?」「デザインは?」「素材の質感は?」など、レインウェアが実際の生活場面に馴染んだ製品になるための視点が不足していたことが、本プロジェクトを通して得られた大きな発見でした。

実際のヒアリングでも、着脱動作に関してだけでなく、車いす利用者の方々が日頃感じていらっしゃる雨天時の外出に関する困りごとや、試行錯誤を重ねて独自に編み出された工夫などもお聞きすることができ、目から鱗の連続でした。

STEP2:プロトタイプ(試作品)開発・製作

ヒアリングで得られた意見を集約し、既製品とトワルのそれぞれの強みと課題を整理しながらプロトタイプの開発を行いました。今回、ヒアリングを行った方々の身体的特徴はもちろんのこと、車いすの形状(大きさ、自走式・電動式など)、使用用途も多様だったため、本プロジェクトの製品のターゲットとなるペルソナを具体的にしながら、デザイナー・パタンナーへの要望をまとめました。

STEP3:プロトタイプ(試作品)に関するヒアリング

STEP1ヒアリングにも参画していただいた車いす利用者の中から、「雨天時の外出」という課題について日頃から課題意識を抱え、積極的な課題解決策を講じているエバンジェリスト・ユーザーの方々に完成したプロトタイプのヒアリングを行いました。ヒアリングで得られた意見を集約し、製品の最終調整となります。

製品化は3月です!

3月9-10日に帝京平成大学池袋キャンパスで開催予定の「日本臨床作業療法学会第9回学術大会」でも展示予定です。
どんな製品に仕上がるのかご期待ください!


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