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Bon voyage

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旅の途中で出会ったかけがえのないものたち。 いつもの見慣れた場所に留まっているとしても、そこではないどこかを歩いているとしても、いつだって旅。終わることのない旅の途中。
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魂の羅針盤が指す方へ

魂の羅針盤が指す方へ

去年から、COVIT-19が人々にマスクを強要する世界になりました。

どんな写真にもマスク姿で映ったり、物心ついた時からマスク必須の世界で育った子供たちは、何を感じながら大人になるのでしょう。

マスクしている顔しか知らない人が、マスクを外した時みた顔に、

意外な驚きがあったりしませんか?

あっ、こんな顔だったんだ!って。

目は口ほどにものを言うけど、やっぱり人の印象って顔全体の表情からも

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祈り

祈り

サンジェルベ・エ・サンプロテ教会の扉を押すと、

いきなり大きなイビキが聞こえた。

祭壇の真正面。

椅子を5つならべて、

髭面に汚れた服の男が横になって寝ていた。
傍らには大きなリュックがひとつ。

くたびれた靴のまま。

宿代を浮かすためのバックパッカー?
ホームレス?

どちらでも、どちらでもなくても、寛大な神は許したもう。

サントゥスタッシュ教会に入る。

周歩廊を一周しているとき

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ほんとうにあった少しだけ不思議な出来事。

ほんとうにあった少しだけ不思議な出来事。

私はずっとペーパードライバーだった。

しかし、車でしか移動手段が無い場所へ、定期的に行く必要が発生したので、数年前から運転を再開した。

田舎では、自転車に乗るお年寄りが多い。

たまに「それって、バランスとるの超難しくないの?」って突っ込みたくなる速度で、ゆらゆら動いていたりする。

そんな自転車の脇を通過するとき、超低速自転車がバランス崩したら大変。

だから、私は、運転中にお年寄り自転車を

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木彫しながら星野道夫さんの旅をする木と人生を思った

木彫しながら星野道夫さんの旅をする木と人生を思った

 私は今、木で彫刻を創っています。

 長さ約1メートル、直径約40センチくらいの丸太から、ある像を彫り出しているのです。年輪から推測すると50~60年くらいは生きてきたかもしれないケヤキです。堅く鑿を弾くこのケヤキと向き合いながら、私は「旅をする木」のお話を思い出しました。

 アラスカに暮らし活動中、カムチャッカでクマに襲われて亡くなった星野道夫さんが、ご自身の本のなかで「旅をする木」について

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ヘルマン・ヘッセが精神安定剤だった  けど、今は「旅する鈴木」からも元気をもらってる

ヘルマン・ヘッセが精神安定剤だった  けど、今は「旅する鈴木」からも元気をもらってる

子どもの頃、

本を読む面白さにハマったきっかけはSFだった。

特に時間旅行をする物語。

たぶん、自分の現在が悲しかったから、

未来へ行ったり過去へ行ったりすることに憧れたんだと思う。

逃避という意味で。

それからは本屋さんが逃避場所になった。

たくさんある本をひとつひとつ眺めて、

欲しい本を探して見ていた。

見るだけ。買わない。子供だったから。

それから漫画。

漫画にもハマり

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自己紹介というnoteへの感謝状

自己紹介というnoteへの感謝状

 なんでだろう。

幼稚園のとき椅子取りゲームがあった。私は椅子取りゲームが嫌いだった。椅子が1つ足りないから必ずひとりあぶれてしまう。自分があぶれても、誰かがあぶれても、ひとりあぶれてしまうことが嫌だった。だから、参加しないで眺めていたら先生に怒られた。先生は家にまでやってきて両親に文句を言った。

 なんでだろう。

小学1年生のとき

授業で発言したあと、その人が次の発言者を指名するーという

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