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神奈川のこと

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2020年8月の記事一覧

【神奈川のこと13】幻の初恋(横浜市中区根岸旭台)

根岸旭台のマンションに住んでいた、昭和50年(1975年)前後のこと。

隣にちょうど同い年ぐらいの女の子がいる家族が引っ越してきた。

そして、その女の子のことが好きになった。

今はもう名前も顔も思い出せない。顔を思い出そうとすると今は、NHKのチコちゃんが出てきてしまうのだ。

ただ、話した時や触れ合った時の、胸の奥がじわ~んとなる、温かくてくすぐったい感覚は覚えている。

その子は、おてん

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【神奈川のこと12】初めてのテレビ出演(横浜市中区/根岸森林公園)

あれは、今は無きサンタマリア幼稚園に通っていた、昭和49年(1974年)頃だったと思う。

人生で初めてのテレビ出演をした。

その撮影は、自宅マンションのすぐ近くにある根岸森林公園で行われた。

ちなみに、当時は森林公園ではなく、皆、「けーばじょー」と呼んでいた。何せ、日本初の洋式競馬場の跡地に作られた公園だったから。今でも残っているあの当時の観客席の建物が、この公園の象徴であり、また、何とも言

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【神奈川のこと11】愛甲の横浜高校(横浜市金沢区)

今日は、夏休みを取ったので、このことを書く。

夏の高校野球が終わった。

この時期はいつも、何か心にぽっかりと穴が空いたような心持ちとなり、同時に身体もちょっと夏バテ気味となる。

いつもなら甲子園の決勝戦が終わると、その時期がやってくるのだが、今年は異例中の異例で、神奈川県の決勝戦が最後となった。母校、東海大相模が優勝したので、とても嬉しい。相手の相洋高校にも「あっぱれ!」だ。

高校野球が好

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【神奈川のこと10】22系統の運ちゃん(横浜市中区/根岸不動坂上)

根岸に住んでいた頃、不動坂上というバス停から、横浜市営バスの21系統に乗り、元町で降りて、センジョ(セント・ジョセフ・インターナショナルスクール)に通っていた。

この不動坂上というバス停には、主に21系統というバスが来るのだが、朝だけとか、ごく少ない本数で、22系統と55系統もやってくる。

22系統と55系統は、元町には行かない。確か22系統は、山元町の信号を左折して、伊勢佐木町方面へ向かい、

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【神奈川のこと9】「野生の王国」トムソンガゼルの回(横浜市中区山元町)

まだ横浜の根岸に住んでいた昭和50年(1975年)前後、5歳ごろの話。

その日は、母と弟と一緒に、浅間下にある母の実家を訪れた。

木曜日だった。なぜ曜日を覚えているかというと、それは、野生の王国の放送日だからだ。

野生の王国とは、木曜日19:30からの30分、毎回様々な動物を特集するテレビ番組だった。

今なら、さながら「ダーウィンが来た!」だが、野生の王国は、アメリカかイギリスの番組の吹き

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【神奈川のこと8】父による市電の思い出(フェリスか雙葉か)

明後日が、父の79歳の誕生日なので、これを書く。

かつて横浜には市電が走っていた。

昭和47年(1972年)に廃線となっているので、記憶には全くない。

昭和16年(1941年)生まれの父は、この市電を「通学」で利用していたそうだ。

父は、小中高と山手のセント・ジョセフ・インターナショナルスクール(現在は廃校)に通った。通称「センジョ」だ。

当時は、東横線の妙蓮寺に住んでいて、そこから毎日

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【神奈川のこと7】鎌倉山の防空ゴウ(鎌倉市)

終戦の日なので、戦争にまつわることを書く。

小学生の頃、鎌倉山の防空壕は遊び場の一つだった。

それは若松と笛田のバス停の間、笛田公園へと続く道に入る左側にあった。

「空シュウのための防空ゴウ」という言葉の響きは、怖さと好奇心がない交ぜになって、小学生の男子の気持ちをワクワクさせるには、十分であった。

「昨日は防空ゴウで遊んだんだぜ」というのは、俺たちは怖いもの知らずなんだということの表れの

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【神奈川のこと6】ジャーマンベーカリーのケーキ(横浜市中区元町)

明日、誕生日なので、このことを書く。

昭和50年(1975年)前後、横浜に住んでいて、しばしば元町に出かけた。

ジャーマンベーカリーという、1階がベーカリーで2階がレストランになっている店があった。

その1階にはいつも、デコレーションケーキが展示してあった。

それは、船の形をしていたり、ピアノの形だったりしていた。

いつも見とれていた。

誕生日に、ついにその夢が叶った。

確か、船の形

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【神奈川のこと5】小田急線の不思議(運命の街、町田)

今日は私用で小田急線に乗ったので、この話題を書く。

昭和61年(1986年)4月、高校に入学。

小田急相模原が最寄駅となる東海大相模高校。

それまで横浜・鎌倉文化圏で育ってきたが、新たに小田急沿線文化圏に足を踏み入れた。

小田急線は、ほとんど乗ったことがなかった。たまに善行のスポーツセンターに行く程度。それも藤沢からわずか2駅である。

それが毎日、藤沢から相模大野まで乗り、さらに小田原線

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【神奈川のこと4】母と子の原爆展(鎌倉市/深沢行政センター)

今から約40年前、昭和56年(1981年)、小学5年生の夏。

母に連れていかれた。

衝撃的だった。

筆舌に尽くし難い写真の数々。

別室で上映された短編のアニメーション映画。

「ピカドン」というタイトルだったように記憶している。

全編「無音」なのだ。

市電に乗っている少女が、8:15ピカドンに遭う。

一瞬にして、市電の中は死体の山と化す。

助けを求める人に手を差し伸べると、その手の

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【神奈川のこと3】浜スタ道中(後編)

京浜東北線が大船を出発しましたが、ここからが長旅です。

わずか25分ですが、無防備でいると、とてつもなく長く感じてしまいます。

少しでも短く感じるために、まず、9つの駅を3つに分解します。

一つ目は、本郷台・港南台・洋光台の「台3駅」。

二つ目は、新杉田・磯子・根岸。これらは幼少時代に住んだことがあり、そして今でも親戚が暮らしている「馴染みの3駅」。

三つ目は、山手・石川町・関内の「ラス

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【神奈川のこと2】浜スタ道中 (前編)

神奈川で最もワクワクする場所の一つが、横浜スタジアムだ。

昭和54年(1979年)に設立されて以来、ほぼ毎年行っている。

もちろん、横浜大洋ホエールズから現ベイスターズのファンである。

最近は、高校野球観戦で訪れることの方が多いな。

とにかく、子供の頃から浜スタに行くことは、ワクワク様のベリースペシャルな、一大イベントなのだ。

まず、朝から体調を整えます。

現地に着いたら、4~5時間は

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