【神奈川のこと2】浜スタ道中 (前編)

神奈川で最もワクワクする場所の一つが、横浜スタジアムだ。

昭和54年(1979年)に設立されて以来、ほぼ毎年行っている。

もちろん、横浜大洋ホエールズから現ベイスターズのファンである。

最近は、高校野球観戦で訪れることの方が多いな。

とにかく、子供の頃から浜スタに行くことは、ワクワク様のベリースペシャルな、一大イベントなのだ。

まず、朝から体調を整えます。

現地に着いたら、4~5時間はいますので、途中でへばらないようにしないといけません。

家では、野球名鑑や、高校野球ならここ数試合の戦績などをチェックし、現地で慌てることがないように情報を頭に入れます。

ソワソワして口の中を噛まないように、食事中も気を付けます。現地で食べるシウマイ弁当の辛子がしみると痛いですから。

カミさんとケンカなんかすると、嫌な気持ちになりますから、そうならないようにも気を付けます。

向こうに着いたらいくらお金を使うかの算段もあらかじめ、何度もシミュレーションします。油断すると出費がすごくて翌日後悔してしまうからです。

タオルやポケットティッシュ、リップクリームなどの必携品を忘れていないか何度も確認します。忘れると憂鬱になりますから。

さあ、いよいよ出発です。

路線検索をすると、大船から東海道線に乗り、横浜で京浜東北線に乗り換えるコースがトップに表示されますが、そんな野暮な行き方はしません。

ちゃんと大船から京浜東北線に乗るのです。これが正式な行き方なのです。もちろん、横浜線でもいいのです。

大船駅のホームには、いつも始発の京浜東北線が待っていてくれます。

一番後ろの車両に乗ります。

ソワソワしていることが周囲に気付かれないように、「関内で降りて浜スタになんて行きませんよ」という雰囲気を全身から出して、平静を装います。

でも心の中は、小鳥の羽のごとく、バタバタと激しく動いているのです。

斜め前に座っている女の人と、チラッと目が合ったりすると、浜スタに行くことを見透かされているようで、即座に目をそらします。

一応、気を鎮めるために単行本かなんかを読み始めますが、ソワソワしていて文章は頭に入ってきません。もちろん、眠り戦法も通用しません。

発車ベルが鳴り、京浜東北線が静かに大船駅から滑り出します。

関内駅に辿り着くまで9つの難所(駅)を通る25分の長旅が始まるのです。

(後編に続く)



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