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海外通信大学院生向け学習ツール・書籍の紹介(ロンドン大学通信制プログラムの例)

こんにちは。べえたです。

これまで、このnoteでは、ロンドン大学の会計学修士プログラムと、USCPA(米国公認会計士)日商簿記検定などについての情報を書いてきました。

私はこれら3つの分野の学習を社会人になってから始めました。

その中で、特にノウハウを集めるのが難しかったのは、ロンドン大学の会計学修士プログラム(UoL MSc Professional Accountancy)でした。

USCPAや簿記と異なり、ロンドン大学は学習用のコミュニティの情報も少ないため、手探りで自分なりの学習法を探っていく必要があり、学習方法を確立するまでの負担が大きかったです。

この記事では、私がプログラムを受講するうえで活用したWebサイトやツール、書籍などについてご紹介したいと思います。

オンラインで海外大学で学習される方にとって、ご参考になれば幸いです。


通信制海外大学院での学習のハードル

私がロンドン大学の通信制プログラムを受講する上で特に苦労した点は、以下の2つでした。

英語での学習

まず何よりも、英語での学習が最も大きなハードルとなりました。

私は英語'を'学ぶ経験しかしてこなかったので、英語'で'学ぶことはとても大変でした。
(USCPAは、問題文と解答は英語でしたが、学習自体は日本語のテキストを使用しました)

受講しながら英語を学ぶことができれば理想的ですが、実際には、定められた期間で課題を提出しなければならないなど、時間的制約が大きかったため、各種ツールを活用しました。

アカデミックな研究ノウハウの不足

大学院生として課題を提出する際には、学術的な文章を書く必要があったのですが、そのノウハウの吸収にも苦労しました。

大学では学部の卒業論文を書いた経験はあったのですが、そこまで厳しい指導を受けたわけではなかったので、学術レポートの書き方を学びなおす必要がありました。

通信制大学院では、個人の提出物について担当教官に直接相談することができないため、自分で作法を学ぶことが必須でした。

Webサイト・ツール

以上のように、英語での学習と、学術的な研究ノウハウが、学習を進める上での大きなハードルとなっていました。
ここからは、これらのハードルをクリアするために、私が実際に活用していたWebサイトやツールについて、ご紹介します。

(1)Consensus(論文検索)

Consensus: AI Search Engine for Research

AIの機能を使って、質問形式で該当する論文を検索できるサイトです。

通常の検索サイトでは、論文のタイトルか、関連するキーワードを入力する必要があるのですが、関連する論文をヒットさせるためのキーワードが思い浮かばない場合も、質問形式で検索ができるので、非常に便利です。

質問文は英語で記入する必要がありますが、論文検索の効率が飛躍的に高まるので、ぜひお試しください。

(2)Google scholar(論文検索)

Google Scholar

Consensusで関連する論文を見つけた後は、その論文を起点に、参照されている論文やキーワードなどから、Google Scholarを使って、さらに論文を検索することができます。

ロンドン大学では、オンライン図書館からもアクセス可能な論文が数多くありましたが、キーワード検索については、Google Scholarの機能の方が優れているように感じました。

まずはこちらで関連する論文を確認し、アクセス権が必要な場合には、大学のオンライン図書館でタイトルを検索し、ダウンロードする形で、参考文献をストックしていきました。

(3)Paperpile(論文管理)

Paperpile Reference Manager

検索した論文を管理し、引用する際に使用できるツールです。
ダウンロードした論文のpdfファイルをドラッグ&ドロップすることで、引用元の情報などと合わせて、クラウド上に保存することができます。

少しでも気になった論文があれば、とりあえず一度保存しておくと、後々探しなおす手間も省けて非常に便利です。

また、Wordのアドイン機能として追加することもでき、論文記入中に引用する論文を選んでReference listを作成する機能もありますので、論文を作成する際には、必須と言えるツールでした。

使用料がかかりますが、安価(10USD/月)なので、特にCapstone projectなどの論述系科目の受講期間中はご利用されることをおすすめします。

(4)DeepL(翻訳)

DeepL翻訳:高精度な翻訳ツール

言わずと知れた、翻訳ツールです。
学習をする上で、全ての情報が英語で与えられるため、与えられた資料の概要をつかむために使用していました。

英語で学習をする上で苦労したのが、「文章の重要なポイントがどこか分かるまでに時間がかかる」という点でした。
ざっと概要を確認したうえで、重要なポイントから原文に戻って内容を深く理解しなおすというスタイルが、限られた時間の中で学習を進める上では有効だったと感じています。

もちろん、精度には限界があるため、全てを頼ることは禁物ですが、効率的に学習を進めるために、手続き部分や事務連絡など、重要性の低い情報は、ツールを上手く使って時短を図るのも賢い選択だと思います。

Webブラウザのアドイン機能として追加すると、ページ全体を自動翻訳する機能も使える(有料会員のみ)ので、Webサイトの情報の概要を掴むのにも役立ちました。

(5)Readable(PDF翻訳)

Readable|見た目そのまま、PDF翻訳の新基準

Readableは、論文などのpdfファイルを構成を維持したまま翻訳できるツールです。

論文をストックする上で苦労したのが、どの論文が参考文献として使用できるのかという点に当たりをつけることでした。

Readableは、原文と翻訳版を見開きで表示ができるスタイルで翻訳してくれるため、重要な点については、原文を確認しながら、論文のクオリティを検証することができました。

比較的安価な利用価格(980円/月)で、論文検索のスピードが飛躍的に向上するため、おすすめです。

(6)Grammarly(文法添削)

Grammarly: Free AI Writing Assistance

文章の文法を添削してくれるAIです。

英語ネイティブではない受講生は、なかなか自然な文章を書くのが難しいですが、改善点を指摘し、改善案を出してくれるので、使用しているうちに、ライティングのスキルを高めることもできます。

アカデミック用の資料という前提で添削することもできる点も便利です。

ただ、Grammarlyの添削には、独特の癖があるため、あまり鵜呑みにし過ぎず、後ほどご紹介する書籍などの知識も生かして、残すべき表現は残すことも重要です。

(7)Otter(文字起こし)

Otter|Otterは英語音声の文字起こしアプリです

ロンドン大学の講義の多くは、トランスクリプトが提供されていますが、時折提供されていない講義もあります。

また、課題発表後に、ウェビナー形式で出題意図の説明などがなされることもあります。時差の関係もあるため、このようなウェビナーも通常録画されています。

そのようなケースでは、Otterを使って、話された内容を文字起こしすることで、復習用の教材として利用しやすくなります。

ロンドン大学では、多様な国や地域から教員や学生が集まっているため、アクセントや話すスピードなどが極めて多様で、よほど英語力がある方でなければ、話された内容を一度で全て理解することは困難だと思います。

その際に、Otterを使用すると、かなりの制度で文章として書きだしてくれるため、自分の理解が正しいのかを確認するためのツールとして、非常に有効です。

書籍

以上のように、英語で学ぶという点の多くは、Webサイトやツールなどが活用できます。

しかしながら、もう1つのハードルである、アカデミックな研究ノウハウの習得という点は、自分自身で知識を身につけるしか方法がありません。

以下に、私が論文を書く上で参考にした書籍をご紹介します。
実際に自分の力で英語論文を書く上で、非常に役立ったものばかりなので、ぜひお役立てください。

(1)ここで差がつく!英文ライティングの技術

ロンドン大学で論文を書く際の鉄則として、「I」や「We」などの一人称を主語にした文章は極力避けるという点があります。

このような文章は、客観性に欠ける印象を与える危険性があり、特に大学院レベルの提出物には、極力書かないことが望ましいとされます。

しかしながら、日本の英語教育で学ぶ英作文の多くは、一人称を主語にする形式が多く、このギャップに苦しむケースが多く見られます。

この本は、そういった日本の英語教育を背景に、無生物主語の文章をいかに書くかを、ステップバイステップで分かりやすく解説している良書です。

大学院で勉強されていなくても、ビジネスの場で英文メールを書く方などにもおすすめです。

(2)アカデミック・フレーズバンク

英語で論文を書いていると、因果関係や根拠を示すといった目的で、同じような意味の文章を何度も書くことになります。

その際、毎回同じ文章で書いていると、文書作成能力を十分に示すことができず、スコアが伸びないといったことが考えられます。

この本は、論文で多用される説明の文章の例が複数例示されており、それらを使い分けることで、アカデミックレベルの文章を作成することが可能となります。

長年、英語論文の作成のバイブルとされていましたが、近年、日本語版が発売されたため、この機会を生かさない手はありません。

文章を作成する際の手引書として、完成度の高い書籍なので、ぜひご活用ください。

(3)必ずアクセプトされる医学英語論文50の鉄則

こちらはより学術論文の書き方に特化した書籍です。

医学論文を前提に記載されていますが、英語で論文を書く上での基本的な留意点や定型表現などについて、非常に分かりやすく記載されています。

全体で200ページ以内の薄めの書籍なので、英語論文の書き方について、概要を知りたいという方には、最初の1冊として非常におすすめです。

(4)日本人研究者のための論文の書き方・アクセプト術

英語論文の書き方について、細かい点まで含め、アドバイスが網羅的に解説されている本です。

全部で500ページほどあるため、全てを読破するというよりも、辞書のように、気になった部分を調べてみるという形で参考資料として活用できる本です。

(5)英語論文ライティング教本

こちらも、英語論文を書く上での留意点について、詳細な部分まで網羅して書かれている本です。

こちらは、日本人の筆者の方が書かれており、非ネイティブの学生が論文を書く上でミスしやすいポイントなどに触れながら解説されており、かなり実践的なノウハウを学ぶことができます。

実際に文章を自分で添削するトレーニングなどを行うことも可能ですので、力を身につけたい方には、非常におすすめです。

(6)はじめての英語論文 引ける・使える パターン表現&文例集

こちらはより実践的なアドバイスに特化した本です。

ケースごとに、実際に使用できる表現や文例などが紹介されており、シチュエーションに合わせたフレーズを知ることができます。

段落や文章間の繋ぎ方の表現を学ぶ上ではとてもおすすめです。

まとめ

今回は、通信制の海外大学院のプログラムを受講する上で、私が活用したWebサイトやツール、書籍をご紹介しました。

社会人大学院生だけではなく、海外留学を検討されている学生の方や、英作文を勉強されている方にも、活用していただける情報だと思いますので、必要な方に少しでもお役立ていただければ幸いです。

このnoteでは、英語と会計両方を学ぶ、ロンドン大学会計学修士プログラム(MSc in Professional Accountancy)や米国公認会計士(USCPA)を中心に、概要のご紹介や学習法アドバイスなどを発信しています。

もしよろしければ、これまでの記事や今後の記事もご覧いただけると嬉しいです。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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