小豆モチ

ぴきよスタジオ所属。頭のネジが外れ気味な旅好きひきこもりフェミニスト。お調子者の鬱。リ…

小豆モチ

ぴきよスタジオ所属。頭のネジが外れ気味な旅好きひきこもりフェミニスト。お調子者の鬱。リモート農家。パ・リーグビギナー。猫好きの虚弱体質。夜型人間。遺伝子学的にはM8型北方漢民族の系譜らしい。シルクロード! 千葉ロッテ、楽天イーグルス。ここで島内。ランジャタイ。

マガジン

  • 純SFファンタジー都会派ライトノベル「平成ネオンモス。」

    「詩人になり言葉を売って暮らす」という安直な夢は叶わず、貧困生活から抜け出すため悪徳訪問販売会社「フジヤマ商事」に入社した円谷きり。きりは社長の息子で元ホストの富士山陸のサディスティックなパワハラ指導により、社内で指折りの訪問販売員に成長した。学生時代、詩の同好会で知り合った恋人・純哉は新人文学賞を受賞。一方で、きりは毎日外を徘徊し、他人の玄関先でとめどない嘘を吐いて暮らす。  純哉の華々しい作家デビューに複雑な想いを抱きながらアパートで彼の帰りを待つきり。土まみれの姿で帰宅した純哉。2人はその夜、スズメダイたちの前で大喧嘩をする。  暑い日の昼下がり、都市郊外の駅前の映画館で古い映画を観た後に訪れた営業先できりが対面したお客はまさかの…。そしてきりとスズメダイたちは男の盗んだ車に乗せられ北へ向かう。逃避行の末にきりが遭遇したのは…。

  • 小説「水際の日常。」

    人の多すぎる都会は怖い、でも寂しくならない程度に人の気配があって、海に面した土地がいい…。 なんのゆかりもない過疎の港町に引っ越してきたアラフォー子なしバツイチのあたし。人口を1人でも増やしたい行政は移住者のあたしにウェルカムモードだったが、実際、女がこの地で身一つで生きるためには職や治安などのハードな現実と向き合う必要があった。昼職だけでは食べていけず、日銭を稼ぐために初めて足を踏み入れた夜職の世界。スナックや居酒屋の数が少ないこの町では派遣コンパニオンというスタイルが働きやすい。リモートワークの移住者、ワーケーションの都会人を横目に、夜の世界から見た悲喜こもごもを淡々と綴る。

記事一覧

ネットショップ作りました。

最近、良くないことが次々と起こる。 キャンセル、キャンセル、キャンセルが続く…。 庭のシンボルツリーが枯れた。 柿も今年はほとんどならなかった。 そして身内が病気…

小豆モチ
8か月前
11

文学フリマ東京37、ありがとうございました。

11/11(土)、流通センターで開催された「文学フリマ東京37」、出店してきました。 あたしの作品をどこかで知って、楽しみに買いに来てくださった方、 SNSをフォローされて…

小豆モチ
9か月前
10

「ぴきよ出版」が11/11(土)【文学フリマ東京37】で販売する本の一覧です。

水際の日常。第一展示場 | N-16 (小説|純文学) 小豆モチ 書籍|新書判 122ページ 1,000円 2023/10/1発行 フェミニズム、通用せずの現場から。 【あらすじ】 人の多すぎる…

小豆モチ
9か月前
22

小説「平成ネオンモス。」の紙本も、もうすぐ完成。

noteで連載していた小説「平成ネオンモス。」を加筆修正したものが、もうすぐ紙本として完成します。 今日、カバーと帯のデザインデータを入稿しました。 しかし、何を生き…

小豆モチ
11か月前
8

小説「水際の日常。」の紙本、もうすぐ完成。

noteで連載していた小説「水際の日常。」を加筆修正したものが、もうすぐ紙本として完成します。 本体より先に、カバーと帯が納品されました。 これから、カッターで曲がら…

小豆モチ
11か月前
9

小説「水際の日常。【DEMO版】」(アヤトピアのDEMO音源QRコード特典付き)の通販を始めました。

小説「水際の日常。【DEMO版】」小豆モチ著の通販を始めました。 全128P ※DEMO版としていますが、noteに連載していた内容をさらに加筆修正した最新版となります。 ↓ ↓…

小豆モチ
1年前
8

小説| 平成ネオンモス。のあとがき。

「平成ネオンモス。」は、まさに「平成」の時代に自分とともに生きてきた作品です。 「平成ネオンモス。」の前に書いた短編小説が、とある出版社主催のコンクールでに入賞…

小豆モチ
1年前
11

小豆モチ×アヤトピア★コラボ「水際の日常。【DEMO版】」出来ました。

小説「水際の日常。【DEMO版】」の紙本📘出来ました。 DEMO版としていますが、noteに連載していた内容をさらに加筆修正した最新版となります。 そして、シンガソングライタ…

小豆モチ
1年前
10

小説| 水際の日常。#あとがき

■有料級の自己啓発セミナーを、飼い猫から受講しています あたしの生き方のお手本は、うちのメス猫たちである。これまでも、のべ20匹くらいの猫を飼ってきた。ほとんどが…

小豆モチ
1年前
11

小説| 平成ネオンモス。 #3 - いち抜けした恋人は、土の中でスズメダイと。

 あの娘たちはウサギを買えただろうか。  臨時のテレフォンアポインターとして電話機との慣れない格闘を終えたきりは、無駄足を踏んだことを悔やみながら会社をあとにし…

小豆モチ
1年前
12

小説| 平成ネオンモス。 #2 - 詩人のなり損ね、漆黒に染まった言葉を玄関先で売り。

 神保町の外れに社を構える株式会社フジヤマ商事は、自社で開発した商品を電話でアポイントメントを取ったお客様のご自宅に出向き(または完全な飛び込み営業で)販売する…

小豆モチ
1年前
15

小説| 平成ネオンモス。 #1 - 隠れハイスペックなギャルたちは、都会のウサギを愛し。

●あらすじ 時は平成。詩人になり言葉を売って暮らすという安直な夢叶わず、貧困生活から抜け出すため悪徳訪問販売会社フジヤマ商事に入社した円谷きり。きりは社長の息子…

小豆モチ
1年前
18

小説| 水際の日常。#19【最終話】 - 子と海女芸者もどきはぐるぐる回り。

■ 酩酊、ナイトアンドデイ  お迎えの保護者の足が途切れた。  あたしはピアノの下の小さい子供たちを両腕に抱えてぐるぐる回る遊びを始めた。きゃっきゃきゃっきゃ。…

小豆モチ
1年前
14

小説| 水際の日常。#18 - 夜踊る小さな生き物たちの傍らで。

■苦手な歳下の上司  歌の聴こえる方角から、歩道に向かって光が斜めに伸びている。葉っぱのすっかり落ちた桜並木が、縞模様の影絵になってあたしの表面をなぞっていく。…

小豆モチ
1年前
15

小説| 水際の日常。#17 - 移住先に元夫が遊びに来た。

■思いがけない来客  久しぶりに昼も夜も仕事の予定が入っていない、完全オフの日曜日。愛車にショートボードを積んで、智之があたしのアパートにアポなしでやって来た。…

小豆モチ
1年前
18

小説| 水際の日常。#16 - 添え物稼業のあたしたち。

■年と年度の変わり目はいちばんの稼ぎ時  日がすっかり短くなり、年末が近づいてきて、忘年会のお座敷の仕事がいっきに増えてきた。アフターがなくても、一日に二本のお…

小豆モチ
1年前
17
ネットショップ作りました。

ネットショップ作りました。

最近、良くないことが次々と起こる。
キャンセル、キャンセル、キャンセルが続く…。

庭のシンボルツリーが枯れた。
柿も今年はほとんどならなかった。
そして身内が病気に。さらに身内が新車をぶつけて修理工場行き。
我がことではないものの、気が滅入る。

重い腰を上げ、よし、と気合入れてメンタルクリニックに行ったら受診拒否された。
ますますうつになるではないか。
市販の漢方薬でしのぐしかない。

今月は

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文学フリマ東京37、ありがとうございました。

文学フリマ東京37、ありがとうございました。

11/11(土)、流通センターで開催された「文学フリマ東京37」、出店してきました。

あたしの作品をどこかで知って、楽しみに買いに来てくださった方、

SNSをフォローされていて、買いに来てくださった方(アカウント名は教えてくれなかったのが粋です)、

たぶん、勢い?で全商品購入された方、

インスピレーションで手に取ってそのままお買い上げくださった方、

本当にうれしかったです。

実際に出店

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「ぴきよ出版」が11/11(土)【文学フリマ東京37】で販売する本の一覧です。

「ぴきよ出版」が11/11(土)【文学フリマ東京37】で販売する本の一覧です。

水際の日常。第一展示場 | N-16 (小説|純文学)
小豆モチ
書籍|新書判
122ページ
1,000円
2023/10/1発行

フェミニズム、通用せずの現場から。

【あらすじ】
人の多すぎる都会は怖い、でも寂しくならない程度に人の気配があって、海に面した土地がいい…。なんのゆかりもない過疎の港町に引っ越してきたアラフォー子なしバツイチのあたし。人口を1人でも増やしたい行政は移住者のあたしに

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小説「平成ネオンモス。」の紙本も、もうすぐ完成。

小説「平成ネオンモス。」の紙本も、もうすぐ完成。

noteで連載していた小説「平成ネオンモス。」を加筆修正したものが、もうすぐ紙本として完成します。
今日、カバーと帯のデザインデータを入稿しました。
しかし、何を生き急いでいるのだろう、わたし。
待っていても形にならないから、ぜんぶ、自作自演。
DIYだと思ったよりは経費をかけずに作れることがわかったけど、なるべく安っぽくならないように気をつけた。
まだ本体の到着待ちで、実物がどんな感じに仕上がっ

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小説「水際の日常。」の紙本、もうすぐ完成。

小説「水際の日常。」の紙本、もうすぐ完成。

noteで連載していた小説「水際の日常。」を加筆修正したものが、もうすぐ紙本として完成します。
本体より先に、カバーと帯が納品されました。
これから、カッターで曲がらないように上手に切らなければ……。

フェミニズム、通用せずの現場から。【「水際の日常。」あらすじ】
人の多すぎる都会は怖い、でも寂しくならない程度に人の気配があって、海に面した土地がいい…。
なんのゆかりもない過疎の港町に引っ越して

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小説「水際の日常。【DEMO版】」(アヤトピアのDEMO音源QRコード特典付き)の通販を始めました。

小説「水際の日常。【DEMO版】」(アヤトピアのDEMO音源QRコード特典付き)の通販を始めました。

小説「水際の日常。【DEMO版】」小豆モチ著の通販を始めました。
全128P
※DEMO版としていますが、noteに連載していた内容をさらに加筆修正した最新版となります。

↓ ↓ 在庫がなくなり次第終了となります。
匿名で、住所等を知られることなく購入いただけます。
お互いにとって、とてもありがたいシステム。

誤字あり&言葉足らず多しな粗稿ですが、その分勢いはあるかも知れません。

↓ ↓ 紙

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小説| 平成ネオンモス。のあとがき。

小説| 平成ネオンモス。のあとがき。

「平成ネオンモス。」は、まさに「平成」の時代に自分とともに生きてきた作品です。
「平成ネオンモス。」の前に書いた短編小説が、とある出版社主催のコンクールでに入賞し、いちおうその小説で作家デビューすることが出来た。その後、デビュー作の短編も含めた小説集の初書籍化に向けて出版社に持ち込んだのがこの作品だった。 
 作品を読んだ編集者は「いいですねぇ」と笑顔で返してきたが、書籍化の話はそれっきりで、原稿

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小豆モチ×アヤトピア★コラボ「水際の日常。【DEMO版】」出来ました。

小豆モチ×アヤトピア★コラボ「水際の日常。【DEMO版】」出来ました。

小説「水際の日常。【DEMO版】」の紙本📘出来ました。
DEMO版としていますが、noteに連載していた内容をさらに加筆修正した最新版となります。
そして、シンガソングライター、アヤトピアさんとのコラボ商品でもあります。私の小説をイメージして、アヤトピアさんが曲を作ってくれました。
この本には、イメージソング「水際の日常。」のDEMO音源(QRコード)が特典で付いています。
アヤトピアさんのライ

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小説| 水際の日常。#あとがき

小説| 水際の日常。#あとがき

■有料級の自己啓発セミナーを、飼い猫から受講しています

あたしの生き方のお手本は、うちのメス猫たちである。これまでも、のべ20匹くらいの猫を飼ってきた。ほとんどが、ふらりとうちに現れた迷い猫だった。
 うちで飼うことになった猫たちは、不妊、または去勢手術をする。ずっと以前は、手術するという選択肢が今ほど一般的ではなく、オス猫を去勢せずに飼っていた時期もあった。無去勢のオス猫たちは喧嘩が絶えず、そ

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小説| 平成ネオンモス。 #3 - いち抜けした恋人は、土の中でスズメダイと。

小説| 平成ネオンモス。 #3 - いち抜けした恋人は、土の中でスズメダイと。

 あの娘たちはウサギを買えただろうか。
 臨時のテレフォンアポインターとして電話機との慣れない格闘を終えたきりは、無駄足を踏んだことを悔やみながら会社をあとにした。
 二十三時。最寄りの地下鉄駅へ走る。発車の音楽が地上へ漏れ出している。酸素の薄い、アンモニア臭の混じった空気の漂う入り口階段を降りた。
 きりは電車に乗ると真っ先に、昼休みに書店で買ったばかりの本を開いた。座席が揺れる。文字が美しい紋

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小説| 平成ネオンモス。 #2 - 詩人のなり損ね、漆黒に染まった言葉を玄関先で売り。

小説| 平成ネオンモス。 #2 - 詩人のなり損ね、漆黒に染まった言葉を玄関先で売り。

 神保町の外れに社を構える株式会社フジヤマ商事は、自社で開発した商品を電話でアポイントメントを取ったお客様のご自宅に出向き(または完全な飛び込み営業で)販売するのが主な事業内容の中堅訪問販売会社だ。顧客や元社員から次々と訴訟を起こされ、現在も紛争中の案件をいくつも抱えている。きりが五年前、本人の適性から全く外れたこの企業に就職を希望したのは「商品を売るのではなく、自分の言葉を売れ」という富士山社長

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小説| 平成ネオンモス。 #1 - 隠れハイスペックなギャルたちは、都会のウサギを愛し。

小説| 平成ネオンモス。 #1 - 隠れハイスペックなギャルたちは、都会のウサギを愛し。

●あらすじ

時は平成。詩人になり言葉を売って暮らすという安直な夢叶わず、貧困生活から抜け出すため悪徳訪問販売会社フジヤマ商事に入社した円谷きり。きりは社長の息子で元ホストの富士山陸のパワハラ指導により社内で指折りの訪問販売員に成長した。 大学時代、詩の同好会で知り合った恋人、純哉が新人文学賞を受賞。一方、きりは毎日外を徘徊し、他人の玄関先でとめどない嘘を吐く。 純哉の華々しい作家デビューに複雑な

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小説| 水際の日常。#19【最終話】 - 子と海女芸者もどきはぐるぐる回り。

小説| 水際の日常。#19【最終話】 - 子と海女芸者もどきはぐるぐる回り。

■ 酩酊、ナイトアンドデイ

 お迎えの保護者の足が途切れた。

 あたしはピアノの下の小さい子供たちを両腕に抱えてぐるぐる回る遊びを始めた。きゃっきゃきゃっきゃ。子供が笑う。腰にずっしりとのしかかる重みに耐えながら、あたしは子供たちに笑顔を振りまく。子供たちは何度ぐるぐる回してあげても、「もっと、もっと」と言ってまとわりついてくる。自分の中のどこにこんな余力があるんだろうと驚きながら、あたしは力

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小説| 水際の日常。#18 - 夜踊る小さな生き物たちの傍らで。

小説| 水際の日常。#18 - 夜踊る小さな生き物たちの傍らで。

■苦手な歳下の上司

 歌の聴こえる方角から、歩道に向かって光が斜めに伸びている。葉っぱのすっかり落ちた桜並木が、縞模様の影絵になってあたしの表面をなぞっていく。
 急なシフト変更で、こんな時間から遅番に入るのは初めてだ。そして、珍しく二日酔いで頭が痛い。時間までまだ少しあるから、冷たい風に当たると気分が良くなるかもと、道を外れて海の見える土手に登ろうと思ったが、元気いっぱいな歌声がめいっぱいのボ

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小説| 水際の日常。#17 - 移住先に元夫が遊びに来た。

小説| 水際の日常。#17 - 移住先に元夫が遊びに来た。

■思いがけない来客

 久しぶりに昼も夜も仕事の予定が入っていない、完全オフの日曜日。愛車にショートボードを積んで、智之があたしのアパートにアポなしでやって来た。
 相変わらずの、こちらの都合無視の、智之らしい気まぐれな訪問に一瞬頭の中が沸騰しそうになったが、同時にうれしさも隠し切れなかった。本人に悪気はないのだろうし、離婚が成立してある程度時間が経ち、気持ちの整理もついている今となっては、陸の反

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小説| 水際の日常。#16 - 添え物稼業のあたしたち。

小説| 水際の日常。#16 - 添え物稼業のあたしたち。

■年と年度の変わり目はいちばんの稼ぎ時

 日がすっかり短くなり、年末が近づいてきて、忘年会のお座敷の仕事がいっきに増えてきた。アフターがなくても、一日に二本のお座敷をはしごする日は帰りが深夜をまわる。日中、へとへとになるまで子供たちの相手をしているあたしにとっては、週に数本程度のお座敷をこなすだけでも体力的にかなり堪える。

 仕事を選り好みできる立場ではないのだが、その日派遣されるお座敷が、地

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