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小説「平成ネオンモス。」の紙本も、もうすぐ完成。

noteで連載していた小説「平成ネオンモス。」を加筆修正したものが、もうすぐ紙本として完成します。
今日、カバーと帯のデザインデータを入稿しました。
しかし、何を生き急いでいるのだろう、わたし。
待っていても形にならないから、ぜんぶ、自作自演。
DIYだと思ったよりは経費をかけずに作れることがわかったけど、なるべく安っぽくならないように気をつけた。
まだ本体の到着待ちで、実物がどんな感じに仕上がっているのか、ちょっと心配。

純SFファンタジー都会派ライトノベル。

【「平成ネオンモス。」あらすじ】
「詩人になり言葉を売って暮らす」という安直な夢は叶わず、貧困生活から抜け出すため神保町の悪徳訪問販売会社「フジヤマ商事」に入社した円谷きり。きりは社長の息子で元ホストの富士山陸のサディスティックなパワハラ指導により、社内で指折りの訪問販売員に成長した。学生時代、詩の同好会で知り合った恋人・純哉は新人文学賞を受賞。一方で、きりは毎日外を徘徊し、他人の玄関先でとめどない嘘を吐いて暮らす。 純哉の華々しい作家デビューに複雑な想いを抱きながらアパートで彼の帰りを待つきり。土まみれの姿で帰宅した純哉。2人はその夜、スズメダイたちの前で大喧嘩をする。 暑い日の昼下がり、都市郊外の駅前の映画館で古い映画を観た後に訪れた営業先できりが対面したお客はまさかの…。そしてきりとスズメダイたちは男の盗んだ車に乗せられ北へ向かう。逃避行の末にきりが遭遇したのは…。

(本文より)  女の疲れ目の裏を、毳々しい毛色のウサギたちがゆっくりと跳んでいく。一羽、二羽、三羽……。そうだ、女は思った。ウサギの目って業務スーパーで売られているいちばん安いいちごジャムに似ている。ペクチンでギリギリまで薄め、水あめで甘さを加えたそれを水晶体の裏に注射針で注入すると、視界がいちごジャムで甘く味つけされて見える仕組みについて、あたし急いで特許を取っておきたい。ぼやぼやしていたら言葉はあっという間に感度の良い人間の所有物になり、拡散拡散で人々の視覚を刺激し、イイね!イイね!の肯定祭りが始まる。

「平成ネオンモス。」は、2023年11月11日(土)の文学フリマ東京の「ぴきよ出版」ブースで販売します。1.000円。

ご来場、お待ちしています。(小豆モチ)

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