miwa@アテリオ・バイオ_公式note

アテリオバイオ代表の三輪です。乳酸菌の魅力に見せられ、残りの人生を乳酸菌にかけようと思…

miwa@アテリオ・バイオ_公式note

アテリオバイオ代表の三輪です。乳酸菌の魅力に見せられ、残りの人生を乳酸菌にかけようと思っています。乳酸菌にはまだまだ知られていない力があります。乳酸菌EVもその一つ。EVは人や動物の健康に欠かせないものです。ぜひ多くの方に知ってもらいたいと思います。

記事一覧

16_アレルギーの隠れた主役、好酸球

前回、アレルギーは寄生虫に対抗するために進化的に獲得した能力であることをご紹介しました。アレルギーは免疫の誤動作ではなく、「能力」なのです。その能力は「好酸球」…

15_アレルギーは寄生虫に対抗するシステム

花粉が飛散する時期になると、毎日がつらいと感じる人は多いかもしれません。花粉症は、食物アレルギーや喘息などと同じメカニズムが働いています。それは寄生虫に対抗する…

14_EVの研究で見えてきた神経変性疾患の未来

神経変性疾患は生活の質を著しく低下させる重篤な疾患です。これまでその原因も治療法も不明であり、いわゆる難病として恐れられてきました。ところがいまEVの研究で一筋…

13_Lilac01-EVは「痛み」を抑える

慢性の痛みは体のどこでも発生する可能性があり、原因がわかる場合もありますが、多くの場合は原因が特定できず、長期間痛みに悩まされることがあります。 慢性的な痛みは…

12_ミトコンドリアは全身に元気と炎症を広めている

ミトコンドリアは、俵状のゾウリムシのようなものを創造する方が多いかもしれませんが、実際は上の写真(橙色の部分)にあるように、細胞内を埋め尽くすひも状のもので、虫の…

11_ミトコンドリアの量が細胞の生死を決める

ミトコンドリアは高校の生物の教科書に出てくるので、多くの人は目にしているはずですが、たいていの人は俵状の虫のようなものとしか記憶していないと思います。 しかしこ…

10_マクロファージの自爆から炎症が始まる

マクロファージは全身の組織にいて、侵入してくる病原体と戦っています。それだけでなく免疫を起動する司令塔でもあり、さらに戦いが済んだ後の、傷んだ組織の修復にもあた…

09_ 生物は膜が命

生物はどのように誕生して、いまのような形になったのでしょうか。生物の進化を調べることは、私たちはなぜ生き、なぜ死ぬのかを理解するうえで重要なカギとなります。 私…

08_ライラック乳酸菌はなぜEVを大量に出すのか?

細菌が出すEVは、エクソソームではなく膜小胞(MV;Membrane Vesicle)とよばれます。私たちが乳酸菌もEVを出すことを知ったのは2020年の初めでした。 以前よりライラ…

07_若返り美容で人気のエクソソームには、老化とがんのリスク

若返り美容で人気のエクソソームですが、本当に安全なのか、効果はどうなのか、気になるところです。さらに培養上清とは何なのか、謎に満ちた若返り美容は本当なのでしょう…

06_ 細胞外小胞:EVって何だろう?

EVは細胞が出す小さなカプセルです。このカプセルには出発細胞のメッセージが入っていて、血流に乗って全身をめぐります。EVのメッセージは特定の細胞が受け取ることが…

05_遺伝子変異が炎症を引き起こす

アルツハイマー病には散発性と家族性がありますが、家族性アルツハイマー病は5%未満です。家族性アルツハイマー病は散発性アルツハイマー病に比べて発症がはるかに早く、…

04_脳内炎症の真相に迫る

多くの方が最も恐れるのは、認知症などの脳の病でしょう。日本人の認知症の将来推計に関する研究によると、2025年には65歳以上の約20%が認知症になると報告されています(…

03_ライラEVはミクログリアの自爆死を抑制する

ミクログリアの自爆は、積極的な防衛戦略であることがわかりました。しかし病原体がなくてもミクログリアは自爆します。その謎は、いま世界が注目する最先端の研究テーマで…

02_炎症を抑えると、老化を予防できる

日本は長寿大国ですが、健康寿命と平均寿命の差は、男性で約9年、女性では約12年もあります(2019年)。健康寿命を延ばすことは、いま最も重要な課題です。この難問を解決…

01_ アテリオバイオのnote、始めます

初めまして、アテリオバイオ代表の三輪と申します。バイオの研究を始めて20年ほどになります。ライラック乳酸菌という独自の乳酸菌を開発して、サプリメント(機能性表示食…

16_アレルギーの隠れた主役、好酸球

16_アレルギーの隠れた主役、好酸球

前回、アレルギーは寄生虫に対抗するために進化的に獲得した能力であることをご紹介しました。アレルギーは免疫の誤動作ではなく、「能力」なのです。その能力は「好酸球」というスペシャリストが関与しています。

好酸球の自爆死がアレルギーの原因

ほうきの柄は1本ですが、穂先の方は多数に分かれて複雑に入り組んでいます。炎症反応も多くの細胞や炎症物質が複雑怪奇に影響しあって、訳が分からないほどです。

アレル

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15_アレルギーは寄生虫に対抗するシステム

15_アレルギーは寄生虫に対抗するシステム

花粉が飛散する時期になると、毎日がつらいと感じる人は多いかもしれません。花粉症は、食物アレルギーや喘息などと同じメカニズムが働いています。それは寄生虫に対抗するために獲得した仕組みなのです。

その仕組みさえわかってしまえば、花粉症対策に悩む必要はありません。花粉症が簡単に治り、しかも短時間に効果が出る方法があります。

花粉症は免疫の誤作動ですか?

花粉症は、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎な

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14_EVの研究で見えてきた神経変性疾患の未来

14_EVの研究で見えてきた神経変性疾患の未来

神経変性疾患は生活の質を著しく低下させる重篤な疾患です。これまでその原因も治療法も不明であり、いわゆる難病として恐れられてきました。ところがいまEVの研究で一筋の光明が見えてきました。

アルツハイマー病の新薬が登場、しかし重篤な副作用が

現在のところ、アルツハイマー病などの神経変性疾患の治療法はわかっておらず、有効な手立てがありません。

2023年、FDA(米国食品医薬品局)は軽度のアルツハ

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13_Lilac01-EVは「痛み」を抑える

13_Lilac01-EVは「痛み」を抑える

慢性の痛みは体のどこでも発生する可能性があり、原因がわかる場合もありますが、多くの場合は原因が特定できず、長期間痛みに悩まされることがあります。
慢性的な痛みは日常生活に大きな支障をきたし、人生を楽しむこともできず、精神的にも影響する可能性があります。

「痛み」は、炎症のひとつの形

Lilac01-EVを試験的に飲んだ、多くのモニターの方が「痛み」が消えるという体験をしました。関節の痛みとか、

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12_ミトコンドリアは全身に元気と炎症を広めている

12_ミトコンドリアは全身に元気と炎症を広めている

ミトコンドリアは、俵状のゾウリムシのようなものを創造する方が多いかもしれませんが、実際は上の写真(橙色の部分)にあるように、細胞内を埋め尽くすひも状のもので、虫のように動いて活動しています。

ミトコンドリアは自然が好き

ミトコンドリアは赤血球以外のすべての細胞の中にありますが、ミトコンドリアの量が減ると細胞死をおこし、炎症を起こすことがわかってきました。ミトコンドリアは私たちが生きていくうえで

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11_ミトコンドリアの量が細胞の生死を決める

11_ミトコンドリアの量が細胞の生死を決める

ミトコンドリアは高校の生物の教科書に出てくるので、多くの人は目にしているはずですが、たいていの人は俵状の虫のようなものとしか記憶していないと思います。
しかしこの虫のようなものが、実は生命のカギを握る重要なものなのです。

ミトコンドリアの量は歳とともに減少する

人間が歳をとると、ミトコンドリアも年々老化して、アクティブなミトコンドリアは減少していきます。

ミトコンドリアは、外の好気性細菌が取

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10_マクロファージの自爆から炎症が始まる

10_マクロファージの自爆から炎症が始まる

マクロファージは全身の組織にいて、侵入してくる病原体と戦っています。それだけでなく免疫を起動する司令塔でもあり、さらに戦いが済んだ後の、傷んだ組織の修復にもあたる万能細胞なのです。そんな働き者の細胞にかけられている、あらぬ疑惑の話です。

マクロファージには炎症をおこす犯人との疑いがかけられている

この働き者の細胞は、あらぬ疑いをかけられています。それは炎症を起こして認知症の原因をつくっているだ

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09_ 生物は膜が命

09_ 生物は膜が命

生物はどのように誕生して、いまのような形になったのでしょうか。生物の進化を調べることは、私たちはなぜ生き、なぜ死ぬのかを理解するうえで重要なカギとなります。

私たち人間は遺伝子を操作したり、望む生物を誕生させることもできるほど、大きな力を持ちました。そのような時代になったからこそ、やっていいことと、やってはいけないことを判断する能力が求められます。

私たちが膜の研究を始めた理由

生物の細胞膜

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08_ライラック乳酸菌はなぜEVを大量に出すのか?

08_ライラック乳酸菌はなぜEVを大量に出すのか?

細菌が出すEVは、エクソソームではなく膜小胞(MV;Membrane Vesicle)とよばれます。私たちが乳酸菌もEVを出すことを知ったのは2020年の初めでした。

以前よりライラック乳酸菌に不思議な効果があることがわかっていたので、これまでの疑問が解決するチャンスと思い、一気にのめりこんでいきました。そしてその年のうちに研究用試薬として提供を開始しました(販売はコスモ・バイオ株式会社)。

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07_若返り美容で人気のエクソソームには、老化とがんのリスク

07_若返り美容で人気のエクソソームには、老化とがんのリスク

若返り美容で人気のエクソソームですが、本当に安全なのか、効果はどうなのか、気になるところです。さらに培養上清とは何なのか、謎に満ちた若返り美容は本当なのでしょうか。

MSC培養上清の実体

MSCとは、間葉系間質細胞のことです。間葉系幹細胞としている場合もあります。幹細胞というのは、いろいろな細胞に分化することができる細胞のことで、MSCの場合は細胞レベルでは、骨や軟骨、血管、心筋細胞などに分化

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06_ 細胞外小胞:EVって何だろう?

06_ 細胞外小胞:EVって何だろう?

EVは細胞が出す小さなカプセルです。このカプセルには出発細胞のメッセージが入っていて、血流に乗って全身をめぐります。EVのメッセージは特定の細胞が受け取ることができると考えられていて、臓器間のコミュニケーションが行われることによって健康が維持されています。
しかしEVの中に入っているメッセージには、良いものと悪いものがあります。

細胞外小胞:EVは、正式な総称

EV(細胞外小胞;Extrace

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05_遺伝子変異が炎症を引き起こす

05_遺伝子変異が炎症を引き起こす

アルツハイマー病には散発性と家族性がありますが、家族性アルツハイマー病は5%未満です。家族性アルツハイマー病は散発性アルツハイマー病に比べて発症がはるかに早く、場合によっては20代後半に発症することもあります。

家族性アルツハイマー病は症状が重い

家族性アルツハイマー病には3つの遺伝子の関連がわかっており、これら3つの遺伝子のいずれかに変異があると、事実上、若年性アルツハイマー病を発症すること

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04_脳内炎症の真相に迫る

04_脳内炎症の真相に迫る

多くの方が最も恐れるのは、認知症などの脳の病でしょう。日本人の認知症の将来推計に関する研究によると、2025年には65歳以上の約20%が認知症になると報告されています(認知症の人の将来推計について - mhlw.go.jp)。

認知症の原因?、アミロイドβの実体

認知症の原因は脳内にたまる異常なタンパク質と考えられてきましたが、有効な治療法はまだ見つかっていません。

ミクログリアは脳内のグリ

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03_ライラEVはミクログリアの自爆死を抑制する

03_ライラEVはミクログリアの自爆死を抑制する

ミクログリアの自爆は、積極的な防衛戦略であることがわかりました。しかし病原体がなくてもミクログリアは自爆します。その謎は、いま世界が注目する最先端の研究テーマです。

自然免疫は初歩的な免疫ですか?

ミクログリアなどの食細胞は、病原体や死んだ細胞を飲み込んだり、その病原体の情報を提示することで獲得免疫を起動します。それだけはなく、「自爆死」は外敵に対する積極的な防御戦略だったのです。

しかしミ

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02_炎症を抑えると、老化を予防できる

02_炎症を抑えると、老化を予防できる

日本は長寿大国ですが、健康寿命と平均寿命の差は、男性で約9年、女性では約12年もあります(2019年)。健康寿命を延ばすことは、いま最も重要な課題です。この難問を解決する可能性がある素材、それが細胞外小胞EVです。

世界的にアンチエイジングが注目されている

アンチエイジング(抗老化)の技術が世界の注目を集めています。老化(エイジング)は炎症(インフラメイション)によって進むことがわかっており、

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01_ アテリオバイオのnote、始めます

01_ アテリオバイオのnote、始めます

初めまして、アテリオバイオ代表の三輪と申します。バイオの研究を始めて20年ほどになります。ライラック乳酸菌という独自の乳酸菌を開発して、サプリメント(機能性表示食品)として販売しています。

この度、日本初の乳酸菌EVサプリメントを販売することにしました。世界的にも類似商品は見当たりません。EVとは、細胞外小胞(Extracellular Vesicles)というちょっと聞きなれない名前ですが、E

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