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「関心がある」ことと「今読みたい」は別
普段使っている端末がアルゴリズムに侵蝕されており辟易している。検索したものやたまたま流れてきて閲覧したものをことごとく拾って、「こういうの興味あるでしょ!」と言わんばかりにありとあらゆる場面でサジェストしてくる。広告表示やニュースの表示が本当にそればかりになり、間違っちゃいないんだけどそういうことじゃないんだよ、と言いたくなる。
要するに私が接触した情報たちに基づいてそうなっているのだが、情報へ
憂いで心がむくまないように
全身全霊をかけて「気にしない」をやる、というよく分からない力の使い方をしている。何かを考え出しそうになると慌てて顔の前で手を振って、自分の頭を醒まさせる。前へ前へ、次へ次へ、流していく、押し流していく、そんなふうに唱えながら、自分に言い聞かせる。何も考えない、というのはいちばん楽な態度のように見えるけれど、実際には非常に骨の折れることで、急な坂を転がり落ちていきそうな自分の背丈ほどの鉄球をなんとか
もっとみるit's Friday
どっと疲れが押し寄せてくる金曜日。頑張ってるんだから報われていいだろ、の自分と、いやまだまだ足りてないよ、の自分と、表と裏を返すみたいに交互に訪れては腹の底を揺さぶる。至って理性的でいたいのに、飽和した感情が嫌な感じで染み出してくる。ほっといてくれよ。自分でも理不尽に感じる投げやりな気持ちを持て余している。
自分の境界を守っていく
年が明けてからというもの、時間がぼたっ、ぼたっ、と垂れるように過ぎている気がして居心地が悪かった。年末年始の休みには部屋の片付けをしたし、休みを終えてからはいつも通りに仕事もしているので、過ごし方としては特段イレギュラーなわけでもないのだが、なんとなく、「これでいいんだっけ?」、「こういうことでよかったっけ?」という小さな問いかけが日常に付きまとうようだった。目や耳に入る至るところで繰り返される、
もっとみる「本当のところ、どうなの?」と聞きたくなる心境
私の中で、見聞きするものへの「リアル志向」が高まっている。
先日、『光浦靖子「バカにした笑いでした」あるテレビ番組の趣旨に嘆き』というタイトルのネット記事を読んだ。ある番組の収録に参加したところ、自身の作った手芸作品に対して、「500円なら買ってやってもいい」、正確には「こちら、一般の人にいくらまでなら出せる? と聞いて最高金額500円でしたー!」というコメントをされたという。その上で「スタッフ
他者の物語を想像することをやめない。『すばらしき世界』と『プリズン・サークル』を観て感じたこと
悪役には悪役の物語がある、ということを、私はミュージカル『ウィキッド』から学びました。有名な『オズの魔法使い』に登場する「西の悪い魔女」に名前を与えて、彼女がなぜ「悪い魔女」と呼ばれるようになったのか、その過去を描いた作品です。緑色の肌のせいで親から愛されなかった子ども時代、「良い魔女」グリンダとルームメイトだった学生時代、そしてオズの魔法使いに出会ってからの出来事、その物語を知ったあとでもう一度
もっとみる確実に「届いてしまう」時代に思いを発信する難しさ
最近、映画を二作品観に行きました。とても心動かされて、いろいろなことが頭を巡って、日常のふとした瞬間にもそのことを思い出したりしているのですが、一向にその気持ちを文章に書き出せずにいます。
別のnoteでも少し書いたのですが、好きなことや感動したことを言葉にするのって難しい。荷が重いのです。誰かの言葉ではなく自分の言葉で書きたいけれど、書けば書くほど月並みな言い方になって、これって伝わってるのか