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【中日本大会ランウェイ】共感覚の彩りの世界、観えない音色にあわせて舞う

中日本大会のランウェイについて、たくさんの方からお褒めの言葉をいただいた。ランウェイは審査対象ではなく、そもそも一番自信のなかった分野だった。

ランウェイについて自信のへしおられたセカンドインスペクションの日記

先日嫌がらせに遭い、そのストレスで少し過食気味になっていた。だけど「食べすぎてる場合じゃない」と何度も何度も思った。

負の感情に巻き込まれ自分に自信がもてなくなるような行動をいますぐやめろ。私はそんなふうに自分のお尻をまた叩いた。

学生時代チアの副キャプテンをしていて、ダンスが得意だったはずなのに、うまく体で表現することができず、不格好で、とても自信をもてる私じゃない。

こんなもの、だれが良しとするんだ。
私が私を良いと思えないのに、周りがいいと思うはずがない。

私は休憩時間に、ウォーキングを習える場を探しそして、レッスンに通うことにした。引っ越してから全身鏡がない環境で暮らしていたので、全身鏡を通販で購入した。

私はまずこの見た目への自信を、持てるような私にならないといけない。そうしないといつまでもうつむいたままの私だ。そんな自分は、いやだ。

変わりたい。
BeautyJapanセカンドインスペクションー自分にあるものとないもの

ランウェイの講義として鷲山あかねさんからの教えは、私の隠しているコンプレックスを明るみにし、悔しさや情けなさばかりの感情が大きく、素直に楽しいと感じることが出来なかった。

スタイルも良く、自分を表現できているあかねさんに「楽しんで!」とみんなで歩いたウォーキングの動画はいわれるがまま歩いてみても不格好で、見るのも嫌なくらいの動画。目を背けていた自分の姿だった。

この記事ではウォーキングレッスンに行ったことを書いたが、体験を済ませたあと

「私を表現するのには、普通のウォーキングではないのではないか」

「ドレスを着て、綺麗に歩いた私に本当に伝えたいことを伝えられるのか」

そんな想いが出て、ランウェイを1から考え直すことにした。ポートレートモデルをしてみたり、自分を表現するため、セルフ写真館で自分らしい写真を自分で撮ってみたりもした。

試行錯誤しながら私の表現を考える。あかねさんを目指すのではなく、あかねさんの表現力を自分につけたいと模索した。

共感覚を言葉と絵で伝えることはとても難しい。ランウェイで何ができる?

私は視覚優位の共感覚で、スピーチでもアートの話をしたかったから「彩り」を表現したい。

虹色のドレスや、ふんわりした形、バレエのドレス。
色々なものを見ながら「共感覚の彩り」を表現できる衣装を探した。

そうしてたどりついたのがパステルカラーの漢服。生地にはきらっと光る糸があしらわれ、羽織は半透明で素敵だった。

なによりも動くとふわり、ふわり。と色が踊る。
これなら私の表現したいものを魅せられると思った。

買ってあった靴はスピーチの時に衣装を変えて使おう。

私はランウェイで歩かない。
そう決めた。

ウォーキングのレッスンで学んだ姿勢や、あかねさんの講義での形の整え方、えりかの姿勢のレッスンを頭に入れながら、正しいウォーキングでの足の動かし方を理解した状態で

私はあえて「つまさきから歩く」ことを選んだ。

ウォーキング用の音源を、私はダウンロードすることはなかった。
少しだけ聴いて、出るタイミングだけ合わせたがそれ以外何も聞かずに練習をした。

イメージを膨らませた。

リズミカルな音楽がある中でゆっくりと、歩いていったのは音を止めたかったから。その音楽が聴こえなくなるくらいに、私の世界に入ってきてもらいたかったから。

スポットライトをかっこよく浴びポーズを決めていくみんなの中、私の順番が来る。

両手を肩に軽く乗せ、ゆっくりと裸足で歩いていく。
体を少し追ってついてくる、
ピンク色のシルクベールが、私の周りに色を纏う。

つまさきから、一歩、二歩。
私は水の上を歩くイメージで、水辺の上を舞うように足先を使う。

指先から、足の先まで、しなやかに、柔らかく、軽やかに。
くるくると回るは、彩り溢れる共感覚の世界。

あの時私は、共感覚で聴こえない音に体を乗せていた。

私は視覚優位の共感覚者だ。感情も、文字も、音も、色やテクスチャという視覚となって反応する。けれど中には視覚から音を奏でられる共感覚者もいる。

共感覚を広める活動を始めるきっかけとなった共感覚のclubhouseに登壇した時に、三木道山さん(DOZAN11さん)がいらっしゃり、共感覚を題材にしたアプリをプロデュースしているとスピーカーとなりお話くださった。

それは画像を入れると音が奏でられるというもので、興味を持った方たちが自分の写真や絵などを入れて「こんな音になるのか」とひとしきり楽しんでいた。

共感覚を知るきっかけにもなるし、絵から音がするなんてとても楽しいアプリだと私も感じたのでさっそく、自分で撮った写真をそのアプリに入れて音を聴いてみた。

すると出てきた感想は「この写真の音じゃない」だった。

つまり、うまく拾えていないが私は視覚から確かに聴覚が反応している。
そして、聴こえない音色を日常的に奏でているのだ。

ランウェイの時、確かに奏でられる観えない音色に合わせ、舞った。
多くの照明から私は、彩り溢れる共感覚の世界を表現していたのだ。

私がランウェイで観た色の世界は、こんな色だった。

共感覚の彩りを、自信をもってこれからも表現していきたい。
そう強く思えた時間だった。


山口葵


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