愛しいもの_20190520
少しのあいだ東京を離れ、京都で過ごす4日目が終わる。
東京にいれば、会いたい人はわりとすぐ近くにいるもので、指先ひとつでその日に顔を合わせることが不可能でなく、会ったとて大抵他愛もない話しかしないくせにわたしたち人間といういきものはいつも会いたがっているような気がする。
愛しさがあまりにも手近であたりまえになってしまったわたしたちだ。時に人間は、暴力的に愛しさを求めている。
そういったことが簡単にできないように、という意味もある。さまざまな意味があって、わたしはいま京都にひとりでいる。
会いたい人にすぐ会えない。友人はきちんと仕事に通い、同居人ははじめてひとりの留守番。猫は実家でごろにゃんしてるだろう。宿に帰っても、わたしの愛する猫はいない。好きな人のぬくもりもここにはない。
常から愛しいと思っていたことさえ、離れればさらに愛しくなる。あたりまえというものが最上級の愛しさだ。離れなくても気づいていたい。気づかなくても感じてたい。
東京に帰ったら、みんなみんな、ありがとうのことばで抱きしめよう。そうしよう。わたしにはこういう、唐突な危うさがあるけれど、ぜんぶを愛してくれるみんなみんなが、わたしはいまとても愛しい。
aoiasa
- 20190520
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最後までありがとうございました。 〈ねむれない夜を越え、何度もむかえた青い朝〉 そんな忘れぬ朝のため、文章を書き続けています。わたしのために並べたことばが、誰かの、ちょっとした救いや、安らぎになればうれしい。 なんでもない日々の生活を、どうか愛せますように。 aoiasa