暗くて赤くて黄色いバス通りの桜 #青ブラ文学部
私は、毎年、色が無い桜の間を通りバスに乗る。
4月は年度はじまり。更新の季節で忙しい。
A社には連絡したか??
B社の更新状況はどうだ?
C社は更新を止めるだと、なんとかならんか?
予算は〇〇億円だぞ!あと、1週間でいくのか??
私の頭の中をぐるぐると。
セピア色の桜
「おいおい、困るよ!! C社が更新されなかったら、どこでカバーするんだ?」
私は会社で、詰められている。
返事などできるわけがない。日本の会社はそんなに多くない。
「C社の更新は必須だ。私も行くから今すぐにアポを取っておけ」
私は言われたとおり、機械のように、電話をかける。
この新年度の忙しい最中、そうそうアポが取れるわけもない。
しかし、午前中いっぱいは、繋がるまで電話をかける、メールをする、繋がらなければ、午後から直接、会社に出向く。
ストーカーだが、こちらも生死がかかっている。
「午前中のアポの件、取れたのか?」
ゆっくりタバコを吸いたかったのだが、喫煙所でバッタリとでくわす。
そういうものだ。
私は首を横に振って、午後に直接会社に出向く旨を伝える。
「これ取れなかったら、C社の担当はお前から外すからな」
それも当然だ。だが、給料に大きく響くのがとても痛い。
お昼にC社の担当の方から電話をいただいた。
午前中は会議に追われていたため、電話もメールもできなかったようだ。
この時、お電話をくれたC社の人のことは、さながら神にも思える。
自社は地獄だ。顧客は神だ。
営業はそれでいい。自社の椅子が天国だと、誰も営業に出たがらない。
夕方に上司と一緒にC社の説得を終えて、帰りに酒を飲むという打ち合わせに入る。そして、夜の帳が下りる。
わたしは上司と別れて、会社に向かう。
今日はC社の件で時間が無くなってしまった。
明日までにA社・B社に連絡を入れなければいけない。
また、大量にきている顧客からの問い合わせメールを返していかなければ、私の信用状況にも繋がる。
仕事を終えたころには、終電はとっくにない。
北新地の営業時間はもう終えているが、夜遅くにご飯を食べることのできるお店が開いているのは、ありがたい。
1人、ご飯を食べて、酔っ払いと一緒にタクシーを待つ。
この多忙の最中、飲みに行けるなんて幸せな人達だ…と思いながら、夜に上司と打ち合わせという名のお酒があったことに気付き、苦笑する。
同じ酒でも、こんなに楽しそうなのだ。忘れていた。
・朝、起きる。
・まだ幼い子どもは、すやすやと寝ている。
・妻からの言葉は、耳に入ってこない。
・テレビからは、「桜が満開で今日は見ごろです」との音が流れる。
玄関を開けて、バス亭へ向かう。
B社は契約更新が遅れる。
しかし間に合わせないと
予算が
A社はメールでしか連絡していない
今日 電話 しないと
C社は役員会議で更新することを提案してくれる
更新前までに C社の役員との飲み会をセッティングしないと
桜が満開で今日は見ごろ…
目の前には、セピア色の桜の花が満開である。
わたしはおかしくなって、笑ってしまった。
とても暗くて、赤みがかかって、全体的に黄色が薄く施されている。
「セピア色の桜なんて、はじめて見たな」
写真に撮っておきたい気分で、バスの時間を気にしながら、スマホで写真を撮る。
なんとかバスに飛び乗って、人をかき分け、つり革を確保する。
そして、スマホをポケットから取り出して、先ほど取った写真を見た。
また、クスッと笑ってしまった。
私は写真を撮るのが、たいそう下手らしい。
だって、セピア色の桜の写真は、とても鮮やかで綺麗だったから。
山根あきら様の #セピア色の桜 に参加させて頂きました。
企画いただきまして誠にありがとうございます😆✨
企画は4/14(日)までです!!!
実際に体験した話でしたので、思い出しながら、すらすらと書けてしまいました🤣
忙しいとは、「心」を「亡くす」と読むと思います。
花を見るという行為は、自分自身の心がないと、綺麗に思えることができません。
少しでもいいので立ち止まって、花に色があるかどうか見てください。
もし、綺麗だなと感じないのであれば、忙しい時になかなか難しいとは思いますが、いったん立ち止まることも、人生において時には必要なのだと感じている今日この頃です😌
『人生に「1」を加えるマガジン』は、素敵なnoteクリエイター様たちの多くの知識と気付きを発信するマガジンです。
これからも、たくさんの記事を紹介してまいりますので、フォローしていただけますと嬉しいです。✨
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