かとう

日記と空想

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2022年11月スマホのメモ

今年も映画をつくろうと思ったのは思ったよりも監督の存在が大きくなっていたからで。 去年映画を作ろうと思ったのは面白い人たちに出会えたからで。 面白い人たちに出会え…

かとう
3週間前
3

16時の詩

さぁ始まったぞ今シーズン 若鯉たちで勝ちたいね 田村中村久保林 ベテラン勢にも期待大 一喜一憂何が悪い スタンドから野次飛ばしまくって 球場真っ赤に染めようやぁ エラ…

かとう
3か月前
5

また横断歩道まで戻って

雨にもまけず 風にもまけず 土日でも 夜中でも営業できる丈夫な仲間を持ち 汚れは無く お客の節度も良くて いつも黄色く賑わっている 1日にコーヒー牛乳1本と 味噌とたく…

かとう
8か月前
9

匂い / ふりさけ見れば春日なる

アラビアの空にいた。 乗客はみな、時速900kmでの移動を気にも留めていない。海は東へ流れ、EK319便は時間を遡る方角に機首を向ける。 木曜日 第2ターミナルの3階、チェ…

かとう
1年前
5

真実はいつも一つ!

ついに江戸川コナンが100億の男になろうとしている。 今までの私なら「おれは昔からのファンなんだ!最近の映画は面白くないし、安室さん目当てのキャピキャピした女の子…

かとう
1年前
6

左京区民への道

2024.7.15追記 新幹線の窓から鴨川を見ると結構本気で帰ってきたと安心するので、もう心は左京区民。 七条大橋 京都国立博物館で「茶器」展とかを見て、庭をちょろっと歩…

かとう
1年前
8

喫茶銭湯メモワール

古事記によると、四国というのは本州よりも先に誕生したとされている。 神話というのは"信じる"とか"信じない"とかではなくて、遠い昔から物語がきちんと受け継がれてきた…

かとう
1年前
7
+10

ばいしんじ

かとう
1年前
4

走れアキラ

アキラは激怒した。必ず、かの疫病なんかに負けず、試合に出場しなければならぬと決意した。アキラには大人の世界というものがわからぬ。外でプレーをするスポーツに、何の…

かとう
1年前
5

2日目のカレー

夕暮れ、11月の6時はもう暗い。 それでも地球は丸いから、空はもう少しだけ明るい。沈んでいく太陽が、遥か上空を飛行する鉄の塊だけを照らす。暗い下界から、光る”昔の夢…

かとう
1年前
7

「僕の京都案内。」〜おれもPOPEYEにあやかってみる〜

いつになっても左京区民になれそうにないので、もういっそのこと他の地域のことも好きになってしまおうと思う。そうすれば左京区も嫉妬して、僕の方を振り向いてくれるかも…

かとう
1年前
19
+5

古都を散歩してきました

かとう
1年前
2

檻の中から空を塗る、よりも

山鉾巡行は今年も凄まじい盛り上がりを見せた。見物客で京がはち切れるかと思ったほどだ。毎年の群集で四条通そのものが広がっているのではなかろうか。このまま放っておい…

かとう
1年前
5

じいちゃんのはなし

「じいちゃんは思い出しとおないけえ、あきらくんたちだけで資料館行ってきんさい」 話をちゃんと聞いたのは小学生の時の1回だけ。あの朝、6歳のじいちゃんは己斐(今の西…

かとう
2年前
5

サマーカンバス

納涼床がオレンジ色に灯る。鴨川と空の白さは物語の終わりを告げるようで、ぼくらに向かって「青いですねえ」なんて笑っているようにも見える。これから最後のカット。夏と…

かとう
2年前
30

先取り

冬の朝の、家庭の匂いがしました。 大好きな匂いです。 あれは何の匂いなんだろう。 言葉にできないので、 「あ!わかる~」 なんて人はいないでしょう? それでもい…

かとう
2年前
4
2022年11月スマホのメモ

2022年11月スマホのメモ

今年も映画をつくろうと思ったのは思ったよりも監督の存在が大きくなっていたからで。
去年映画を作ろうと思ったのは面白い人たちに出会えたからで。
面白い人たちに出会えたのは何かできることがないか自分で探したからで。
何か探したのは世界が息苦しかったからで。
もしあの時何も起こってなかったらあのままアメフトを続けていて。
そもそもアメフトを始めたのはバスケに飽きてきたからで。
飽きるほどバスケを続けたの

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16時の詩

16時の詩

さぁ始まったぞ今シーズン
若鯉たちで勝ちたいね
田村中村久保林
ベテラン勢にも期待大
一喜一憂何が悪い
スタンドから野次飛ばしまくって
球場真っ赤に染めようやぁ
エラー見逃し迷采配には
あーじゃぁこーじゃぁ居酒屋談議
勝ったら笑って負けたら泣いて
わしならこうするあれはせん

宮島街道沿い マウントコーヒー 窓際のカウンター席にて。
抹茶といちごのタルトを頬張りながら。
隣のおばあさまたちはさっき

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また横断歩道まで戻って

また横断歩道まで戻って

雨にもまけず
風にもまけず
土日でも
夜中でも営業できる丈夫な仲間を持ち
汚れは無く
お客の節度も良くて
いつも黄色く賑わっている

1日にコーヒー牛乳1本と
味噌とたくさんの納豆を食べ
川のほとりの住宅街の
誰でもふらっと入れるところに

壁には立派な富士山を描き
面白そうな本と
部屋に飾りたくなるようなお花を売り
扉は小さな映画館に繋がっている

東に病気の子どもあれば
足湯か手湯に浸けてやり

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匂い / ふりさけ見れば春日なる

匂い / ふりさけ見れば春日なる

アラビアの空にいた。
乗客はみな、時速900kmでの移動を気にも留めていない。海は東へ流れ、EK319便は時間を遡る方角に機首を向ける。

木曜日

第2ターミナルの3階、チェックインカウンターがずらりと並ぶ。中東を代表するエアラインはそのど真ん中、余裕の笑みで僕を迎え入れる。砂漠をイメージしたベージュのジャケットと真っ赤な帽子、白いベールが持つインパクトは他のどの航空会社の制服にも負けない。黒い

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真実はいつも一つ!

真実はいつも一つ!

ついに江戸川コナンが100億の男になろうとしている。

今までの私なら「おれは昔からのファンなんだ!最近の映画は面白くないし、安室さん目当てのキャピキャピした女の子たちなんて!ふんっ」と斜に構えていただろう。
だがしかし、私はもう大人になった。老若男女古今東西みんなにコナンの魅力を知ってほしい。

ということで、カトウプレゼンツ「劇場版名探偵コナン超個人的おすすめランキング」をここに発表いたします

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左京区民への道

左京区民への道

2024.7.15追記
新幹線の窓から鴨川を見ると結構本気で帰ってきたと安心するので、もう心は左京区民。

七条大橋
京都国立博物館で「茶器」展とかを見て、庭をちょろっと歩いて、それからマクドナルドでシェイクを飲んで、京都タワーを眺めに行く。

正面橋
正面って何に対して?と考えながら角の和菓子屋さんで抹茶の饅頭を買って、食べながら歩きよったらその由来のお寺の跡にたどり着く。

五条大橋
京の五条

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喫茶銭湯メモワール

喫茶銭湯メモワール

古事記によると、四国というのは本州よりも先に誕生したとされている。
神話というのは"信じる"とか"信じない"とかではなくて、遠い昔から物語がきちんと受け継がれてきたという真実を、誇らしく感じるためにあるのだと思う。

「伊予の国を愛比売といひ」
明治に入って、日本で唯一古事記から名前をもらったのが愛媛県である。

愛媛県は松山というところで、私は大学の4年間を過ごした。
心地よい風のふく街だった。

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走れアキラ

走れアキラ

アキラは激怒した。必ず、かの疫病なんかに負けず、試合に出場しなければならぬと決意した。アキラには大人の世界というものがわからぬ。外でプレーをするスポーツに、何の危険性があろうか。けれども部活動というものは、大学のルールを守らなくてはならない。当たり前である。

アキラは去った。他にやりたいことも見つかった。私のことを良く思わない人間も少なからずいたであろう。3年生の夏であった。

アキラは4年生に

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2日目のカレー

2日目のカレー

夕暮れ、11月の6時はもう暗い。
それでも地球は丸いから、空はもう少しだけ明るい。沈んでいく太陽が、遥か上空を飛行する鉄の塊だけを照らす。暗い下界から、光る”昔の夢”を見るのが大好きなんだ。

帰り道では、焼き魚の匂いがする。日本の家庭の匂い、子供の頃の記憶の匂い。もう少し寒くなったら、灯油の匂いなんかが漂ってくるんだろう。あの匂いも好きなんだよ。

炊飯器を開ける瞬間、中から溢れ出る湯気に顔をう

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「僕の京都案内。」〜おれもPOPEYEにあやかってみる〜

「僕の京都案内。」〜おれもPOPEYEにあやかってみる〜

いつになっても左京区民になれそうにないので、もういっそのこと他の地域のことも好きになってしまおうと思う。そうすれば左京区も嫉妬して、僕の方を振り向いてくれるかもしれない。

大成氏は生粋の"のんべえ"で、酔うとすぐに踊り出してしまう愉快な人なので、これを読めば間違いなく、あなたも京都をフワフワと歩くことができる。
魅惑のシティを紹介するのが23人から24人になっても、みんなお酒案内を読んで踊ってい

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檻の中から空を塗る、よりも

檻の中から空を塗る、よりも

山鉾巡行は今年も凄まじい盛り上がりを見せた。見物客で京がはち切れるかと思ったほどだ。毎年の群集で四条通そのものが広がっているのではなかろうか。このまま放っておいたらそのうち建物が立って、新たな道が誕生するやもしれぬ。その通りの名は一般募集で決められ、例えば「あんこ通」なんて甘ったるい名前が付いてみなさい。時すでに遅し。古都は甘味処に支配されてしまう。

まあ年中清流を飲んで暮らす私の知ったことでは

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じいちゃんのはなし

じいちゃんのはなし

「じいちゃんは思い出しとおないけえ、あきらくんたちだけで資料館行ってきんさい」

話をちゃんと聞いたのは小学生の時の1回だけ。あの朝、6歳のじいちゃんは己斐(今の西広島)におる叔父さんのところへ。
そしてピカドン。
あたり一面に人が倒れとる。焼け焦げとったり、腕とか足がもげとったりするけど、多分人。垂れ落ちた目玉を手で受け止める人、泣かんくなった赤ちゃんを抱えて叫ぶ人。地獄。

「ばあちゃんにも話

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サマーカンバス

サマーカンバス

納涼床がオレンジ色に灯る。鴨川と空の白さは物語の終わりを告げるようで、ぼくらに向かって「青いですねえ」なんて笑っているようにも見える。これから最後のカット。夏というのはこんなにも、一瞬で過ぎ去っていくものであっただろうか。

302のCに移った。
「外が見えた方がいいでしょ」
ルミさんにそう言われて。彼女は今日もワンピースをふりふりさせている。最近入れたインナーカラーが気に入ったみたいで、心なしか

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先取り

先取り

冬の朝の、家庭の匂いがしました。

大好きな匂いです。

あれは何の匂いなんだろう。

言葉にできないので、

「あ!わかる~」

なんて人はいないでしょう?

それでもいいのです。

私だけ冬を先取りした感じがして、

少し嬉しいです。