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「僕の京都案内。」〜おれもPOPEYEにあやかってみる〜

いつになっても左京区民になれそうにないので、もういっそのこと他の地域のことも好きになってしまおうと思う。そうすれば左京区も嫉妬して、僕の方を振り向いてくれるかもしれない。

大成氏は生粋の"のんべえ"で、酔うとすぐに踊り出してしまう愉快な人なので、これを読めば間違いなく、あなたも京都をフワフワと歩くことができる。
魅惑のシティを紹介するのが23人から24人になっても、みんなお酒案内を読んで踊っているから、気が付かないだろうとたかをくくる。

踊り疲れてぐっすり眠ると、朝の目覚めも気持ちがいい。気持ちがいいついでに今日は銭湯から始めよう。京都駅から河原町通りを北上し、六条辺りを高瀬川に向かって歩くとそれは見えてくる。提灯の横に存在感溢れる「サウナの梅湯」の文字。夜はこれが赤黄緑の3色に輝く。土日は6時から開いているから、なんなら夜通し踊ってそのまま行くのも良し。ただし、酔っ払って湯船に浸かるのは危ないから、気をつけよう。入浴料は490円。

朝ごはんは出汁巻玉子で決まり。寺町通から錦市場に入る。分け行っても分け行っても観光客だけど、3つ目の角まで頑張ろう。ここで「田中鶏卵」の京だし巻き(¥400)と「三木鶏卵」のだし巻小(¥360)を食べ比べする。どちらが美味しいかなんて考えるのは良くない。どちらを食べても幸せになれるんだもの。

空腹が黄色で満たされたら、レコードを物色しに行くなんてのはどうだろう。京都市役所のすぐ隣には「100000t アローントコ」がある。水色のキャップがおしゃれな店主さんに店名の由来を聞くと、面白いお話を聞くことができる。少しだけネタバレをすると、開店直後、お店の場所を案内するのに近くにあった有名な洋食屋さんを使っていたらしい。
「アローンのところです」

「五色豆元祖 船はしや総本店」では、店番猫のシロちゃんとぴーちゃんが出迎えてくれる。京あられ小(¥380)をぼりぼりつまみながら、次の店を目指すことにしよう。

近くにある「民族楽器コイズミ」でチャフチャスをカラカラ鳴らしたら、気分が良くなってまたお風呂に浸かりたくなる。少し遠いけど、お昼からやっている源湯に浸かりたい。途中で御池通りのマルシェノグチに寄って、大きなりんごを買うのも良い。京都の紅くるり大根なんて野菜が置いてあったら、お店を出て少し歩いた後でも、また戻って聞いてみよう。
「京都だから、もしかしてあの"くるり"と関係があるんですか?」

西大路通りの大将軍という厳かな名前の交差点から東に少し入ると、立派な煙突が見える。昔ながらの建物は松で囲まれ、入り口にはポップな文字で「源湯」と書かれた暖簾が垂れ下がっている。ひょいっとくぐると、伸左衛門さんが笑顔で迎えてくれる。彼が番台で「お兄さんタオルは?」と聞いてくれるので、笑顔で「持ってきました」と返事をしよう。大浴場では源湯ジャーナルを隅から隅まで読み込み、お風呂から上がったらくつろぎスペースで休憩だ。ステッカー(¥200)を買って帰ればこの極楽を忘れる事はない。

さて、無理を言うようで申し訳ないが、また鴨川まで戻ってきてほしい。きっと「QUE PASA・ケパサ」のブリトーが君を待っている。ビーンズのブリトーをキングサイズ(¥1300)で買って、鴨川沿いのベンチで食べよう。歩き疲れた体にエネルギーが宿るはず。

暗くなったら、ケパサの近くにある「桜湯」に向かおう。今日3軒目の銭湯だけれど、体はどれだけふやけても破れないから、安心して暖簾をくぐろう。情緒あふれる木製ロッカーに服を脱ぎ散らかして、大浴場の水槽に泳ぐコイたちと語り合えば、怒涛の1日を心置きなく終えることができる。

丸太町大橋を渡って、素敵な姉妹が切り盛りする「HOSTEL NINIROOM」に泊まれば、次の日もきっとパワフルに過ごすことができるはず。

おや、結局左京区にいるじゃないか。

僕の京都案内は、少し移動が大変かもしれない。でも左京区に嫉妬をさせるためにはこれくらいしなければ。もし持っている方がいらっしゃれば、どこでもドアなどを使うことをおすすめする。

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