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エンタープライズSaaSのデザイナーは電気羊の夢を見るか?
2022年6月にMNTSQ(モンテスキュー)株式会社にデザイナーとして入社しました、久保信介と申します。この記事は、いわゆる「入社エントリー」というやつです。
入社エントリーとは、新しい仕事環境へのオンボーディングも進み、なんとかだんだん慣れてきた気がする、同時にまだまだ転職したてのフレッシュな感覚を持ち合わせている、そんな入社して1ヶ月くらいのタイミングでなんか書いとこうぜ! というものです(
本当は怖いBAD UIの話
これは、社内の勉強会にて“BAD UI(バッド・ユーアイ)”について発表したプレゼンテーションの内容を起こしたものです。
世の中にあふれる、なんでか残念なことになってしまっている数々のUIについて触れています。そのUIにいたってしまった事情を知らない立場から無責任に嘲笑ったりするのではなく、裏側の事情を想像したり、なぜそれが“BAD”なのか紐解いてみることで、UIについて考えることを身近に感じて
じぶんのUIデザイン原則
デザイン原則とは最近、多くの企業やプロダクト・サービスが「デザイン原則」を公開するようになってきました。
「自分たちが良いと考えているデザイン」を明文化したものですが、たとえば“Cheerful, Fresh, Speedy”(適当です)のような数個のワードに集約して並べたような、企業やブランドの「理念」や「行動指針」により近いような抽象的なものをよく見かけます。
それだけ“デザイン”が担うも
業務システムのUIの特徴 9 レガシーが継承されやすい
業務システムは“古いつくり”を構造的に継承しやすくなっています。
まず、とくに基幹システムなどは規模が大きく連携するシステムや影響する範囲が広いため、いちどにすべて取り換えたりするのは危険なこともあります。ユーザー企業にとっても、マンパワー的に難しいことも多いでしょう。そのため、全体のロードマップを作ったうえで、部分的に範囲を区切りながらリプレイスを行なっていくことになります。
そして、独自シ
業務システムのUIの特徴 8 繰り返し大量のデータ処理
業務システムにおいて、とくに主要な機能については、日常的に大量のデータを繰り返し扱うことも多いです。
1件ずつ同じ作業を繰り返すのではなく、同等の大量のデータを一括で処理したり、一覧性がある表組(データテーブル)の形式でくらべながら編集をしたりするUIが役立ちます。
新規にレコードを作成するときは、まっさらなブランクの状態からではなく、既存のものから複製してそれを必要に応じて改変する形で作成す
業務システムのUIの特徴 7 タスクベースとオブジェクトベース
タスクベース
業務のタスクをもとに業務システムのUIを設計すると、同じような要素で似たような画面の重複が起こりやすく、ナビゲーションの複雑度が上がります。
例えば、たくさんの画像を取り扱うシステムをタスクベースで作ると、
画像の閲覧
画像の編集
画像の削除
というナビゲーションになり、それぞれの遷移先はいずれにしても画像の一覧画面(コレクションビュー)です。並んだ中から対象の画像を選
業務システムにつよいUIデザインライブラリー
要件定義段階からプロトタイプを活用するアプローチ
私がつとめるアストロラボでは、DX推進支援事業におけるITソリューション開発で、プロジェクトの初期段階である要件定義からデザイナーが参加し、プロトタイプを活用して実際の業務をイメージしながらシステムの仕様を詳細に検討するアプローチをとっています。
従来のSI開発アプローチにおいては、UIデザイナーは、開発フェーズがある程度進んだあとで、ようやく
業務システムのUIの特徴 6 帳票主義と業務フロー
業務システム(日本の場合にとくに顕著であると言われています)の特徴として、帳票主義とでも呼べるようなものがあります。
これは、ちょうどシステムを利用することのゴールがさまざまなオブジェクトを組み合わせた帳票を出力するというタスクの達成になっているという状況です。
かならずしも帳票自体が悪いといわけではないのですが、個々のエンドユーザーにとってはゴールかもしれなくとも、業務全体から見ると帳票は
業務システムのUIの特徴 5 エラーに対する許容度
コンシューマー向けのシステムにおいてもとくに金融系など、決済まわりやKYCのように厳密性が強く求められるものはありますが、一般的にいって業務システムはコンシューマー向けのシステムに比べて、全体的にエラーに対する許容度は低め(エラーの発生について厳しめ)です。
システム内でデータを参照したり連携したりしている範囲にとどまらず、システム外での業務オペレーション自体にも波及すれば、影響範囲や損害の程度
業務システムのUIの特徴 4 利用環境の限定
業務システムでは、ユーザーだけでなく利用環境についても限定できます。
Webベースの場合、デバイスやOS、ブラウザー、ディスプレイサイズ・解像度など、対象利用環境は社内で導入しているものだけになるので、対象外の環境用の対策や検証を省くことができます。
ただし対象環境はデザイン時点でのものだけでなく、システムが利用される期間に実施されるの更新・設備投資の計画も考慮に入れる必要があります。
業務システムのUIの特徴 3 ユーザーの専門性とレベルの限定
UIデザインでは、対象とするユーザーが共通で持っている理解や期待に上手く沿うことで、“わかりやすさ”、“つかいやすさ”を実現できます。
企業内部で特定の目的で使われる業務システムでは、対象とするユーザーを不特定多数一般の場合ほど広くは想定する必要がなく、前提とする共通理解や専門性、リテラシーをある程度限定できます。
ユーザーが“慣れている”ものが“わかりやすい”、“つかいやすい”につながる
業務システムのUIの特徴 2 権限と役割
業務システムにおいて、同一のデータを取り扱う(全体としては)同一の業務でも、ユーザーが役割で分かれていることがよくあります。
たとえば、
起票者
入力担当者(BPOなど外部委託の場合もある)
承認者
管理者
など、それぞれに分化された役割ごとの作業が組み合わさって業務オペレーションが出来上がっているものです。
そしてそれぞれの役割のユーザーで、条件やニーズや異なります。
扱うデータ
業務システムのUIの特徴 1 定型作業の標準化と負担のバランス
業務システムでは似たような定型作業も多いです。
操作手順やシステムのふるまいに一貫性を持たせることで、学習・作業効率を上げやすくなります。
また、複雑性保存の法則というものがあります。
これは「プロセスの単純化には限界があり複雑性は減らせないが移動は可能」ということです。
業務システムのUIにおいては、ユーザーの負担をなるべくシステム側に移したり、段階的にするなどして分散すること、として応用で