業務システムのUIの特徴 7 タスクベースとオブジェクトベース
タスクベース
業務のタスクをもとに業務システムのUIを設計すると、同じような要素で似たような画面の重複が起こりやすく、ナビゲーションの複雑度が上がります。
例えば、たくさんの画像を取り扱うシステムをタスクベースで作ると、
画像の閲覧
画像の編集
画像の削除
というナビゲーションになり、それぞれの遷移先はいずれにしても画像の一覧画面(コレクションビュー)です。並んだ中から対象の画像を選択して、それぞれの作業(閲覧/編集/削除)ができる詳細画面(シングルビュー)に移動します。
業務をよく知らないユーザーにとっては、決められた手順に従って進めていけばよいので、扱いやすいものになります。「業務をよく知らない」というのは初心者や新人という場合だけでなく、アルバイトが次々と入れ替わり利用するような、常に初見のユーザーばかりになる場合や、その業務自体がごく低頻度(年1回だけとか)でのみ実行され、ユーザーに習熟や記憶が定着しないために、利用のたびに使い方を思い出さなければいけないようなケースを指します。
金銭の投入確認、センサーによる検知などといった物理的なトリガーや制約と画面遷移が関係する場合などにも向いています。
オブジェクトベース
業務が根本的に扱うべきオブジェクト(データモデル)を起点に考えると、操作の自由度が上がり、画面数を減らすことができます。
例えば、先ほどと同様にたくさんの画像を取り扱うシステムをオブジェクトベースで作ると、
画像の一覧画面(コレクションビュー)がまずあって、その中から対象としたい画像を選びます。つづいてその画像に対して行いたい操作(閲覧/編集/削除)を選ぶといった流れになります。
業務をよく知っているユーザーにとっては、自分のペースや順序で進めていけるため、操作が早く行えます。頻繁に(毎日とか)利用し、習熟度・慣れの度合いに応じて操作の効率性が変わってくる場合などに有効です。
どちらのUIをどのように使い分けて採用するのかは、生産性に直結する重要な問題であると言えます。
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