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#diary

『私たちは絶対、不幸なんかじゃ無かった』

『私たちは絶対、不幸なんかじゃ無かった』

もう二度と会えるはずはない
そう思っている
いま、あなたがどこで何をして
何を見て生きているか
そもそも、まだこの世界に居てくれているの

この季節が来る度、
必ず一度は、あなたを思い出す
私たちの関係が、築いてきた形が
決定的に壊れた、あの日

あなたもきっと、よく憶えているでしょう
私はずっと、覚えている

あなたは確かに泣いていた

身のうちに荒れ狂う嵐
引き返せない悲しみ

予感していた

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about my mother

about my mother

自分のことを消し去りたい
居なくなりたい
意味なんてないよ
はやく此処から出して
わたしを

いつ望んだろう
こんな狭い器の中に入って
限りある生命を生きるということ

いつからこんな具合に
ちぐはぐな毎日を紡いで
いつだって切れそうなぎりぎりのラインで
呼吸を繋いで

祈るように扉を開ける
嗚呼どうか友達から電話が来て
少しでもご機嫌な様子で居て

私は空気
居なくてもそう変わらない
その辺の石

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こころ

こころ

今日、この日を乗り越えたなら
またあなたに近づける
いま、この瞬間をやり過ごせたなら
それだけまた、あなたに近づける

なるたけ笑顔で
楽しんで
それが扉を開く
魔法の鍵

明日を無事に迎えに行けたなら
またあなたに近づく
未来、拙い一歩でも
明日の私の手を掴めたなら
その分また、あなたに近づく

いつでも笑っていて欲しいよ
泣いたならその分
倖せに成って居て欲しいよ
あなたが居たから辿り着ける

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SATSUKI

SATSUKI



あなたの居なくなった世界
あなた不在のせかい
できた空間
ぽっかり開いた
距離、隙間、溝
世界線

座っていた場所には
あなたの好きだったクッション
眠っていたベッドにはいつまでも
綺麗なままで敷かれっぱなしの
真っ白なシーツ

本当は其処に居るんでしょう
見えないだけよね
視覚に拠った生き方が板についた
私の器官が怠けているせいで
本当はいつだって、
いまだって、ずっと
あなたは其処に居る

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わがまま

わがまま

私のいないところで勝手に
泣いていたりしないでね
私の知らないところで勝手に
堕ちていったりしないでね

私の知らないところで勝手に
私の気持ちを決めたりしないでね
私のいないところで勝手に
私をカテゴライズしてタグ付けして
決めてしまったりしないでね

その可能性があいまいで儚いものだから
繰り返す
「ずっと、ずっと」
あなたは無意識に
魔法をかけるように
繰り返す
ずっと、ずっと

生きるしか

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