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人々がE.H.カー『危機の二十年』を読み直すべき理由:普遍的価値に基づく連帯のもたらすジレンマについて
価値の論理と力の論理
普遍的価値に基づく連帯は、ルールに基づく国際秩序を拡大・維持するために必要不可欠な要素であり、西側諸国を中心とした自由民主主義国が共有するアイデンティティとなっている。このアイデンティティを共有する国家は、基本的人権・法の支配・民主主義・市場経済といった価値規範が他国によって受容することが国際関係の安定につながると考える。したがって、武力による威嚇や侵略、組織的な人権侵害や
ロシアのウクライナ侵攻の地経学的側面:岸田政権の優先課題は改憲でなく原発再稼働だ
はじめに
皆さんお久しぶりです、へどれぃ改めM. M.と申します。2022年2月24日にプーチンがウクライナ東部での「特別な軍事作戦」の実施を発表し、ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから、早くも5カ月が経過しようとしています。国際秩序の根幹を揺るがす出来事となったこの戦争については、一人の国際政治学を専攻する学生として、ときにその凄惨さにメンタルをやられながらそれでも粘り強く情報を収集してきま
言葉を大切に用いるということ
年齢制限をクリアしていれば誰でも利用できるSNSという情報空間の特徴ではありますが、ある用語や概念が悪意のある人間の自己弁護のために恣意的に用いられることで、その用語や概念自体の価値が貶められ、本当にその用語や概念を用いるべき人達が割を食う、といった事態が最近非常に多いように思われます。
「誹謗中傷」という用語が最たる例です。一般に事実と異なる投稿で人を公然と侮辱したり、差別的な言動で人の社
【備忘録】 海警法(Coast Guard Law)のもたらす安全保障上の影響と日本の政策対応について
1月22日中国の全人代常務委員会で可決・成立した海警法が、2月1日に施行されました。
同法は、中国が管轄権を主張する海域において、中国の主権及び海上権益を保護するために、中国海警局に武器の使用(use of force)を含む海上法執行を認める規定(海警法46~50条)が盛り込まれています。中国が管轄権を主張する海域、すなわち九段線(Nine-Dash Line)は、日本が領有する尖閣諸島だけでな
目的と更新頻度について
初めまして。現在私は国際政治学を専攻する日本の学部生です。
研究者を志望しています。学部では紛争分析・平和構築を専攻していますが、大学院では外交史を専攻したいと考えています。思想としては国際関係理論でいうところのリアリズム(厳密には権力政治の原因を人間の性悪的な本質に求めるクラシカル・リアリズム)を重視しています。
Noteを始めた目的は、自分の書きたいことをまとめて執筆する場所が欲しかったか