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映画『チャレンジャーズ』感想、あるいは(脱線回顧録)
いやーこれが現代最先端の性の描き方なのか。爽快感とドロドロの粘り気を同時に味わうような感覚でまあちょっと観たことのない1本でした。先のことなど知るかという終わり方も無茶苦茶で、酷いと言えば酷いよね。あの後どうなるんだろうあの3人。
というわけで作品解説は有識者の人たちにまかせて、勝手な解釈を書こうと思う。特にこのチャレンジャーズというタイトルの意味、当然テニスの「ATPチャレンジャーシリーズ」の名
終始笑い飛ばして読むのが正解なのかしら~書籍『東京都同情塔』感想
ある事象を言語化すると気分が楽になった経験が僕にもある。以前から僕は何か辛い物や熱い物を食べると全身や頭皮に蕁麻疹ほどではない赤い斑点が浮き出てかゆくなり汗をかくということがあり、しかし何も起きない時もあり、何がきっかけで発症するのかわからずにいたのだが、ある人から「それ、寒暖差アレルギーじゃない?」と言われ、そんな名前のアレルギーの存在を初めて知った。その後辛い物や熱い物を食べるときに意識してみ
もっとみる信じて待つ〜映画『パスト ライブス 再会』感想
実に地味で、淡くて、薄口だ。演出はとても抑制されていて、大きな起伏を意図的に避けている。再会のシーンなどもっと過剰に盛り上げることがいくらでもできるがそれをしない。2人の表情と「言葉がない」という言葉が雄弁に語る。24年ぶりに会うのにである。
そしてその再会のあとパスタを食べに行くシーンで非常に印象的だったのは主人公の2人ではなくその夫、アーサーである。個人的にはこのアーサーの振る舞いにこそグッ
今月のコーヒー/EL TRIUNFO
ずっとサブスクで買い続け飲み続けていたのですが、ただ漫然とやり過ごすと忘れてしまうので記録しようと思いたちました。これはコロンビアの豆。南米の豆の方がアフリカのと比べて酸味が少ない気がする
EL TRIUNFO
COLOMBIA
アプリコットやアセロラの果実味、オレンジティーのような華やかさ。
シロッピーな質感と甘み。
Apricot, Barbados cherry, Orange tea,
例えば登校する子どもを朝玄関で見送るとき〜映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』感想
例えば小学校へ登校する子どもを朝玄関で見送るとき、これが今生の別れになるかもしれない、とは考えない。頭をよぎる瞬間は常にあれど、考えないようにして我が子を家から送り出す。いちいち毎朝そこまで敏感になっていられないからだ。
でも、そうなる可能性は0.0数%かもしれないが確実にある。何かひどい犯罪や事故に遭ってもう2度と会えなくなる。その時きっと、あの朝の取るに足らないやり取りが最期になるなんてと後
ドラマ『侵入者たちの晩餐』感想
新年3日に日テレでやっていた脚本バカリズムの2時間ドラマ。
普通番宣のビジュアルに載せるキャッチコピーって内容をギュッと15文字程度にまとめたものになるところを、「バカリズム脚本のサスペンスドラマ。」にしてるところからして制作陣の彼への信頼がすごい。たしか『ブラッシュアップライフ』も「主演、安藤サクラ!脚本、バカリズム!」だったよな。ここさえアピールすればあとは観てくれるというブランディング戦略。
人生という空虚について~映画『ノクターナル・アニマルズ』感想
2016年公開トム・フォード監督長編第2作。
◆我が目を疑う衝撃の映像でオープニング。つかみバッチリ!
◆エイミー・アダムス演じる女性はアートキュレーターなのかな?結構ハイエンドな暮らし。トム・フォードの美意識さくれつ
◆小説の中のドラマにシーンが移るのだが、内容が怖すぎて直視できない
◆いわゆるあおり運転をしてくる若者に絡まれるという、自分の身にも降りかかる可能性がある地獄
◆こういうのが一番