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オフラインへ舵を切れ〜映画『終わらない週末』感想

最近突如Netflixからレコメンドされた本作。
年末だしなんとなく『さらば!2020年(原題:Death to 2020)』みたいなコメディテイストの企画モノかしら~なんて思いつつ、何でこんな超豪華キャスティングなのか、サム・エスメイル監督って誰なのか(不勉強ながら知らず)、前情報一切なしで観たらまぁぶっ飛びましたね。面白かった!
ネタバレ(spoiler)あり感想です。

◆「ご存知の通り今年は最悪だったでしょ」なんてセリフで始まる映画最高すぎない?
◆奇行に近い謎の行動力を見せる妻ジュリアロバーツ
◆そんな事も呑気に許しそうな夫イーサンホーク
◆この予測不能状態は結局ラストまでずっと続きます
◆タイトル。ビル群、飛行機、国旗、銃、株価チャートなどのモチーフ。かっこいいぞ
◆ケンドリックかと思ってたけどJoey Bada$$でした。声似てない?あんまり詳しくなくてすいません
◆縦横無尽、鳥の目線から地下まで動きまくるカメラすごい。90度回転して重力さえも無視
◆オイルタンカー座礁。映画館の大スクリーンで観たかった感じする
◆侵入者登場。G.H.ことマハーシャラアリとその娘。容易に『US』または『パラサイト』を連想させる展開
◆タキシード着てるの怪しい
◆はい銃あった。こいつ怪しい
◆1000ドルもらったからつい気楽にくつろいで…と言ってしまうクレイ憎めないやつ
◆カクテルも飲んじゃう
◆Bikini Kill(笑)
◆パート2「曲線」。文字の出方がこえーよ
◆なんか結構みんな迂闊に外出るなぁ。自分だったら子供から絶対目を離したくないけどな
◆でもいわゆる喚き散らして騒ぐ馬鹿キャラはいないんだよ。そこがいいね
◆飛行機の残骸、空から降る赤い紙。観客だけにはこのへんでようゆくいわゆるインフラのシステム障害を狙ったテロかな?と理解できてくる
◆パート3「騒音」。だからこえーって文字の出方が
◆G.H親子の元を離れる家族。納得。普通そうするよ
◆テスラ!システムと消費社会の象徴!
◆急に弱さを吐露し仲良くなるG.Hとアマンダ。「最初からずっと信用していない」と言ってたところじゃないか。どうした
◆冗談まじりに割と真実に近そうなことを言う。この映画、他にも何気ない会話に大事なことが散りばめられている
◆娘の「ホワイトハウス」で見た神様と溺死した男の話とかぞくぞくする。
◆警告は成されただろ?見てなかったのは誰だ?ということ
◆その警告の最たるものである動物。別に人間の味方でも敵でもどちらでもないのだ
◆紙ストローと無農薬チキンで世界中をごまかし、妄想を押し通す。そういうのが僕らの生きている世界だ
◆用意周到な男ケビン・ベーコン
◆大切なものを守る為に勇気を振り絞ることの崇高さ
◆ここからいわゆるネタばらしシークエンス。立ち昇るキノコ雲。世界はどうなるのか
◆終わり方最高!アイル・ビー・ゼア・フォー・ユー

世界中の人が薄ら感じているすべてにおいて電子化及びデータ化された社会に対する漠然とした不安。その便利さと快適さを都合よく享受しながら同時に批判したりもする狡い私たち。
皆自分たちの世代はなんとか逃げ切りを図りたいと思って暮らしている。
この映画で描かれた結末はエクストリームだけど、似たような事は遅かれ早かれいつかは起こる。
その中でいかに自分だけの幸せを見つけるか。
ソーシャルに拡散しない幸せ。
他の誰かとシェアしない幸せ。
オフラインで獲得できる幸せ。

何も解決しない悲劇性を含め、激動の2023年を締めくくるに相応しい切れ味の快作でした。いやしかし僕らいったいどこまで行っちゃうんだろうな…。

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