![マガジンのカバー画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/18930406/d426ff2a1b5acffe47cd306b9071a61d.png?width=800)
- 運営しているクリエイター
#離婚
もう駆け引きには乗らない。すべてを白日の下に晒す。私のターンが始まった。
エピローグ
子供たちと再び引き離された私は、「この断絶はかならず意味のあるものだ」と決めた。
自分と同じ境遇の人がたくさんいることを知り、多くの当事者と出会った。
出会いは思考を飛躍させる。
私は自分の子供を「奪還」するだけでなく、全員の子供を奪還するほうが、もしかしたら早いのかもしれないと考えるようになり、具体的にその方法を探りはじめた。
まずは自分の体験を、ツィッターに綴ることか
連れ去り児の悲劇、元凶はラチベンだ。拉致で儲ける弁護士を絶対に許さない。
■46
奪還父さんたちを「ブライアン」と呼ぶ由来は映画「九六時間」にある。主人公のブライアン・ミルズは、CIAの元工作員。
離婚してから離れて暮らしている最愛の娘を誘拐され、正体不明のマフィアにありとあらゆる手を尽くして肉迫し、奪還を成し遂げる不屈の男だ。
娘への手がかりを持っていると判断すれば、一瞬のためらいもなく銃をつきつける。「エッフェル塔を爆破することもいとわない」と言い放ち、実行す
怒りは「使命」に変えなければ、ただの「怨み」となり自分を不幸にする。
■45
あなたを幸せから遠ざける声は、今では誰がささやかなくとも、あなたの脳内にアナウンスされている。自分が気に入らないもの、非効率なものを排除する「離婚脳」は、あなたを一歩ずつ不幸にしていく。
あの両親すら、もはやあなたの敵ではない。年老いて、力がなくなった今では、あなたに遠回しに許しを請いながら、弱者にイライラをぶつける習い性を変えられずに苦しんでいる哀れな存在だ。
あなたの積年の思いを
「あなたが子育てを失敗したから、不幸になった」目の前で、元妻は私の母を罵倒した。
■42
自分が主張していることの矛盾や、傷ついている人の気持ちに気付かないでいられるというのは、もはや特殊能力だ。
拉致妻は特殊能力者で凶悪な犯罪に手を染めているのだが、それにあらがう取り組みは、みっともない夫婦喧嘩にしか見えない。
頑張って戦っていても、立ち向かうことに誇りを持てる相手ではないから、こちらは異様に疲れてしまう。
状況は極めて不利にできている。世間は、女性は全員か弱いものだ
あなたは可哀想だ。もっと幸せになる権利がある。今日もラチベンが、不満妻の手引きをする。
■41
新しく恋人ができた。彼は夫とちがって、わたしを愛してくれる。子供に暴力をふるうことはあるけれど、しかたがない。だって、この子は前の夫に似ているから。多少荒っぽくても、しっかり教育してくれる方がいい。
そう、逆に子供のことを思うからこそ、厳しくできるんだ。だいたい前の夫が子供を甘やかしすぎたから、こうなったのだ。
わたしは前の夫に騙されたんだ。
あの人は口だけで、わたしを幸せにしてく
「孫が連れ去られ、息子が自殺した」残された老母は、まだ戦い続けている。
■39
まっとうには食っていかれない弁護士が他人の不幸を食い物に、大手経営コンサル企業のプロデュースでそのようなセミナーを行い、ドヤ顔で離婚で儲ける方法を語っている。
子供拉致・片親疎外が正当なビジネス然として扱われているのが、この国の現実である。
諸外国から批判を浴びているものの、当の国民たち本人が、そのことに無自覚。自覚したときには、もう遅い。拉致被害者の仲間入りを果たしたあとだ。
いっ
子供との再会は果たしたが、今も私は元妻の掌で踊らされている道化師に過ぎない。
■31
息子との再会を果たした日のことが、頭をよぎった。元妻の実家の玄関での攻防、そのやりとりがフラッシュバックする。
「子供たちのことより、おまえと話がしたい」。そう言う私に「何の話をするの?」と返す元妻。
「おまえに謝りたいんや」
「もう謝ってもらったよ。ほかに話が無いなら、お引き取りください」
あのときの「ほかの話」というのは、「このこと」だったのだ。一気につながった。