マガジンのカバー画像

〈実録〉奪還父さんブライアン ―片親疎外・子供拉致と戦う話

55
帰宅すると家の中がやけにがらんとしている。妻と子供たちの姿が見当たらない。家財道具が無くなっている。 警察に捜索願を出しに行くと「ご家族は無事ですが、あなたには行方を伝えられませ…
運営しているクリエイター

#離婚

30秒で分かる子供の連れ去り問題

30秒で分かる子供の連れ去り問題

深刻な問題こそ、分かりやすく、面白く語られなくてはならない。

ある日、母親(ないし父親)に連れ去られて、父親(ないし母親)に会わせてもらえない子供が年間60万人いると言うと、みんな「嘘でしょ。だったら何でもっと大問題になってないの?」と言うが、なっている。

小難しい講話ではなく、長谷川京子が歯切れ良い好演で語る。
動画は4分半あるけど、30秒で大切なことは全て理解できるだろう。

30秒で

もっとみる
もう駆け引きには乗らない。すべてを白日の下に晒す。私のターンが始まった。

もう駆け引きには乗らない。すべてを白日の下に晒す。私のターンが始まった。

エピローグ

 子供たちと再び引き離された私は、「この断絶はかならず意味のあるものだ」と決めた。
 自分と同じ境遇の人がたくさんいることを知り、多くの当事者と出会った。
 出会いは思考を飛躍させる。
 私は自分の子供を「奪還」するだけでなく、全員の子供を奪還するほうが、もしかしたら早いのかもしれないと考えるようになり、具体的にその方法を探りはじめた。

 まずは自分の体験を、ツィッターに綴ることか

もっとみる
連れ去り児の悲劇、元凶はラチベンだ。拉致で儲ける弁護士を絶対に許さない。

連れ去り児の悲劇、元凶はラチベンだ。拉致で儲ける弁護士を絶対に許さない。

■46
 奪還父さんたちを「ブライアン」と呼ぶ由来は映画「九六時間」にある。主人公のブライアン・ミルズは、CIAの元工作員。
 離婚してから離れて暮らしている最愛の娘を誘拐され、正体不明のマフィアにありとあらゆる手を尽くして肉迫し、奪還を成し遂げる不屈の男だ。
 娘への手がかりを持っていると判断すれば、一瞬のためらいもなく銃をつきつける。「エッフェル塔を爆破することもいとわない」と言い放ち、実行す

もっとみる

怒りは「使命」に変えなければ、ただの「怨み」となり自分を不幸にする。

■45
 あなたを幸せから遠ざける声は、今では誰がささやかなくとも、あなたの脳内にアナウンスされている。自分が気に入らないもの、非効率なものを排除する「離婚脳」は、あなたを一歩ずつ不幸にしていく。
 あの両親すら、もはやあなたの敵ではない。年老いて、力がなくなった今では、あなたに遠回しに許しを請いながら、弱者にイライラをぶつける習い性を変えられずに苦しんでいる哀れな存在だ。
 あなたの積年の思いを

もっとみる
元妻は、女権業者に洗脳され、いくつもの家庭を離婚に導いた。

元妻は、女権業者に洗脳され、いくつもの家庭を離婚に導いた。

■44
 あなたの敵は、あなたを幸せから遠ざける声だ。そして都合の悪いことから目を背け、自分に都合の良い解釈だけをする、あなた自身の思考だよ。

 女権業者は、甘い誘惑を仕掛けてくる。
 ・・・・・・あなたはもう我慢しなくていい。ツラかったよね、もう大丈夫。
 あなたはそのままで素晴らしい。思うように生きていいんだよ。貴重な人生の時間を不当に奪われているよね。そんなの、おかしいよ。
 あなたの夫は

もっとみる
「あなたが子育てを失敗したから、不幸になった」目の前で、元妻は私の母を罵倒した。

「あなたが子育てを失敗したから、不幸になった」目の前で、元妻は私の母を罵倒した。

■42
 自分が主張していることの矛盾や、傷ついている人の気持ちに気付かないでいられるというのは、もはや特殊能力だ。
 拉致妻は特殊能力者で凶悪な犯罪に手を染めているのだが、それにあらがう取り組みは、みっともない夫婦喧嘩にしか見えない。
 頑張って戦っていても、立ち向かうことに誇りを持てる相手ではないから、こちらは異様に疲れてしまう。
 状況は極めて不利にできている。世間は、女性は全員か弱いものだ

もっとみる
あなたは可哀想だ。もっと幸せになる権利がある。今日もラチベンが、不満妻の手引きをする。

あなたは可哀想だ。もっと幸せになる権利がある。今日もラチベンが、不満妻の手引きをする。

■41
 新しく恋人ができた。彼は夫とちがって、わたしを愛してくれる。子供に暴力をふるうことはあるけれど、しかたがない。だって、この子は前の夫に似ているから。多少荒っぽくても、しっかり教育してくれる方がいい。
 そう、逆に子供のことを思うからこそ、厳しくできるんだ。だいたい前の夫が子供を甘やかしすぎたから、こうなったのだ。
 わたしは前の夫に騙されたんだ。
 あの人は口だけで、わたしを幸せにしてく

もっとみる
「孫が連れ去られ、息子が自殺した」残された老母は、まだ戦い続けている。

「孫が連れ去られ、息子が自殺した」残された老母は、まだ戦い続けている。

■39
 まっとうには食っていかれない弁護士が他人の不幸を食い物に、大手経営コンサル企業のプロデュースでそのようなセミナーを行い、ドヤ顔で離婚で儲ける方法を語っている。
子供拉致・片親疎外が正当なビジネス然として扱われているのが、この国の現実である。
 諸外国から批判を浴びているものの、当の国民たち本人が、そのことに無自覚。自覚したときには、もう遅い。拉致被害者の仲間入りを果たしたあとだ。
 いっ

もっとみる
再びの断絶。しかし打つ手は無限にある。子供たちとの絆が、私を絶望させなかった。

再びの断絶。しかし打つ手は無限にある。子供たちとの絆が、私を絶望させなかった。

■38
 子供たちと再び引き離され、半年が過ぎた。つらい日々が、またやってきた。
ただ今回は、完全に元気を失っていない。そしておとなしく黙ってもいない。後述するが、「打つ手は無限にある」と、もう知っている。

もっとみる
司法の土俵から降りても、悪魔の手法は死んでいない。

司法の土俵から降りても、悪魔の手法は死んでいない。

■35
 言葉を選びながら言う。
「大丈夫。彼女は俺の『立場』も『状況』も理解してくれてる。お金を送っていることについても、額面まで伝えてある。おまえへの送金は確保するから安心してくれ。あと彼女がなんと言おうと、俺は子供らには会いに行く。もし彼女が子供との面会に反対したら、別れる覚悟や」
「……わかった。じゃあね」電話は一方的に切られた。

もっとみる
私と娘がバースデーケーキを選んでいる隙に、元妻は私のスマホを盗み見していた。

私と娘がバースデーケーキを選んでいる隙に、元妻は私のスマホを盗み見していた。

■34
話は、こうだ。
息子にゲームで遊ばせるため、私はスマホを車内に置いたままケーキ屋へ行った。
そのさい私のスマホに、メッセージが入った。ポップアップ通知に女性の名前を見とがめた元妻は、息子からスマホを取り上げた。

もっとみる
電話の声は、硬く、尖っている。元妻の駆け引きが、また始まった。

電話の声は、硬く、尖っている。元妻の駆け引きが、また始まった。

■33
 子供たちと交流できた二年半は、かけがえのない時間だった。
毎回、元妻には振りまわされたが、それを差し引いても素晴らしい時間だった。
娘は小学二年生から、五年生になった。不得意だった科目に一所懸命とりくむ姿を真横で見られ、私も鼓舞された。会うたびに背が伸びていて、成長の速度に目を細めた。
乳幼児だった息子には自我が芽生え、親子の会話、そして男同士の話ができるようになった。半日だけ一緒に電車

もっとみる

元妻の私への扱いは、どんどん粗くなっていった。哀しいかな「予想通り」である。

■32
「経過をみながら復縁を考えたい」と言ったのは、完全にその場逃れの方便というわけではなかった。
にわかに甲斐甲斐しくなった元妻を前にするうちに、「もしかしたら良い関係がつくれるのではないか」との淡い期待も芽生えていたことも事実だ。だが、それは長くは続かなかった。

もっとみる
子供との再会は果たしたが、今も私は元妻の掌で踊らされている道化師に過ぎない。

子供との再会は果たしたが、今も私は元妻の掌で踊らされている道化師に過ぎない。

■31
 息子との再会を果たした日のことが、頭をよぎった。元妻の実家の玄関での攻防、そのやりとりがフラッシュバックする。
 「子供たちのことより、おまえと話がしたい」。そう言う私に「何の話をするの?」と返す元妻。
「おまえに謝りたいんや」
「もう謝ってもらったよ。ほかに話が無いなら、お引き取りください」
 あのときの「ほかの話」というのは、「このこと」だったのだ。一気につながった。

もっとみる