ミチホ

本と散歩が好きです。

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記事一覧

坂口恭平日記展@熊本市現代美術館 

2023/02/16 日記の続き 真宗寺で石牟礼道子のお墓に手を合わせたあと、市電に乗って熊本市現代美術館へ。 美術館がある通町筋に近づくと、「坂口恭平日記」と書かれた大…

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1年前
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藤原新也に会った話

去年、北九州市立美術館分館・文学館で開催された 藤原新也の展覧会「祈り The Eyes the Prayer」へ行った。 この展覧会では、藤原新也の初期作から最新作までが一堂に展…

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1年前
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道子さんと京二さん

2023/02/16日記 去年から石牟礼道子の本を読み始めた。 そして、熊本へ帰ったら行きたい場所ができた。 真宗寺。道子さんが眠る場所。 私は昔このお寺の近くに住んでい…

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1年前
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野鳥観察:鴨 

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1年前
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書を捨てよ、木を見よう、書を拾おう

最近、また本が読めるようになってきた。 図書館に通っては、読みたかった本をたくさん借りて、読んで、返して、また借りる。 この幸福な時期を逃すわけにはいかない。 本…

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1年前
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Practice for a Revolution(革命の練習)/坂口恭平

『Practice for a Revolution 』(革命の練習) 坂口恭平が本気で新政府計画を企んでいた時代のアルバム。 2011年の3月、私は高校生で、Twitterを始めた。 その頃、坂口恭…

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『評伝 石牟礼道子 渚に立つひと』『魂の邂逅』/米本浩ニ

『評伝 石牟礼道子 渚に立つひと』 『魂の邂逅』/米本浩ニ 石牟礼道子と、彼女を支えた盟友・渡辺京二の歴史 2人の生き様はもちろん、その関係性が面白い。 渡辺京二が…

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石牟礼道子『苦海浄土 わが水俣病』

『苦海浄土 わが水俣病』第一部/石牟礼道子 この作品は聞き書きや、純粋なルポルタージュではない。 本人によると「誰よりも自分自身に語り聞かせる、浄瑠璃のごときもの…

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1年前
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『死の棘』島尾敏雄 

とある夫婦の壮絶な修羅場の物語。 ひたすら繰り返される問答と、出口のない地獄。 なのに滑稽。 何度読み返してもおかしくて、  おんなじところで笑ってしまう。

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京都駅 奈良線10番ホーム

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10年前
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芝生線路

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10年前
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くるり三昧の幸せな3日間(精華大、立命深草、誓願寺)だった。そして色々考える3日間だった。自分はなにをやるべきか、なにができるんだろう。まだわからない。だけど、あたりまえのことを輝かせる方法がこの3日間でちょっぴり掴めた気がする。

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10年前
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坂口恭平日記展@熊本市現代美術館 

坂口恭平日記展@熊本市現代美術館 

2023/02/16 日記の続き

真宗寺で石牟礼道子のお墓に手を合わせたあと、市電に乗って熊本市現代美術館へ。

美術館がある通町筋に近づくと、「坂口恭平日記」と書かれた大きな横断幕が見えた。熊本の街中に掲げられた彼の名前を見て、なんだか自分まで誇らしい気持ちになった。

会場にはパステル画が700点も展示されている。
そのうち200点はすでに持ち主がいて、この個展のために全国から集まってきた。

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藤原新也に会った話

藤原新也に会った話

去年、北九州市立美術館分館・文学館で開催された
藤原新也の展覧会「祈り The Eyes the Prayer」へ行った。

この展覧会では、藤原新也の初期作から最新作までが一堂に展示されている。
写真、言葉、書、絵 そのどれもが力強く、ひたすら圧倒された。

写真集で見たことのある写真でも、大きく引き伸ばされるとさらに輝きを持つ。
作品のもつ威力を改めて感じた展示だった。

あの有名な、犬が人の

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道子さんと京二さん

道子さんと京二さん

2023/02/16日記

去年から石牟礼道子の本を読み始めた。
そして、熊本へ帰ったら行きたい場所ができた。

真宗寺。道子さんが眠る場所。

私は昔このお寺の近くに住んでいたが、その頃はまだ中学生で、石牟礼道子を知らなかった。
「もっと早く知っていれば」
道子さんのことを知っていくうちに、何度も思うことがあった。

そして去年の年末、
道子さんの盟友である思想史家の渡辺京二さんが92歳で亡くな

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書を捨てよ、木を見よう、書を拾おう

書を捨てよ、木を見よう、書を拾おう

最近、また本が読めるようになってきた。
図書館に通っては、読みたかった本をたくさん借りて、読んで、返して、また借りる。
この幸福な時期を逃すわけにはいかない。

本が読めない時期は、一行も読めない。
文章が意味のないカタマリに思えてくる。
文字と文字の間の、ほんのわずかな距離さえ遠く思えて、眼球が動いていかず、固まる。

長編小説なんてもう一生読めないのではと本気で絶望する。では軽めのエッセイでも

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Practice for a Revolution(革命の練習)/坂口恭平

Practice for a Revolution(革命の練習)/坂口恭平

『Practice for a Revolution 』(革命の練習)

坂口恭平が本気で新政府計画を企んでいた時代のアルバム。

2011年の3月、私は高校生で、Twitterを始めた。
その頃、坂口恭平は自らを「新政府初代内閣総理大臣」と名乗り、Twitterでめちゃくちゃなことを呟いていた。やばいひとだ…と思いつつ、同じ熊本に住んでいたこともあって、ずっと気になる存在だった。

このアルバム

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『評伝 石牟礼道子 渚に立つひと』『魂の邂逅』/米本浩ニ

『評伝 石牟礼道子 渚に立つひと』『魂の邂逅』/米本浩ニ

『評伝 石牟礼道子 渚に立つひと』
『魂の邂逅』/米本浩ニ
石牟礼道子と、彼女を支えた盟友・渡辺京二の歴史

2人の生き様はもちろん、その関係性が面白い。
渡辺京二が書いた追悼文にすべてが詰まっていると思う。

この「カワイソウニ」を、瀬戸内寂聴は「男が女にほれた表現です」と断言しているのも、またすごい。

読んでいると、熊本の馴染みのある地名や、大好きな喫茶店・アローが出てきたりして、妙な親近感

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石牟礼道子『苦海浄土 わが水俣病』

石牟礼道子『苦海浄土 わが水俣病』

『苦海浄土 わが水俣病』第一部/石牟礼道子

この作品は聞き書きや、純粋なルポルタージュではない。
本人によると「誰よりも自分自身に語り聞かせる、浄瑠璃のごときもの」であるらしい。

水俣病患者、その家族の声が、石牟礼道子を通して文字となり、どんどん浮かび上がる。

豊かな不知火海が、死の海へと変わっていく。ただ「日常を取り戻したい」と願う被害者の悲痛な叫びに、涙が止まらなかった。
水俣の人々が語

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『死の棘』島尾敏雄 

『死の棘』島尾敏雄 

とある夫婦の壮絶な修羅場の物語。

ひたすら繰り返される問答と、出口のない地獄。

なのに滑稽。

何度読み返してもおかしくて、 
おんなじところで笑ってしまう。

くるり三昧の幸せな3日間(精華大、立命深草、誓願寺)だった。そして色々考える3日間だった。自分はなにをやるべきか、なにができるんだろう。まだわからない。だけど、あたりまえのことを輝かせる方法がこの3日間でちょっぴり掴めた気がする。