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Practice for a Revolution(革命の練習)/坂口恭平

『Practice for a Revolution 』(革命の練習)

坂口恭平が本気で新政府計画を企んでいた時代のアルバム。

2011年の3月、私は高校生で、Twitterを始めた。
その頃、坂口恭平は自らを「新政府初代内閣総理大臣」と名乗り、Twitterでめちゃくちゃなことを呟いていた。やばいひとだ…と思いつつ、同じ熊本に住んでいたこともあって、ずっと気になる存在だった。

このアルバムは、地元の大好きな本屋・長崎書店で見つけて買った。
大杉栄がパリのラ・サンテ監獄から娘へ捧げた詩に曲をつけた「魔子よ魔子よ」を聴いた時、なぜか泣きそうになった。
ブルーハーツのカバーも最高。スワヒリ語の民謡も謎の中毒性があって意味がわからないけどつい「オモレダラ」って口ずさんでる。
電気グルーヴ、MINT、S.L.A.C.Kもこのアルバムで知った。
ラストは熊本民謡「牛深ハイヤ」
踊りたくなる高揚感で締めくくられる。

アルバムの大半はカバーなのに、すべて自分の歌にしてしまうところが凄い。
声とギターだけで、なんでこんなにも心に響くのだろうと思ったが、ライナーノーツを読んで納得した。
そこには、昔、路上で歌って稼いでいたことが書かれていた。
「僕は歌があるかぎり死なない。歌を歌いさえすれば、ずっと生き抜くことができる」
その強い確信が声になって響くのだと思った。

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