ミチホ

本と散歩が好きです。

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最近の記事

坂口恭平日記展@熊本市現代美術館 

2023/02/16 日記の続き 真宗寺で石牟礼道子のお墓に手を合わせたあと、市電に乗って熊本市現代美術館へ。 美術館がある通町筋に近づくと、「坂口恭平日記」と書かれた大きな横断幕が見えた。熊本の街中に掲げられた彼の名前を見て、なんだか自分まで誇らしい気持ちになった。 会場にはパステル画が700点も展示されている。 そのうち200点はすでに持ち主がいて、この個展のために全国から集まってきた。 たくさんのパステル画を眺めていると、意識がぼーっとなる。 海と川と空を、自由

    • 藤原新也に会った話

      去年、北九州市立美術館分館・文学館で開催された 藤原新也の展覧会「祈り The Eyes the Prayer」へ行った。 この展覧会では、藤原新也の初期作から最新作までが一堂に展示されている。 写真、言葉、書、絵 そのどれもが力強く、ひたすら圧倒された。 写真集で見たことのある写真でも、大きく引き伸ばされるとさらに輝きを持つ。 作品のもつ威力を改めて感じた展示だった。 あの有名な、犬が人の死体を食べる写真もあった。 「ニンゲンは犬に食われるほど自由だ」という衝撃的な言

      • 道子さんと京二さん

        2023/02/16日記 去年から石牟礼道子の本を読み始めた。 そして、熊本へ帰ったら行きたい場所ができた。 真宗寺。道子さんが眠る場所。 私は昔このお寺の近くに住んでいたが、その頃はまだ中学生で、石牟礼道子を知らなかった。 「もっと早く知っていれば」 道子さんのことを知っていくうちに、何度も思うことがあった。 そして去年の年末、 道子さんの盟友である思想史家の渡辺京二さんが92歳で亡くなった。 葬儀は道子さんと同じ真宗寺で行われた。 私の中で、「早く真宗寺に行かなけ

        • 野鳥観察:鴨 

        坂口恭平日記展@熊本市現代美術館 

          書を捨てよ、木を見よう、書を拾おう

          最近、また本が読めるようになってきた。 図書館に通っては、読みたかった本をたくさん借りて、読んで、返して、また借りる。 この幸福な時期を逃すわけにはいかない。 本が読めない時期は、一行も読めない。 文章が意味のないカタマリに思えてくる。 文字と文字の間の、ほんのわずかな距離さえ遠く思えて、眼球が動いていかず、固まる。 長編小説なんてもう一生読めないのではと本気で絶望する。では軽めのエッセイでも読もうかと、食についての短編集を手にとってみるが、もう出だしでつまずいて、肝心の

          書を捨てよ、木を見よう、書を拾おう

          Practice for a Revolution(革命の練習)/坂口恭平

          『Practice for a Revolution 』(革命の練習) 坂口恭平が本気で新政府計画を企んでいた時代のアルバム。 2011年の3月、私は高校生で、Twitterを始めた。 その頃、坂口恭平は自らを「新政府初代内閣総理大臣」と名乗り、Twitterでめちゃくちゃなことを呟いていた。やばいひとだ…と思いつつ、同じ熊本に住んでいたこともあって、ずっと気になる存在だった。 このアルバムは、地元の大好きな本屋・長崎書店で見つけて買った。 大杉栄がパリのラ・サンテ監獄

          Practice for a Revolution(革命の練習)/坂口恭平

          『評伝 石牟礼道子 渚に立つひと』『魂の邂逅』/米本浩ニ

          『評伝 石牟礼道子 渚に立つひと』 『魂の邂逅』/米本浩ニ 石牟礼道子と、彼女を支えた盟友・渡辺京二の歴史 2人の生き様はもちろん、その関係性が面白い。 渡辺京二が書いた追悼文にすべてが詰まっていると思う。 この「カワイソウニ」を、瀬戸内寂聴は「男が女にほれた表現です」と断言しているのも、またすごい。 読んでいると、熊本の馴染みのある地名や、大好きな喫茶店・アローが出てきたりして、妙な親近感が湧く。 詳しく調べてみたら、石牟礼道子が晩年暮らしていた場所と、私が以前暮らし

          『評伝 石牟礼道子 渚に立つひと』『魂の邂逅』/米本浩ニ

          石牟礼道子『苦海浄土 わが水俣病』

          『苦海浄土 わが水俣病』第一部/石牟礼道子 この作品は聞き書きや、純粋なルポルタージュではない。 本人によると「誰よりも自分自身に語り聞かせる、浄瑠璃のごときもの」であるらしい。 水俣病患者、その家族の声が、石牟礼道子を通して文字となり、どんどん浮かび上がる。 豊かな不知火海が、死の海へと変わっていく。ただ「日常を取り戻したい」と願う被害者の悲痛な叫びに、涙が止まらなかった。 水俣の人々が語る熊本弁は温かくて悲しくて、読み終えた今も耳にこびりついて離れない。 渡辺京二

          石牟礼道子『苦海浄土 わが水俣病』

          『死の棘』島尾敏雄 

          とある夫婦の壮絶な修羅場の物語。 ひたすら繰り返される問答と、出口のない地獄。 なのに滑稽。 何度読み返してもおかしくて、  おんなじところで笑ってしまう。

          『死の棘』島尾敏雄 

          京都駅 奈良線10番ホーム

          京都駅 奈良線10番ホーム

          芝生線路

          芝生線路

          くるり三昧の幸せな3日間(精華大、立命深草、誓願寺)だった。そして色々考える3日間だった。自分はなにをやるべきか、なにができるんだろう。まだわからない。だけど、あたりまえのことを輝かせる方法がこの3日間でちょっぴり掴めた気がする。

          くるり三昧の幸せな3日間(精華大、立命深草、誓願寺)だった。そして色々考える3日間だった。自分はなにをやるべきか、なにができるんだろう。まだわからない。だけど、あたりまえのことを輝かせる方法がこの3日間でちょっぴり掴めた気がする。