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【傑作!独身者は迫害!45日間の奇妙で異常な婚活軟禁パーティーがヤバい!結婚できなかったらもっとヤバいことに……】ロブスター

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童話(神話)のように描かれる「愛」のおはなし。

「結婚」が善とされ、「独身」が悪とされる世界。独身者はホテルに軟禁され、45日以内にホテル内でパートナーを見つけられないと、自分が選んだ動物に変えられ、森に放たれてしまう。ホテル内での奇妙なセミナー的な婚活生活は毎日続く。

「真実の愛」と「偽りの愛」……偽りの愛は、やがて暴かれる。

逃げ出した独身者は近くの森に潜み暮らす。ホテルの住人は森に狩りに出されては、その反逆者たちをハントする。ハントできた者はホテルの滞在時間が延びるシステムだ。

焦り急ぐ時には「愛」は見つからず、「愛」を諦めた時に、その「愛」は自然と現れたり……しかし、森での生活では「愛」は御法度だった。

全ての「愛」と「運命」にすれ違い続ける主人公が最後に選んだ決断とは……


ヨルゴスランティモス監督の映画は常に想像を斜め上に超えてくる。あらすじを読み、なんとなく内容を想像しても、その己の想像力の浅はかさにうんざりさせられる。

それにしてもコリンファレルは素晴らしい俳優になったものだ。上から目線で言ってしまって申し訳ないが、出始めの頃が偽ブラッドピットのような可もなく不可もない俳優の印象だった。そんなコリンファレルは、二枚目路線を捨て、本作でも完全なただの凡人のおじさんを演じている。凡人を演じれる俳優こそ、本物の俳優だ。腹の出方までも完璧な役作りと言える。コリンファレルは、ヨルゴスランティモスの次作の「聖なる鹿殺し」でも見事なまでの好演を見せている。そして、「聖なる鹿殺し」もこれまた素晴らしく恐ろしい映画なので、是非観て欲しい。

ヨルゴスランティモス監督の作品は、全ての監督の意図を汲み取るには、もう少し考察する時間が必要だ。ボクはそれら全てを汲むことも、説明することも自信はない。そして、そんな説明は映画の楽しみを半減させてしまうことを言い訳に、今は筆を置くことにする。

ヨルゴスランティモス監督作品にハズレなし。これだけは自信を持って言っておくべきことだ。

ハードルを上げると楽しさが半減する?大丈夫。映画の好き嫌いはあなた次第だが、例えそのハードルを超えてこなくても、想像通りにはいかないだろう。


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