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2020年12月の記事一覧

猫のお告げは樹の下で(著者:青山美智子)

猫のお告げは樹の下で(著者:青山美智子)

著作者名:青山美智子 発行所:株式会社宝島社 2020年6月18日発行

この作品のテーマは何か。「成長」か。いや「希望」か。

この作品は、七つの物語から構成されている。主人公は、小学生からお年寄りまでさまざま。神社にタラヨウの樹がある。猫は主人公にお告げの言葉を一枚のタラヨウの葉で示す。そこには、主人公にしか見えないキーワードが書かれている。そのキーワードは、主人公を成長させる。あるいは、問題

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ラパパンパン…♪
名曲リトル・ドラマー・ボーイから
生まれた絵本『たいこたたきの少年』

ラパパンパン…♪ 名曲リトル・ドラマー・ボーイから 生まれた絵本『たいこたたきの少年』

♪ラ パパン パン   ラ パパン パン…
どこかなつかしく、暖かい感じのするメロディ。
バーナデット・ワッツが描いた絵本『たいこたたきの少年』は、このクリスマスの名曲〈リトル・ドラマー・ボーイ〉から生まれました。

主人公のベンジャミンには両親がいません。
いつもみんなを楽しませるために、通りでたいこをたたいています。

寒いある日、見たことのない3人組が、馬にのって町にやってきました。
生まれ

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菫の砂糖漬け

菫の砂糖漬け

森茉莉「私の美の世界」に菫の砂糖漬けが出てくる。

薔薇、菫、なぞは見ても綺麗、
香り(におい)も素晴らしいし、
色も綺麗で、
漢字で書いても素敵である。
それに薔薇も菫も食べても美味しいのである。

薔薇と菫。
漢字で書くと浪漫を感じる。
森茉莉の世界は甘美で、ヨーロッパの香りがする。

以前、2月にスミレ祭りがあるというフランス南西部トゥールーズのお土産に、菫の砂糖漬けをいただいたことがあった

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負ってきた傷や痛みが、優しく、強くしてくれる。

負ってきた傷や痛みが、優しく、強くしてくれる。

今年三月にある記事を読んでから、ずっと忘れられない言葉がある。

「自分が負ってきた傷や痛みが、志のもとになる」

その当時は、ウイルスが徐々に世界に、日本に広まり、身動きが取りにくくなってきた時期であったけれど、その反面、わたしは今ここではない場所に行きたくて、でもどこに行けばいいかわからなくて。ずっと自分の生きるうえでの核になるものをずっと探していた。

そんな時に上記の言葉に出会い、「あ、こ

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はな と ほし

はな と ほし

2冊が一緒に箱に入っている『クリスマスプレゼント』。
1冊目は、はな。
2冊目は、ほし。
母と子のクリスマスのお話。

おとうさんがいないおうちの、おかあさんとむすめ。
クリスマスの1日を、それぞれの視点から描いています。

おかあさんは、かじかんだ手を何度もこすりながら、ケーキを売る仕事していています。
そして、おんなのこは、忙しく働くおかあさんと、パーティーをするのを家でまっています。

おん

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