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EATLABマーケティング研究室

「地域の食文化を持続的に未来に繋ぐ」ことを考えるコミュニティマガジンです。食文化・マーケティング関連の有料マガジンの購読に加え、石川県小松市に2019年3月にオープンした食文化の… もっと読む
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記事一覧

スペースも、ブランド化していく時代に。

スペースも、ブランド化していく時代に。

昨年最後に更新した、ひとつ前の記事でコワーキングスペース EATLAB のひとつの成長の形として考えた「概念化」。それは、ひとつのスペースを軸にそこにコミュニティができ、それを並行展開していけるだけのブランド価値を持つということです。

わたしたちは、スペースもブランド化していく時代が訪れる、いや、すでに訪れているのだと考えています。

EATLABのマーケティング自由研究の場として運営してきた有

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伝統食の維持と道具の関係|#食文化研究

伝統食の維持と道具の関係|#食文化研究

地域に脈々と伝わる伝統食がひとつ、またひとつと姿を消していく。今、日本の地域には食のレッドリストがあれば上がるであろうその地域のひとしか知らないような土着の伝統食が天田ある。

これまで、親から子へ、孫へと代々伝えられてきたこうした伝統料理の伝承が途切れつつあるのは、何故だろうか。そこにわたしたちは何ができるだろうか?という問いとともに立ち上げたのがEATLABという大きなキッチンを持つスペースで

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飲食店の救済を目的として始めた Eat KOMATSU のこれまでと今後

飲食店の救済を目的として始めた Eat KOMATSU のこれまでと今後

今年の3月、東京で深刻化し始めた新型コロナウィルスによる飲食店への影響は、EATLABがあるここ石川県小松市でもその余波を感じるくらいになっていました。特に3月末に東京都知事による緊急事態宣言が発せられてからは、まだ石川での患者が出ていなくても人々の意識を外出自粛へと駆り立てました。

そんな中、とある飲食店主からすでに東京を中心にはじまっていた前売り券販売の仕方について相談を受けたわたしたち。

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ブランドの空気感をイメージする|メディアブランドweaveの舞台裏

ブランドの空気感をイメージする|メディアブランドweaveの舞台裏

メディアやブランドを立ち上げるときに意識していることが、関わるメンバー内での空気感の共有です。その空気感は、メンバーの仕事次第でロゴやグラフィックに宿るかもしれないし、文章としての言葉遣いに宿るかもしれない。

細かいアウトプットのひとつひとつを決めていく作業もときには重要ですが、AかBかで迷ったとき、立ち帰ることのできる共通の“空気感”と呼べるようなものがあれば、あらかた迷わずに求める空気を醸し

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現代における“会(かい)”文化のアップデートについての考察|#食文化研究

現代における“会(かい)”文化のアップデートについての考察|#食文化研究

わたしたちEATLABが拠点としている石川県は、全国的に見ても非常にクローズドな集まりが多い地域かもしれない。あまり表立って告知することも参加者を募集することもしていないような催しや看板のないお店をよく見かけることがある。その代表例としてあげられるのが“会(かい)”と呼ばれる文化だ。

いわゆる「◯◯会」とか、「会合」とかいった類のものと言ってしまえばどこにでもあるように感じるかもしれないが、“会

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産地と、九谷焼と、番人と。

産地と、九谷焼と、番人と。

先日、「地域のビジョンづくりに関わっているはなし」について書きましたが、今回はそのうちのひとつの事例として、EATLABの本拠地である小松市を代表する伝統産業、九谷焼の現状に関するはなしをしたいと思います。

まだまだ、現在進行形まっただ中のはなしでもあるので、本論は基本的に有料コンテンツとさせていただきますが、かなりディープな産地の未来のはなし、資料もたっぷりなのでご興味ある人はぜひお読みいただ

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地域のビジョンづくりに関わっているはなし

地域のビジョンづくりに関わっているはなし

こんにちは。コロナ渦でもありがたいことに、毎月怒涛のような日々が過ぎ去っていく中で、noteのネタをあれやこれやと吟味する間に、すっかり10月となってしまいました…。先月から購読いただいている方、申し訳ありません、今月はしっかり、先月分も更新していきますね。

さて、このマガジンは『マーケティング研究室』と銘打っているわけで、EATLABが日頃関わる主に食がらみのマーケティングのお仕事や、それらの

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プラットフォーム化するたくあん|#食文化研究

プラットフォーム化するたくあん|#食文化研究

まったく季節もへったくれもない話だけれど、とある日、EATLABでたくあんの話になった。たくあんというよりも、たくあんのつくり方のはなしだ。

以前、”食文化”とはいったいなんなのか?わたしたちがそれぞれ持っているイメージのすり合わせやそれに基づいてわたしたちが目指したい「日本の食文化を未来へとつなぐ」ために大切なことについて考えた記事を書いたが、

今回は、何気ないたくあんの話から、わたしたちが

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色とデザインのはなし|メディアブランドweaveの舞台裏

色とデザインのはなし|メディアブランドweaveの舞台裏

どんよりと鬱陶しい暑い雲に覆われて、夏の湿度は凄まじく、冬は陰鬱な景色に包まれながら深々と雪が降り積もる…温暖化の影響か昨今は実際にはもう少しライトなものになっている気がしますが、こうした映画などに描かれがちなかつての北陸の景色が北陸の方の精神性に与えている影響が、少なからずあると思っています。

そんな中で育まれてきたのが家に篭りながらコツコツと仕上げていく繊細な伝統工芸であったり、機織りや撚糸

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地域の食材を料理するライフスタイル|ATAKA CAFE 由岐中亮介

地域の食材を料理するライフスタイル|ATAKA CAFE 由岐中亮介

weaveの拠点である石川県小松市の夕焼けの綺麗な安宅(あたか)の海を前に、2018年にできたカフェ、ATAKA CAFE。安宅漁港で揚がる地元の魚をオリジナルのアイディアを加えたお料理は、人気があり EATLAB のスタッフも大ファンです。そんな ATAKA CAFE でお料理を作るのが由岐中亮介シェフ。お店ができて2年、地域の食文化をどのように深掘り自分なりの解釈を加えて提案しているのか、仕事

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類稀なる北陸の文化的な暮らしを発信したい|メディアブランドweaveの舞台裏

類稀なる北陸の文化的な暮らしを発信したい|メディアブランドweaveの舞台裏

毎年7月1日が来れば氷室饅頭、アワビに岩牡蠣、9月になれば底引き漁の解禁、11月にはズワイガニ・香箱ガニの解禁、1月はブリ、冬の間はイノシシも…

石川県に引っ越してから、何かと食べることに忙しいEATLABのフードディレクター 瀬尾です、こんにちは。引っ越し以前から石川には毎月のように来ていて、1年を通して食べられる美味しいものは季節の折に触れてひととおりいただいてきました。

引っ越してからも

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うつわに宿るものがたりを継ぐ、うるしごとの面白さ|#NeighborhoodSustainability

うつわに宿るものがたりを継ぐ、うるしごとの面白さ|#NeighborhoodSustainability

割ってしまったうつわを直す手段として昨今注目を浴びている日本の伝統技術、金継ぎ。昨年、EATLABではじめた食卓まわりのワークショップ「おいしい学校」でも、本漆を使った“金継ぎ”の連続した講座を行いました。講師にお迎えしたのは、南加賀エリアで活動する漆芸家のなかおかようこさん。普段は、日常使いのうつわだけでなく、海外のコレクターなどが集めているような美術品レベルの漆芸品も修復されているなかおかさん

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#StayLocal の今こそ、取り組みたいこと

#StayLocal の今こそ、取り組みたいこと

#StayHome が少し緩んで社会が動き出してきた。県境を越えた移動の自粛も解禁になった。

でも、新型コロナウィルスがなくなったわけではなくて、全国的にも連日100人を越える人が感染している。そんな今、このタイミングで #StayHome の次の段階の合言葉が #StayLoacal だ。

ここ2週間くらいで、SNSのハッシュタグなどでも見かける方も増えたと思う。

そんな今こそ、取り組みた

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ゴミで鶏を育てる。石川の養鶏農家が進める「小さな革命」(後編)|#NeighborhoodSustainability

ゴミで鶏を育てる。石川の養鶏農家が進める「小さな革命」(後編)|#NeighborhoodSustainability

オーガニックや有機農法、減農薬…、日本ではヨーロッパのような厳格なルールがないだけに、この地球を持続可能な環境に導くために農家さんの取り組みは多岐に渡ります。しかしそのどれもが手間がかかったり飼料が高かったりして消費者にとっても農家にとってもコスト的な持続可能性が高くないという問題を抱えています。EATLAB online のこの春夏の特集テーマを「Neighborhood Sustainabil

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