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ブランドの空気感をイメージする|メディアブランドweaveの舞台裏

メディアやブランドを立ち上げるときに意識していることが、関わるメンバー内での空気感の共有です。その空気感は、メンバーの仕事次第でロゴやグラフィックに宿るかもしれないし、文章としての言葉遣いに宿るかもしれない。

細かいアウトプットのひとつひとつを決めていく作業もときには重要ですが、AかBかで迷ったとき、立ち帰ることのできる共通の“空気感”と呼べるようなものがあれば、あらかた迷わずに求める空気を醸し出せる気がしています。長く企画を温めている間のそれがあったからこそ、実際にやろうとなってからの立ち上げのスピードは非常に短い期間(実際、かかった時間は1ヶ月ほど!)でできたのではないかと思っています。

今回は、立ち上げからもうすぐ半年、少しずつコンテンツが増えてきてわたしたちの商品を手に取ってくださるお客様も増えてきたメディアブランド『weave』がメンバー内で空気感をイメージするためにしてきた工夫をご紹介したいと思います。

イメージに近い本や雑誌をシェアし合う

結婚式やお家づくりのイメージを Pinterest で行うのが一般的となった昨今では、想像に難くない話かもしれませんが、わたしたちもイメージに近い本や雑誌を持ち寄り、どの辺りがイメージに近いのか、ビジュアルで共有しています。

Pinterest に写真を集めて共有し合うのでも良いのですが、たくさんの写真や言葉が綴じられた本や雑誌だと、写真だけでなく文章と写真のレイアウトや文字のフォント、装丁や特集の組み方など、空気感をつくるもののなかでイメージに近いものをより解像度高く共有できる気がしています。

ブランドを体現する街や都市にみんなで出かける

これは、とってもわたしたちらしいやり方かもしれません。

よくイメージを具体的にするために取る方法として、人に見立てる“擬人化”がありますが、わたしたちはよく、つくりたいイメージを都市に見立てる“擬都市化”を行います。

新しいブランドをつくるとき、そのブランドが持つイメージをみんなでディスカッションしながら都市や街、あるいは村に見立てていく。そして、メンバーの中にその都市や街、村に行ったことがない人がいれば、みんなでそのエリアがつくる空気感やカルチャーを感じに行くのです。

すでに行ったことのあるメンバーも、ブランドをつくることになってあらためてそのエリアを訪れることで、どの部分がつくりたいブランドのイメージなのか、そのまちの何に魅力を感じるのかを言語化していきます。

ちなみに、『weave』では、メンバーで複数の都市や街に出かけました。weave自体は“北陸発のライフスタイルマガジン”として、主に日本の地域の食文化を楽しむ暮らしにフォーカスしているわけですが、そのインスピレーションの源が必ずしも北陸だけにあるとは思っていません。

エッセンスとしての空気感であれば、国内だけでなくときには海外にも目を向け、何らかのエッセンスでイメージに近いエリアを探し、そのエリアが持つ空気感を体感しに行きます。これはなかなか言語化が難しいところでもあるので、ブランド上大事なメンバーは一緒に行き、みんなで体感してくるのがオススメです。

ひとりで言語化できてないことでも、一緒に体感することで少しずつみんなで言語化することができます。

空気感を紡ぎ出す言葉を持ち寄る

言葉がもつ力は不思議なもので、丁寧な言葉遣いをしていれば丁寧な人のように、やんちゃな言葉遣いをしていればやんちゃな人のように見えてしまいます。

ブランドは人ではないですが、ブランドに伴う言葉が、ブランドの空気感を紡ぎ出すと言っても過言ではありません。ビジュアル的なイメージを共有するのはよくあることかもしれませんが、わたしたちは、イメージするブランドらしい言葉遣いをしている文章や小説、記事なども持ち寄ってブランドとしての言葉遣いを決めています。

これは、わたしたちがつくる『weave』が、メディアのかたちを取っているメディアブランドだからこそのやり方かもしれませんが、例えばバッグひとつをとってみても、大切な買い物をするときほど、商品のポップに使われる説明書き、コピーやついているタグに書いてある文言まで、ついつい繁々と読んでしまうものではないでしょうか。ここに欲しいと思った魅力的なバッグにそぐわない言葉が羅列されていたらどうでしょう…。やっぱりちょっと残念な気持ちになってしまうものではないでしょうか。

また、ブランドの担い手が何かのメディアで取材されることだってあると思います。そこでもやはり、ブランドとかけ離れた人柄を彷彿とさせる言葉遣いをされていたら、ブランドのファンはちょっとがっかりするのではないでしょうか。

だからこそ、ブランドが纏う言葉たちは、核となるメンバーが大切にしたい言葉選びをする必要があると考えています。


『weave』に限らず、言葉も本も、雑誌も、わたしたちが何か新しい取り組みをはじめるときに大切にしている“空気感”をつくるなくてはならない要素。EATLABが手がけている様々なプロジェクトはこうやって纏う空気をみんなでイメージしながら世に出ていきます。

メディアだからこそのアイディアもあるかもしれませんが、このプロセスが、何か新しくブランドを立ち上げる方たちのヒントになったり、しますように。


ここからは、『weave』で実際にメンバーがシェアしあった空気感のピースたちをご紹介したいと思います。

このnoteは、EATLABマーケティング研究室(旧 EATLABオンライン研究室)という有料マガジンの中で綴る「メディアブランドweaveの舞台裏」という不定期連載です。weave立ち上げの経緯から、Eコマースでありメディアでもあるweave運営の裏側まで、わたしたちの思考の過程を綴っていきます。現在、EATLABのコワーキング一日利用権をプレゼント中です。よろしければこの続きはぜひ有料マガジンをご購読の上、お読みください。

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