ゆきの

消えないように小説を投げるだけのアカウントです。 あまり顔は出しません。

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記事一覧

見える少女の相談【後編】

 コトン。  薄い朱色の陶器を置き、風に飛ばされないように気をつけながら、髪の毛を入れる。 「ここの守りと、鑑定はします。後は、頼みますよ?」 「うっす。頑張りま…

ゆきの
11か月前

見える少女の相談【前編】

 コンコンコン。  満がドアを開けると、高校生くらいの少女が立っていた。 「どうぞ。こちらにお座りください」  手のひらで椅子を示すと、少女は会釈して腰を下ろし…

ゆきの
11か月前

夢の中の少年

 ふと目を覚ますと、トバリは知らない場所にいた。足元の床は、水面のような柄で心なしか揺れているような気がする。 「……あぁ、夢か」  そう思った途端、体が自由に…

ゆきの
1年前
1

恋愛と結婚のおまじない

「あの! トバリさんですか!」  こげ茶色の髪色をした、元気な女性がトバリに声をかけた。スーパー帰りのトバリは驚きつつも、返事をする。 「はい。依頼でしょうか?…

ゆきの
1年前
1

中学校内失踪事件【後編】

「よいしょ」  辺りはすっかり真っ暗になっている。新が器用に門を登って、学校内に侵入した。満に合図を出すと、豪快に跳んだ。 「……隠してますけど、できるだけ音は…

ゆきの
1年前

中学校内失踪事件【前編】

 コンコンコン。  ドアを叩く音が部屋に響く。茶髪の青年がドアの方をチラリと見る。 「どうぞ、お入りください」  疲れた表情の男性がドアを開けて、店に入ってきた…

ゆきの
1年前

憂さ晴らし

 ふんふんふん。  鼻歌を歌いながら、コンビニから出てきたトバリ。軽い足取りのトバリの前に、黒い蝶が飛んできた。 「僕に御用?」  蝶に訊くと、蝶は答えずにゆっ…

ゆきの
1年前

浮気と呪い【解編】

「っ、はぁ……はぁ……」  茶髪の女性が飛び起きる。首に手を当てて、自分が生きていることを確認しているようだ。部屋の時計は午前5時を示している。 「夢、だよね」 …

ゆきの
1年前
1

浮気と呪い【呪編】

 この街には、呪いを代行してくれる『呪い屋』というものがあるらしい。その中でも、有名で1番効果のある呪いを扱う人物がいるのだとか。 「んー、美味い」  もぐもぐ…

ゆきの
1年前
1

【日記】習慣作り Part2

こんにちは。雪乃です。 またまた低浮上になっていました。創作はしているのですが、最近はイラストメインになっていて……。 まぁ、ゆっくり頑張ります😌 今回は、習慣作…

ゆきの
1年前
7

【小説】甘い嫉妬心と

「七社さんは、好きな人とかいないの?」  クラスメイトの女子が、澪に声をかけた。高校生というのもあり、恋バナが好きなのだろう。 「私? 好きな人はいないかな」 …

ゆきの
1年前
9

【日記】習慣作り Part1

お久しぶりです。雪乃です。 最近は、うまく小説の執筆が進まず、立ち止まっています。今思えば、少し詰め込みすぎたのかなと……一旦、創作は休憩しています😌 その分、こ…

ゆきの
1年前
8
+8

創作キャラのイラストまとめ

ゆきの
1年前
5

【小説】守り神と買い物

「梗一、楓、ちょっと出かけるぞ」  羽織りを身につけながら、桐人が言った。外に出るのが好きな楓は、目をキラキラと輝かせている。 「どこに行くんですか?」  梗一…

ゆきの
1年前
1

【小説】不思議な関係

 しんと静まった教室で、茶髪の少年が黒髪の少女に声をかけた。 「澪ちゃん、今日の予定は?」 「特にないけど……」  校庭からは、部活生の声が聞こえてくる。茶髪の…

ゆきの
1年前
8

【小説】新入り猫さん

 カランカランカラン。  ベルの音に、葵羽はドアに目を向ける。 「あ、雪丸さん。いらっしゃいませ」 「どうも。夢仁さんもいるんだな」  雪丸がそう言うと、夢仁はひ…

ゆきの
1年前
7

見える少女の相談【後編】

 コトン。
 薄い朱色の陶器を置き、風に飛ばされないように気をつけながら、髪の毛を入れる。

「ここの守りと、鑑定はします。後は、頼みますよ?」
「うっす。頑張ります」

 新に言われて、満は首から下げていた笛を思い切り吹いた。4本の尻尾が風に揺れる。

「人間を守ることができるやつは集まれー」

 ピィー。
 笛の音が響き渡ると、ぽつぽつと妖が集まってきた。ひそひそと話し声が聞こえる。

「……

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見える少女の相談【前編】

 コンコンコン。
 満がドアを開けると、高校生くらいの少女が立っていた。

「どうぞ。こちらにお座りください」

 手のひらで椅子を示すと、少女は会釈して腰を下ろした。店内をきょろきょろと見回している。

「どのような用件でしょうか?」

 満が優しく訊くと、少女は俯きながら小さな声で言った。

「その……私、色々なものが見える体質で……生活にも支障が出始めてしまって、その、どうにかしたくて」

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夢の中の少年

 ふと目を覚ますと、トバリは知らない場所にいた。足元の床は、水面のような柄で心なしか揺れているような気がする。

「……あぁ、夢か」

 そう思った途端、体が自由に動くようになった。トバリは自虐気味に笑う。

「化け物も夢は見るんだな。まぁ、出口でも探すか」

 水面のような床を歩くが、水が跳ねる音はしない。何とも不気味だが、夢なんてそんなものかと納得させた。

 しかし、歩いても歩いても景色は変

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恋愛と結婚のおまじない

「あの! トバリさんですか!」

 こげ茶色の髪色をした、元気な女性がトバリに声をかけた。スーパー帰りのトバリは驚きつつも、返事をする。

「はい。依頼でしょうか?」
「本物だっ。はい、そうです!」

 目を輝かせて女性が答えた。あまり関わらないタイプの女性だ。そんな人が一体、何の依頼だろうか。不思議だが、少し興味をそそられる。

「では、場所を変えましょうか。着いてきてください」

 パチン。

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中学校内失踪事件【後編】

「よいしょ」

 辺りはすっかり真っ暗になっている。新が器用に門を登って、学校内に侵入した。満に合図を出すと、豪快に跳んだ。

「……隠してますけど、できるだけ音はさせないでください」
「ごめんごめん」

 ぺろっと舌を出す満に、新はあからさまにため息をついた。気を取り直して、校舎を見上げ始める。真っ黒な瞳を見開く新に、満も静かに同じ方を向いた。

「3階。3階に何かいます」

 瞳孔を開いたまま

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中学校内失踪事件【前編】

 コンコンコン。
 ドアを叩く音が部屋に響く。茶髪の青年がドアの方をチラリと見る。

「どうぞ、お入りください」

 疲れた表情の男性がドアを開けて、店に入ってきた。男性を見て、茶髪の青年は黒い目を細める。男性は40を超えているだろう見た目だ。一方、青年は20歳前後だろうか。

「ひとまず、お座りください」
「すみません……」

 今にも倒れそうな男性を見つつ、茶髪の男性は店の奥に声をかける。

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憂さ晴らし

 ふんふんふん。
 鼻歌を歌いながら、コンビニから出てきたトバリ。軽い足取りのトバリの前に、黒い蝶が飛んできた。

「僕に御用?」

 蝶に訊くと、蝶は答えずにゆっくりと飛び始めた。その後ろをトバリがついて行くと、小さな公園にたどり着いた。

「あぁ、あの人が僕に用があるのか」

 ベンチに腰を下ろしている男性に、トバリが声をかけた。

「人違いでしたら、すみません。僕にご依頼ですか?」

 男性

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浮気と呪い【解編】

「っ、はぁ……はぁ……」

 茶髪の女性が飛び起きる。首に手を当てて、自分が生きていることを確認しているようだ。部屋の時計は午前5時を示している。

「夢、だよね」
「うんうん。上手くいってるね」

 四角い水晶のような板を見ながら、トバリが言った。呪いの効果や、自分と関わった人がどうなるのかを見ているのだ。

「この人は僕の呪いを解くことができるのかな?」

 トバリが安価で呪いを売るのは、比較

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浮気と呪い【呪編】

 この街には、呪いを代行してくれる『呪い屋』というものがあるらしい。その中でも、有名で1番効果のある呪いを扱う人物がいるのだとか。

「んー、美味い」

 もぐもぐと頬を動かしながら、満足気に笑う少年。学生服を着ているが、青年にも見える。

「ここもメモに追加しておこう。良い店を見つけてしまった」

 鼻歌を歌いながら手帳にペンを走らせる男性に、茶髪の女性が近づいてきた。

「あの、すみません」

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【日記】習慣作り Part2

【日記】習慣作り Part2

こんにちは。雪乃です。
またまた低浮上になっていました。創作はしているのですが、最近はイラストメインになっていて……。
まぁ、ゆっくり頑張ります😌

今回は、習慣作りPart2ということで、経過報告をしようかと思います。
ゆるりと読んでくださると嬉しいです☺️

Part1はこちら↓

習慣というからには、記録を付けないといけないなと思い、アプリで記録をしていました。

こちらは、『Dot Ha

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【小説】甘い嫉妬心と

【小説】甘い嫉妬心と

「七社さんは、好きな人とかいないの?」

 クラスメイトの女子が、澪に声をかけた。高校生というのもあり、恋バナが好きなのだろう。

「私? 好きな人はいないかな」
「そうなんだ? 七社さん、男子人気も高いし、恋愛してそうだと思ったんだけど」

 澪の周りからの評価は様々だ。近寄り難い、気難しそうという評価から、優しい、しっかりしてる、頼れるお姉さん的存在など。あわよくば、と考える男子も少なくないよ

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【日記】習慣作り Part1

【日記】習慣作り Part1

お久しぶりです。雪乃です。
最近は、うまく小説の執筆が進まず、立ち止まっています。今思えば、少し詰め込みすぎたのかなと……一旦、創作は休憩しています😌
その分、こういう日記のような記事を書こうかなと思います。

今回の日記は、なんというか決意報告のようなものです😅
1日1日、何となくで過ごしていることが多いなと感じたので、題名の通り習慣を作っていこうと思います。
具体的には4つです。

①英語

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【小説】守り神と買い物

【小説】守り神と買い物

「梗一、楓、ちょっと出かけるぞ」

 羽織りを身につけながら、桐人が言った。外に出るのが好きな楓は、目をキラキラと輝かせている。

「どこに行くんですか?」

 梗一が訊くと、桐人は複雑そうに言った。

「幽世だ。まぁ、ただの買い物だがな」

 その言葉に楓の目は更に輝いた。幽世は、端的に言うと死後の世界だ。逆に花舞高校のある、この世界を現世と呼ぶ。

 桐人たちのような人間ではない者は、現世と幽

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【小説】不思議な関係

【小説】不思議な関係

 しんと静まった教室で、茶髪の少年が黒髪の少女に声をかけた。

「澪ちゃん、今日の予定は?」
「特にないけど……」

 校庭からは、部活生の声が聞こえてくる。茶髪の少年は、澪と呼んだ少女の隣の席に座った。

「じゃあ、少し此処で話さない?」
「いいけど。教室でいいの?」
「うん。誰も来ないだろうし」

 七社 澪は筆箱などを鞄にしまい、視線を茶髪の少年……九鬼 玲に向けた。

「神社の手伝いって、

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【小説】新入り猫さん

【小説】新入り猫さん

 カランカランカラン。
 ベルの音に、葵羽はドアに目を向ける。

「あ、雪丸さん。いらっしゃいませ」
「どうも。夢仁さんもいるんだな」

 雪丸がそう言うと、夢仁はひらひらと手を振った。雪丸の後ろから、茶色のトラネコがチラリと店の中を覗いている。キョロキョロとしていると、葵羽と目が合った。

「どうぞ、お好きな席に座ってください」

 葵羽が促すと、雪丸とトラネコはカウンターにちょこんと座った。よ

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