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呪い屋トバリ

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記事一覧

夢の中の少年

 ふと目を覚ますと、トバリは知らない場所にいた。足元の床は、水面のような柄で心なしか揺れているような気がする。

「……あぁ、夢か」

 そう思った途端、体が自由に動くようになった。トバリは自虐気味に笑う。

「化け物も夢は見るんだな。まぁ、出口でも探すか」

 水面のような床を歩くが、水が跳ねる音はしない。何とも不気味だが、夢なんてそんなものかと納得させた。

 しかし、歩いても歩いても景色は変

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恋愛と結婚のおまじない

「あの! トバリさんですか!」

 こげ茶色の髪色をした、元気な女性がトバリに声をかけた。スーパー帰りのトバリは驚きつつも、返事をする。

「はい。依頼でしょうか?」
「本物だっ。はい、そうです!」

 目を輝かせて女性が答えた。あまり関わらないタイプの女性だ。そんな人が一体、何の依頼だろうか。不思議だが、少し興味をそそられる。

「では、場所を変えましょうか。着いてきてください」

 パチン。

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憂さ晴らし

 ふんふんふん。
 鼻歌を歌いながら、コンビニから出てきたトバリ。軽い足取りのトバリの前に、黒い蝶が飛んできた。

「僕に御用?」

 蝶に訊くと、蝶は答えずにゆっくりと飛び始めた。その後ろをトバリがついて行くと、小さな公園にたどり着いた。

「あぁ、あの人が僕に用があるのか」

 ベンチに腰を下ろしている男性に、トバリが声をかけた。

「人違いでしたら、すみません。僕にご依頼ですか?」

 男性

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浮気と呪い【解編】

「っ、はぁ……はぁ……」

 茶髪の女性が飛び起きる。首に手を当てて、自分が生きていることを確認しているようだ。部屋の時計は午前5時を示している。

「夢、だよね」
「うんうん。上手くいってるね」

 四角い水晶のような板を見ながら、トバリが言った。呪いの効果や、自分と関わった人がどうなるのかを見ているのだ。

「この人は僕の呪いを解くことができるのかな?」

 トバリが安価で呪いを売るのは、比較

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浮気と呪い【呪編】

 この街には、呪いを代行してくれる『呪い屋』というものがあるらしい。その中でも、有名で1番効果のある呪いを扱う人物がいるのだとか。

「んー、美味い」

 もぐもぐと頬を動かしながら、満足気に笑う少年。学生服を着ているが、青年にも見える。

「ここもメモに追加しておこう。良い店を見つけてしまった」

 鼻歌を歌いながら手帳にペンを走らせる男性に、茶髪の女性が近づいてきた。

「あの、すみません」

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