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#短編
チベットユキヒョウ【フォトギャラリー短編】
名古屋の博物館に飾られている、チベットユキヒョウ。
チベットで生まれて、
氷の高山ですくすく育ち、
恋をして、
命が尽きた、チベットユキヒョウ。
と、思われているんだろうなあ。
だけど、オレは、本当は、
名古屋の動物園で生まれて、
飼育員さんに可愛がられて、
おいしいものを食べて、
命が尽きちゃったんだなーー。
今は、名古屋の博物館で、みんなの注目を集めている。
一度は、チ
きっと出会える、あと半分【みんなのフォトギャラリー短編】
「どこにいるんだろうな。」
龍は、花束を持って、探している。
探し始めて、7か月が経つが、まだ、見つからない。
「どこにいるのかな。」
探しても、探しても、出会えないということは、寂しいことだ。
龍も、ときどき、そんなことを考えて、くじけそうになるが、なんとかふんばっている。
「早く会いたいな。」
会うことは、決まっている。
あと、5か月後だ。半分は過ぎている。
それまでは、探し続け
発砲通報プロ【毎週ショートショートnote】
この町は、2つのギャングに支配されていた。
パンッ、パンッ。
パンッ、パンッ。
乾いた銃声が響く。
銃声が聞こえたとたん、警察署のアラームが光った。
「G地区で、発砲を確認。緊急出動!」
パトカーがサイレンを鳴らしながら、急行する。
ギャングたちは一網打尽だ。
市民にまぎれた、発砲通報のプロがこの町には潜んでいるのだ。
その活躍もあって、2つのギャングは壊滅し、ボスたちは逮捕された。
パン
一方通行風呂【毎週ショートショートnote】
2030年、お風呂は全自動になった。
高齢化が進み、介護の人出が不足しているため、オートメイション化されたのだ。
服を脱いで、お風呂場に立てば、ブラシが体と頭をこすり、ボディシャンプーとシャンプーをかけて泡だらけにし、適温のお湯でそれらを流す。
風呂場から出て、着替えれば、お風呂上がりの完成である。
2035年、お風呂の全自動化の技術は、大衆浴場や温泉にまで行きわたった。あたらな技術として、ベル
隔週警察【毎週ショートショートnote】
「きゃあーーーー。」夜の街に女の声が響く。
「やめろーーーーー。」男の声も響く、
「誰か助けてーーーーー。」
「じゃまをするなーーー。」
バタバタバタバタ。走り去る足音。
「バッグを盗られたわ。警察に通報しなくちゃ。今週は来てくれるの?」
隔週法という法律が制定された。・・・働き方改革を推進する法律である。警察や消防、市役所などは、隔週で休みと業務を交互に行うことになった。
「よかった。今
隔週警察【毎週ショートショートnote】
「きゃあーーーー」夜の町に女の声が響く。
「やめろーーーー。」男の声。
「助けてーーーー。強盗よーーーーー。」
「その手を放しやがれ。」
バタバタバタバタ。走り去る足音。
「警察に通報、、、、、、。あ、今日は第2週かーーーーー。」
隔週法・・・働き方改革を推進する法律が制定された。警察や消防署、市役所などは隔週で長期の休みをとるようになった。今週は警察が休みの週なのだ。
「大丈夫か。けががな
復習Tシャツ【毎週ショートショートnote】
やばい、この夏の試験を乗り越えなくては。留年が決まってしまう。
追い詰められたおれは、カンニングを実行することにした。
少し前にチャリティ番組で、不思議なアートが紹介されていたのを思い出す。写真をたくさん並べて、一つの絵をつくるというものだった。なるほど、その手法を使えば、書かれた文字も絵のように見えるはずだ。
試験官の目をごまかすことができるだろう。
おれは必死になってカンニングの道具を何
粒状の総料理長【毎週ショートショートnote】
気が付くと、夕方の海辺にたどり着いていた。
「もうお終いだ。」
そうつぶやいたとき、男が、そばに立っていた。
真っ青なエプロンに、白いコック帽、白い口ひげ。瞳は海の色。
「何か困りごとかね。」
おれは、王様に今日の夕食を作ること、気に入らなければ死刑になってしまうことを話した。
「私が手伝ってやろう。」
おれは、その男を連れて、お城の台所に向かった。
必死になって、考えていたレシピを完
友情の総重量【毎週ショートショートnote】
体が重い。重い足取りでとりあえず前に進む。
どうしてしまったんだろう。
よく思い出せない。
そう言えば、車が突っ込んできて、、、。
人の気配を感じて、見上げると、閻魔大王が目の前に座っていた。
「お前は、もうすぐ死ぬだろう。だから、ここに来たのだ。」
これから天国行きか地獄行かの裁きが始まるのだろう。
それにしても、体が重い。
地面がやわらかいのか、足がめりこみ始めた。あっと言う間に、ひざ
私の世界のつくり方【フォトギャラリー短編】
あと2時間。
まだ寝れる。
今日の予定は、何だっけな。ああ、そうだ。10時に井上下様に電話しなきゃ。発注数を確認しておかなきゃ。
いや、いや、あと2時間眠れるのに、仕事のことを考えるのは、もったいない。仕事のことは考えない、考えない。
ただ頭を無にして、眠ることだけ考えよう。いや、考えてもだめだ。
無、無、無、、、、。
体勢が悪いな。眠る姿勢をつくろう。ブランケットを頭までかぶって、世界
ワニに来てもらう【フォトギャラリー短編】
あーーーー、しんどい。
今日は、会社、休もうかな。
体が重い気がする。あ、熱もある気がする。のども痛くなってきた。
そう言えば、1週間前からこんな気分が続いている。
もう今日は休むしかない。
会社に電話しよう。
「すみません。橋本下です。体調が悪くて、今日は休ませてください。」
「あーーそうなの。大丈夫?無理しないようにね。お大事に。」
上司の町村さんは、それとなく私の変化に気づいているのだ
母とお好み焼き、または母とたこ焼き【フォトギャラリー短編】
今日は、母を病院に連れて行った。母は今年87だ。
3年前に自宅で転倒して、股関節と腰骨を骨折し、歩くことが不自由になった。家の中も歩行器で移動する。ゆっくりと、ゆっくりと。
「5日に病院に連れて行って。」
月に1度か2度、母を病院に連れていくことになる。
病院は母の家の近くにあるので、5分とかからない。
その間は、母の愚痴を聞かされる。主に、父の。
「あんなに意地悪だとは思わなかった。」
「
山猫軒でいただきます【フォトギャラリー短編】
「いただきまーーーーーす。」
山猫軒では、毎日、おいしいディナーを提供しています。
「本日のおすすめはこちらの3品です。
前菜は、花椒香るドッグのカルパッチョ。
主菜は、ハンターカチャトラ(ハンターの狩人風トマト煮込み)。
デザートは、パンナコッタ鉛の玉添え。」
「ごゆるりとご堪能ください。」
「こちらは、宮澤賢「イーハトーブ名店図鑑」でも紹介されています。」
(お礼)
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