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フランス語(等の)方へ

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2020年12月の記事一覧

【273】フランスのペンギンに学ぶ、辞書や専門領域の内的循環を脱する方策

【273】フランスのペンギンに学ぶ、辞書や専門領域の内的循環を脱する方策

皆さんはペンギンがお好きですか。私は好きです。日がな一日眺めていても飽きません。

ペンギンは英語でpenguinですが、フランス語だとmanchot(カタカナに無理に直すなら「マンショ」)です。なんだかへんな音ですよね。

今回はここから。

※この記事は、フランス在住、西洋思想史専攻の大学院生が毎日書く、地味で堅実な、それゆえ波及効果の高い、あらゆる知的分野の実践に活かせる内容をまとめたものの

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【272】芋虫、猫、シリウス、酷暑:言語が描く星座を読む

【272】芋虫、猫、シリウス、酷暑:言語が描く星座を読む

太古の人類が星々の配置に動物や神々の姿を読み取ってきたように、原初的な「読む」作業というものは、意味のないところに意味を見出すことであり、世界に意味を与えることであり、書かれていないものを読むことでした。

そうした読みの痕跡を、タイトルに示した言葉の周辺において見てみたいと思います。


いくつかのはじめ方があるのですが、差し当たり多くの人が理解しやすい英語の例から入ってみましょう。

皆さん

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【265】seminarの語源から、多様かつ重層的に言葉を見ることへ

【265】seminarの語源から、多様かつ重層的に言葉を見ることへ

ごく簡潔ではありますが、語源を検討する能力を持つことの価値について、また広く言って自らの言語運用を反省することについて、見てみたいな、と思います。

※この記事は、フランス在住、西洋思想史専攻の大学院生が毎日書く、地味で堅実な、それゆえ波及効果の高い、あらゆる知的分野の実践に活かせる内容をまとめたもののうちのひとつです。流読されるも熟読されるも、お好きにご利用ください。

※記事の【まとめ】は一番

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【261】イタい鼻うがいから「勘所」を押さえることの難しさへ

【261】イタい鼻うがいから「勘所」を押さえることの難しさへ

ちょっと必要があって鼻うがいをしたのですが、激痛が走りました。

その体験から。

※この記事は、フランス在住、西洋思想史専攻の大学院生が毎日書く、地味で堅実な、それゆえ波及効果の高い、あらゆる知的分野の実践に活かせる内容をまとめたもののうちのひとつです。流読されるも熟読されるも、お好きにご利用ください。

※記事の【まとめ】は一番下にありますので、サクっと知りたい方は、スクロールしてみてください

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【257】chanceの語源:サイコロ、ぼた餅、主体性

【257】chanceの語源:サイコロ、ぼた餅、主体性

大学受験の水準で言えば、chanceという語を見たら、単なる「好機」「幸運」ととらえるのではなく、中立的な意味での「偶然」や中立的な意味での「可能性」といった意味も持つよね、ということまで抑えておけば十分かもしれませんし、恐らく。

とはいえ、常々私が思っているのは、勉強であれいわゆる実学であれ芸事であれ何であれ、意味の広がりをできる限り広く把握して自分なりの理屈をつけておくことが物事を覚え・身に

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【254】目標への最適化+強制的な「遊び」で突き抜ける

【254】目標への最適化+強制的な「遊び」で突き抜ける

今日は語学の訓練の方向にかこつけて、物を学ぶこと全般に対して言えそうな方法論、ないしは態度というものについて少し述べてみたいなと思います。

※この記事は、フランス在住、西洋思想史専攻の大学院生が毎日書く、地味で堅実な、それゆえ波及効果の高い、あらゆる知的分野の実践に活かせる内容をまとめたもののうちのひとつです。流読されるも熟読されるも、お好きにご利用ください。

※記事の【まとめ】は一番下にあり

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